【短編小説・番外編】続々・ワライバでの、とある一日 ―野上翼編―
<本編>
コータローさんから聞いたときには耳を疑い、呼吸が止まった。幼少の頃から憧れてきたシンガーソングライターのレイカが、よりによって実家のすぐ近くに越してきたと報告されたら誰だって困惑するに決まってる。
「えっと……。冗談だよな? いくら何でもそんな都合のいい話……。俺をぬか喜びさせようとしただけだと言ってよ」
「それがどうも事実らしい。ここへ来る途中にちゃんとこの目で確認してきたから間違いない。さすがに約束も無しに訪ねることはしなかったが、証拠写真なら撮ってき