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同人誌を初めて世に出したときの感想

他の人の投稿で、同人誌即売会について感想を述べている記事をいくつか読んでみて、僕も初めて同人誌を出したときの感想を述べてみようと思う。


少し前のお話

少しどころか、10年以上も前の話になります。
僕の同人活動は、2011年夏から自分のサークルからのスタートでした。
厳密には2010年12月に、当時コミックマーケット79に一般参加して、サークル参加用の申込書を買った頃、当時の雰囲気に圧巻されて自分もサークル参加してみたい、やってもいいのかな?という気持ちになっていました。

あの頃は、大学2年生~大学3年生の頃で、周りには漫画、アニメ、同人誌があふれる環境で大学の先輩も「コミックマーケットにサークル参加で出た」という話から、やってみようと思ったわけです。

コミックマーケットに出るときに、夏と冬の申し込み期間が異なることは今でもありますが、サークル名や何の本を出そうかもまだ未決定だったことから、冬参加(短期間申し込み)するより、夏参加(長期間申し込み)を選びました。夏参加では1ヶ月ほど申込期間があり、その間で何を出そうかを考えました。ついでにサークル名もその時に。

「いろは研」を命名したとき

命名の発端は、同人誌というものを知るきっかけとなった、「げんしけん」という漫画。2002年~2006年に講談社から「月間アフタヌーン」で連載されていた漫画で、この頃ちょうど2005年の秋葉原ブームとも重なり、同人誌とは何ぞや、作るにはどんなことが必要なのかは、この漫画から大体の知識を得た。「げんしけん」って感じで書くと「現視研」と書く、「現代視覚文化研究会」の略称で物語がある。
自分のサークル名も○○研究会としたく、何か響きのある名前にしたくて、何回か試行錯誤をしていた。咄嗟に出たのが「いろは」という言葉。「いろは」は、いろは歌の最初の三文字、物語の初めを意味することもあって、「最初の研究」「初歩的な研究」を意味して、「いろは研究会」から語呂の言いやすさも踏まえて「いろは研」が誕生した。
もちろん、研究するに研究員という名のグループとしても考えたが、最初も今も研究者は僕だけである。

最初の本は、イラスト本に。

サークル名が決まれば次は出し物である。当時、イラストを描いていたこともあって、12ページのイラスト本を作ろうと思って、ジャンルも一次創作系ではなく、二次創作でポケモンのイラスト本にしようと思った。

「販売して売れなかったら嫌だ」という事もあって、二次創作の力を借りてコミックマーケットに応募した。

学生からするとサークル参加の費用は高い。

大学生でアルバイトもせず、親からの小遣いでやりくりしていたこともあって、コミックマーケットのサークル参加費、当時7,500円だったことを覚えている。申込書から買うとさらに1,000円かかり、いきなり8,500円の打撃があったことを覚えている。
ただ、コミックマーケットでは、抽選制があるので仮に抽選で落ちてしまっても、参加費7,500円は郵便為替で返ってくるので仮に落ちても仕方ないだろうと気は軽めだった。

当落発表で当選し、本づくりに。

事前にコミックマーケットに参加した先輩によれば、「初回参加の場合は大抵受かる」と聞かされていたので、当落発表で当選通知をもらって、喜んだが、ついに作るのかと楽しみでいっぱいだった。
ただ、この時、「コミックマーケットやれるんだ、」という感情もあった。時は2011年の6月を過ぎており、2011年といえば東日本大震災があった年で、東京は震度5強クラスまで揺れたので、開催できるか心配だった。大地震から3カ月経っていても、宮城、福島、茨城の余震が千葉や東京にまで押し寄せていたので、最悪中止になることも想定していた。開催出来て本当に良かった。
さて、イラスト本を作るという事で、12ページ分となると最初と最後は挨拶と後書きで埋める予定で、それでも表紙、裏表紙を考えれば12枚のイラストが必要だった。とてもじゃないが多いと思った。作成期間は3ヵ月で約10日に1枚描くペースじゃないと厳しいと思ったので、中学時代の助っ人として、2名友達呼んで、ポケモンをテーマにイラストを描いてほしいと1人2ページ分の依頼をした。なかなか金銭を対価で払えないために、交換条件はサークル参加チケットとした。まぁ、サークル参加をすると話したら、「俺もやってみたかったんだ」という話から、手伝ってもらえないかと相談したら、すぐにOKをもらえた。
一時的に研究員3名として、イラスト本づくりに着手して、印刷も学生で経費削減のためにコピー本で作ることになった。研究員の1名、僕の友達が当時セブンイレブンの副店長兼バイトリーダーだったので、印刷はセブンイレブンの印刷機を使って、片面B4サイズ12ページ分(6枚)と表紙、裏表紙を1枚にして、部数は30部作った。

冊子は、B4山折りで厚みをプラス。

冊子づくりは簡単だった。
B4の印刷面を中央に山折りにしてB5サイズの本として作製、ホッチキスで2か所止めて、製本テープで仕上げた。大体印刷や、サークル参加費、諸経費込みで15,000円は超えてたと思う。今で考えれば、社会人となって金銭面はクリアできるが、これでも有限の費用を削って抑えたはず。コピー本だったので、作り上は手作り感満載でコミックマーケット80へ近づいていた。

