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職業のリアルを学ぶ!鹿島高等学校附属中学校での講話会レポート(令和6年度 未来の自分発見講座)

茨城県立鹿島高等学校附属中学校様

昨年12月11日(水)、茨城県立鹿島高等学校附属中学校にて、「令和6年度 未来の自分発見講座」として講話会が開催されました。
この講座は、茨城県教育委員会による「令和6年度 輝け!私たちの未来『探求プロジェクト』」の一環として実施されており、起業家精神の育成、進学意識の向上等を目的として、学校での学習と実社会の結びつき、仕事のやりがい等を学ぶものとして開催されるものであります。
今年度は、事前に学校様からのご要望に基づき、各業界の企業様から直接お話を聞く形で行われました。
同中学校の中学1年生から3年生までの生徒が参加し、業界の最前線で活躍するプロフェッショナルからのリアルな声を通して、多様な職業観や価値観に触れる貴重な時間となりました!

今回の記事では、各企業様の講話会の様子をご紹介いたします♪


アディーレ法律事務所

アディーレ法律事務所様からは、力久翔太弁護士が登壇いたしました。
講話では、弁護士という職業についての基本的な解説に加え、アディーレ法律事務所が手掛ける幅広い業務内容が紹介されました。

力久弁護士からは、弁護士の幅広い仕事内容について要点を押さえながら詳しくご紹介いただきました。
特に刑事事件においては、罪を犯したと疑われる人の弁護が必要な理由について触れ、冤罪を防ぐ取り組みや被疑者の権利を守る弁護活動について、具体的な事例を交えてご説明いただきました。
「なぜ罪を犯したと疑われている人にも弁護士が必要なのか?」という問いに対しても、実際の業務を通じてわかりやすく解説していただき、弁護士が取り調べの際に被疑者が冷静に判断できるようサポートする役割を担っていること、また被疑者の不安に寄り添うことの重要性についてもお話しいただくなど、弁護士の職務が多岐にわたることが強く印象に残りました。

また、アディーレ法律事務所様が関わる大きな案件の一つである「B型肝炎訴訟」についても解説いただきました。中学生にはなじみの薄い「B型肝炎ウイルス」の蔓延した背景をわかりやすく説明いただき、この問題に対して法的支援を行う意義についてもお話しいただきました。

「B型肝炎訴訟」の事件に対して、力久弁護士個人でも、約200名の案件を行っているとのこと。
訴訟までの業務の進め方や必要な書類についても分かりやすく説明があり、生徒の皆さんの関心を引いていました。
かつて中学生から「200人全員を覚えているのか?」という質問が寄せられたというエピソードも紹介され、「しっかり覚えています」と力強く回答された力久弁護士の様子が印象的でした。
その理由として、日々依頼者の話を丁寧に聞き、信頼関係を築いていることが挙げられました。中には、病院の医師や家族にも話せないつらい思いや症状を、弁護士にだけ打ち明ける依頼者もいるとのことです。
依頼者の一人ひとりの顔を思い浮かべながら案件に取り組むことで、200人でも300人でも誠実に対応できるのだと語られ、弁護士の業務は書類の作成や法律の適用にとどまらず、依頼者の心の支えとなる大切な役割を担っていることが生徒の皆さんにも伝わる内容でした。

力久弁護士が「B型肝炎訴訟」に関心を持つようになったきっかけとして、熊本に在住していた時期に関わった「水俣病」の案件についてお話しいただきました。四大公害の一つである水俣病事件の案件に携わった際、実際に現地へ足を運び、被害者の声を直接聞く機会があったとのことです。
これらの経験を通じて、被害者一人ひとりの話に耳を傾け、心に寄り添う姿勢が、B型肝炎訴訟をはじめとする多くの案件に取り組む際の基盤となっているのだなと感じられ、弁護士の仕事の奥深さや、人と真摯に向き合う大切さが強く感じられる内容でした。


つくばまちなかデザイン株式会社

つくばまちなかデザイン株式会社様から、小林様がご登壇されました。
講話では、学生時代を振り返り、地元つくばを離れて東京に出たいと思っていた当時の気持ちや、まちづくりを志すきっかけ、さらに仕事をする上で大切にしていることについて、これまでの事例を交えながらわかりやすくお話しいただきました。東京での生活や、学生時代に学んだ都市計画の知識を通じて改めてつくばの魅力に気づき、つくばのまちづくりに携わりたいと考えるようになったと語られ、その経験が現在の活動にもつながっていることが強く伝わってきました。

小林様は、これまでに市役所や官庁などでの勤務経験を通じて得た、まちづくりに関わるさまざまな役割についてもわかりやすくお話しいただきました。
講話では、まちづくりには実に多くの人が関わっていることを具体的な事例を交えながら解説していただきました。街づくりには、ディベロッパー、ゼネコン(総合建設業者)、行政、不動産会社など、さまざまな立場の人々が関わる仕事があり、それぞれがどのような役割を担っているのかについても詳しくご説明いただきました。特に、図やイラストを活用した解説は視覚的にもわかりやすく、生徒の皆さんにとっても理解が深まった様子が伺えました。

