たった二箱の無人書店|いろり文庫 スタッフこさやの自己紹介と、思うこと。 【その1】
はじめまして。京都市左京区にある、京町家にひっそりと佇む無人書店「いろり文庫」のスタッフこさやと申します。
本投稿では、スタッフの自己紹介も兼ねて「いろり文庫」にかける思いを簡単ではありますが、綴ろうと思います。
本店 Google Maps はこちらから↓
名前:こさや
京都府の最北端出身。
現在京都の大学5回生で、今年無事に卒業が決まれば、春からとある芸大の大学院生になります。
趣味は書店巡り、散歩、変な看板探し、料理、油絵などなど……
2年半のブックカフェ勤務を経て
私は大学2回生の秋から4回生の春まで、祇園のとあるブックカフェでアルバイトをしていました。
書店×カフェ×イベントをコンセプトとし、社員さんが常駐していなかった京都店は、学生アルバイトが中心になって、社員さながらの働きをしていました。
とくに私が業務内のなかでやりがいを感じたのは、「お客様との会話」。お医者さんのように診断し、最適の一冊を選びました。
その中でもとくに印象的だった出来事を紹介します。
事例1:恋人のプレゼントを探してほしい
ある日、ご来店されたお客様が困っていらっしゃった様子だったので、「何かお探しですか?」と尋ねてみました。
すると「恋人が誕生日で本を買おうと思っているのですが、なにがいいかわからなくて」とのこと。
どんな本が好きかや、普段なにをされているのかなどをお聞きし、アルフォンス・ミュシャのイラスト画集をお渡ししました。
そして後日、恋人とおふたりでご来店され、「とても喜んでくれて、お礼を言いたくて来ちゃいました」と、また本を買ってくださりました。
事例2:普段本を読まない自分のために選んでほしい
ある日、若い男女ふたりがレジに来られ、女性が
「この男……本当に本を読まなくて……おすすめの本を選んであげてください」
とのこと。
まず読書の習慣はどれくらいか、どのくらいの堅さの文章が読めるかを、実物をお見せしながら診断しました。
児童文学→詩集→短編集とお見せし、何冊か候補をだしたところで「これだ!」と決めていただいたのが、『すみれの花の砂糖づけ』(江國香織)でした。
「これやったら読める〜!」とよろこんで買っていただきました。
これらの出来事すべてにあてはまる感情は、
「本と人がつながることができた」という達成感です。
このほか毎回テーマを設定し、互いの好きな本について語り合う「読書会」の開催を通して、「本をとおして人と人がつながる」ことにも達成感をおぼえました。
私は2年半、この気持ちを軸に働いてきたような気がします。
お客さんと本の話がもっともっとしたい…本にまつわるイベントももっとしたい……けど……書籍発注……調理……提供……お会計……在庫発注……イベントのお誘い……SNS運営……配布物デザイン……………………ンン???
「いやいや、ほんまに、これでええんか…??」
限られた勤務時間で業務がギュウギュウに詰めこまれていたため、書店業に注力できていないことに気づきました。
「私がしたいことはこれだったっけ…?」となり、大学4回生の春に退職しました。
そして、「いろり文庫」始動のきっかけとなる出来事が。
……今回はここまで!
次回、「たった二箱の無人書店|いろり文庫 スタッフこさやの自己紹介と、思うこと。【その2】いろり文庫 始動編」でお会いしましょう。
(文章:いろり文庫スタッフこさや)
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