コミックマーケット80 サークル初参加の日

朝は意外にも早かった。
9時までにはサークル参加ゲートを通らないといけなかったので、朝は早く、実家から1時間半かかって現地に到着。当然友人2名も一緒に連れて、会場に来た。
一般参加でも、9時から来ることはしていなかったので、一般参加者の長蛇の待機列を横目に会場へ歩いたのは新鮮だった。「これがサークル参加者の特権か」と思うほど、歩きやすかったからだ。

もう場所は覚えてないが、東館のほうだったことは確か。サークルスペースに到着して、一般参加の時にいろんなサークルさんのスペースを見ていたので、見よう見まねでブースを作り、作ってきた本を並べ、見本の作成、値段のポップを置いて準備は完了、10時を迎えた。
値段設定については、印刷所の本ではなくコピー本だったので、100円にした。費用がここまでに20,000円ぐらいまで膨れ上がっていたのだが、「サークル参加ができた喜びのほうが勝る。」という考えから、楽しむだけを考えて、儲けることは一切考えなかった。むしろ、コピー本で300円、400円は取れないと思ったからだ。高くても200円だったが、どのみち回収は出来ないと思ったので100円にした。

サークル参加側からの視点

初めてサークル参加からの視点で言えば、10時の放送が流れてからしばらくは、島中サークルという事もあり、地響きが鳴ってた事は遠くからでも聞こえた。自分のサークルに人が来るまでは、大体10分すぎてからだった。第一一般参加者が通過する頃には、様々なサークル参加側から「良ければ見てってください」「こんにちは!」と声掛けがスタートしていた。
自分のサークルも見てもらいたくて、声掛けを初めていった。

自分のサークルに来てくれたのは、開始から1時間半が経過していた頃だった。イラスト本として出していたが、描いた3名は特に描くことが好きってだけで無名3人衆である。当然画風もそこまで上手いかというとそこまでの画力は無いのである。それでも二次創作でチャレンジした成果、このキャラクターわかる、キャラクターが好きという理由で手に取ってもらえ、5人ぐらいの人には実際買ってもらえた。
100円で販売していたという事も理由の一つだろう。100円で1冊増えるのだから、これが300円や400円だったら、画風に対しての対価が高くなってしまい、買ってもらえなかったことだろう。結果自分が大赤字になるが、0冊で終了しなかったので、その意味では良い結果だった。

初めてのサークル参加を終えて

結果、5冊売れたという事で、友人2名と地元の千葉に帰って、ガストで飲み食いした。言うて売上500円なので、ドリンクバー3人分で乾杯である。
でも、良い経験は獲った。本を作ること、サークル参加の方法、サークルでの参加で何が必要だったか、これもあれも真似したい、いろんな感想が出た。いい思い出になった。

また、サークル参加やりたいと思うようにもなった。時期は同じように夏参加でコミックマーケット82、84をサークル参加申し込みをしたが、どれも抽選漏れだった。コミックマーケット84を境に、社会人になったことで、同人活動の時間が取れなくなってしまったので、一時休憩として、次の機会があったら参加する方針で一時休憩とした。
その間に、友人1名は自分のサークルを立ち上げ、ゲーム制作サークルで、誕生日席を獲得するまで成長していた。ゲームを作っては試作品をよく遊ばせてもらったりで、自分はというとまだ休憩で良いかなと思って、結局2022年で再開した。2011年から同人活動をしていると言いつつも、休憩のほうが長くなってしまい、2018年から知ったゲーム仲間の影響で、再開するきっかけをもらい今に至る。
今、手掛けている本は、このページの最後に掲載しているので、メロンブックスのサークルページを覗くだけでも見てもらえたら嬉しい。
また、現在作ってる本のきっかけも今度紹介できればと思う。

……再開時期が2022年で良かったという事もある。
2020年のコロナウイルスの時期に同人活動をしていたら、かなりの影響があったと思われ、2020年を境に同人活動を辞めるという所が多く、サークル数も減ったと聞く。「いろは研」のこの頃は、活動していないので在庫を抱えることもなくてコロナ明けで再開しているので、あまり困っていない。
強いて言うならば、宣伝力が足りていないかなと思うので、今後の活動の戦略は考えていきたいところ。

さいごに

最初に作った本は、もう無い(or 実家にあるかも)し、データもアナログ絵だったこともあって復元不可。ただ、あのとき頑張って楽しかったことは今でも忘れてないので、これからサークル参加に挑戦する人も良い思い出でスタートできるよう健闘を祈りたい。


そして、コミックマーケット80から24回分、12年・干支1周分まわって、
実は次回の冬、コミックマーケット105を8月応募しています。
これは、もうちょい先だし、抽選結果も現時点でまだなので、当選したらまた報告したいと思います。
105のほうは、今の延長線ですね、高身長テーマの本をコミックマーケットでもやる。販売の目的もそうですけど、いつも参加しないイベントで、知ってもらうきっかけにする事を重要視しており、コミックマーケットに限らず、コミティア、文学フリマといったイベントも気になったりしており、2025年以降のイベントで参加申し込みしたいと考えています。

昔話が長かったですが、僕の体験談を2024年のガストでこのお話を書いています。まだまだ、2024年はイベント盛りだくさんになる予定ですので、
引き続き、「いろは研」含めよろしくお願いいたします。

いろは研 メロンブックス

https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=125601

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