[詩] 一瞬のもの
こなゆき
ちらりちらり
車のライトに
てらされて
とんでいく
道路のうえで
一秒光り
きえていく
あるいは、
地上へは
たどりつかずに
闇のなかへと
すいこまれる
私は
財布のなかの
二十ドルで
カリビアンチキンと
グリーンプランテーンの
フライをかって
教会のかどを
曲がり、家へと
いそぐ
教会のなかでは
仕事帰りの人たちが
スペイン語で
金曜日の
祈りを
ささげているだろう
このさきの
地下鉄の駅では
前歯の一本欠けた
巻き毛の若者が
小銭を
めぐんでくれと
うったえているだろう
私はこれから白いソファーにすわって
あなたとチキンをたべる
しずかな
よるになるように
明日の朝には
つまらない言い争い
あるいは金勘定
または、
ゆえしれぬ
不安にとって
かわられるとしても
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