読書報告 2025.1.19
こんばんは、いたるです。
1月も下旬に入りました。今週の読書状況を投稿させていただきます。
辻邦生「背教者ユリアヌス」 上・中
辻邦生さんによる東西分裂前のローマ帝国皇帝、ユリアヌスを主人公にした歴史小説を読んでいます。1975年に中公文庫から上中下の3巻構成で発売されたものの、上・中を読み終えました。
キリスト教を「国教」としたことで大帝と称される、コンスタンティヌス1世の甥のユリアヌスが宮廷内の軋轢に巻き込まれ、家族を失った果てに副帝としてガリア地方(現在のフランス、ドイツ)の統治を安定化させていく、というところまで読んでいます。この後、彼がどのような生涯を送るのか、史実としては知っています。その史実の隙間を辻さんがどう描いていくのかが楽しみです。副帝としての統治にあたり、ユリアヌスがカエサルやマルクス・アウレリウスの残した文章に読む場面があると、ガリア戦記や自省録を読んだことのある私としては、妙に親近感を覚えてしまっています。1,700年後の東の島国で生きるサラリーマン、私はバルバロイ(野蛮人)なんて言葉では収まらない存在なわけですが!
感想は下巻を読み終えた時に改めて投稿させていただきますが、執筆当時、辻さんがユリアヌスやキリスト教、その後の中世に対してどのようなイメージを持たれていたか、が物語の肝になってくると感じています。
高校生の時に購入した、「世界史小辞典」のユリアヌスは以下のものです。
ネタバレになりますが、歴史小説のためご容赦を。
後代、後の時代に欧州を覆うキリスト教からの評価は「背教者」であったということ。一方でローマ帝国衰亡後の中世前期を「暗黒時代」と評する考え方もあります。現在、この言葉の使用は控えされているか、限定的に使用されている状況だと私は認識しています。このような歴史解釈の中で、辻さんはどのように歴史解釈からユリアヌス像を描かれていくのか、楽しみです。
下巻まで読み終えたら、20年ほど前に一度読んだ塩野七生さんの「ローマ人の物語 14 キリストの勝利」と積読のギボンの「ローマ帝国衰亡史 3」を読み直してみようと思っています。
今年は中東の交易や文化交流史について勉強する、と言っていたのは誰だ・・・。
九州国立博物館に行ってきました
テーマ特集展示「蒙古襲来」の痕跡を探る、を見に九州国立博物館にいってきました。もう一つのお目当てだった、足利尊氏の花押入りの扇子は展示されていませんでした。残念。
展示されいた山笠のテーマは「嗚呼壮烈岩屋城」。岩屋城攻防戦の壮絶な戦いが表現されていました。岩屋城は大宰府にあるんでした。次回はトレッキングシューズで登ってみようかと思っています。
さいごに
いつも以上にまとまりのない文章でした。
「背教者ユリアヌス」については、感想をまとめてかきたいな、と思っています。妄想キャストはユリアヌスは梶裕貴さん。素直で優しい、一本芯のとおった好青年、梶さんですよね。実写化するなら、ユリアヌスは思いつきませんが、皇帝コンスタンティウスは佐々木蔵之介さんがいいな、と思っています。目力があって何を考えているかわからない不気味な演技、大河ドラマ「風林火山」で攻め弾正、真田幸隆を演じられた時のことを思い出しました。感想と一緒に妄想キャストも発表したいです。
それくらい作品を楽しめたらな、と思っています。
今回はnote定期更新のための投稿、ということです。
私は読むことが好きですが、書くことも好きなんです。
またお付き合いください。お願いします。