また、つくばまちなかデザイン株式会社様の仕事内容や、目指しているまちづくりの方向性について、これまで携わってこられた建築やイベントなどの事例を通じて、非常に魅力的なお話を伺うことができました。
特に、つくばを拠点に展開する「co-en」という施設では、街の人々や「イベントを開きたいけれども開けない」「挑戦したいけれどもできない」というさまざまな要望をしっかりと聞き、その声を反映させた施設であるとご説明いただきました。

まちの皆さんの声が反映されたものは建築物だけにとどまらず、地元小学校の声を反映させた公園や、つくば駅前のイベント会場など、つくばのまちなかに深い愛着を持って取り組まれている様子が伝わってきました。このように、地域の声を大切にしながら、まちづくりを進めていることが非常に印象的でした。

さらに、講話では、生徒たちが将来悩むことになるかもしれない「大企業と中小企業のメリット・デメリット」についても、小林様のこれまでの経験をもとにお話しいただきました。「自分がどのような業務に携わりたいのか、どんな仕事をしたいのかを考えた上で、企業の規模を選ぶことが大切だ」というアドバイスは、私自身にとっても非常に学びの多いものでした。
企業の規模にとらわれず、自分の目指す働き方を見据えることの大切さを改めて感じさせられる講話となり、ぜひ生徒の皆さんにとって将来を考える上でのきっかけとなれば嬉しく思います。


株式会社Dinow

株式会社Dinow様より、代表の高橋様が登壇されました。
高橋様は、大学時代を振り返りながら「当時の夢は恐竜博士になることだった」とお話しくださいました。恐竜博士を目指して大学に入学しましたが、学部の課程を終える頃には新たな夢が生まれたとのこと。
「いろいろなことを知るうちに、別の夢が見えてきた」と語られ、その言葉には生徒たちも興味を引かれている様子でした。

そんな高橋様は、2020年3月11日に株式会社Dinowを設立されたとのことで、創設に至った経緯について詳しくご紹介いただきました。
大学院に進学して研究を続ける中で、大学院生の立場のまま起業という大きな一歩を踏み出したそうです。高橋様は、株式会社Dinowを立ち上げたきっかけや、企業としてどのような課題の解決に取り組んでいるのかについて、身近な例を交えながらわかりやすく解説してくださいました。

現在の会社を起業したきっかけは、創業日にも表れているように、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故を受けて、放射線による健康不安の解消を目的に創業されたとお話しいただきました。
講話では、事故が発生した背景や原子力、放射線とは何かについて、生徒の皆さんと対話を交えながら進行しており、その様子がとても印象的でした。生徒たちも放射線についてしっかりと学んでいる様子で、高橋様からの問いかけに真剣に考え、積極的に応じている姿が見られました。

講話では、放射線とは何かを分かりやすく理解してもらうために、理科の授業でも学ぶ光の性質や波長に触れながら、虹は可視光線によって発生することや、赤外線、紫外線についても詳しく解説していただきました。これにより、放射線が「特別なもの」ではなく、身近な現象とつながっていることが生徒の皆さんにもわかりやすく伝わった様子が感じられました。

まるで理科の授業の応用編のような内容に、生徒の皆さんも真剣そのもの。普段の授業ではなかなか聞く機会のない話や、実際の仕事の中で「放射線」がどのように関わっているのかについても、高橋様は具体的な事例を交えながらお話しくださいました。
生徒の皆さんも、これまで漠然としか理解していなかった「放射線」の存在を身近なものとして捉え直し、「世の中の役に立つ仕事とはどういうものか?」と考えるきっかけを得ることができたのではないかと思います。

「なぜこの仕事をしているのか?」という問いにも明確な答えが示された講話は、単なる知識の提供にとどまらず、仕事の“目的”を考える機会にもなりました。「誰かの不安を解消するための仕事」というメッセージは、生徒の皆さんの心に深く響いたように感じられます。
生徒の皆さんにとって、これからの進路や将来の働き方を考えるヒントを得る機会になっていたら嬉しいです。

編集後記

「令和6年度 未来の自分発見講座」では、生徒の皆さんがさまざまな職業の魅力に触れ、将来について考える貴重な時間を過ごしました。各企業の講師の皆様が実際の業務や経験を通じて伝えてくださったお話は、学問や仕事の枠を超えて、生徒の皆さんにとって、新たな視点や考え方を与えるものであったと感じます。
アディーレ法律事務所様では、弁護士の役割や社会貢献への思いが深く伝わり、つくばまちなかデザイン株式会社様では、地域の声を反映させたまちづくりへの情熱が感じられました。また、株式会社Dinow様では、実際の仕事を通じて社会貢献を目指す姿勢や、将来のキャリアに対する積極的な考え方を学ぶことができました。
生徒の皆さんにとって、単なる職業選択の参考だけでなく、仕事の目的や社会への影響を深く考えるきっかけを得ることとなったと思います。
今回の講話が、今後の進路選択や将来の働き方を考える上で、重要なヒントとなることを願っています!

今回の講話会にご協力いただきました、アディーレ法律事務所様、つくばまちなかデザイン株式会社様、株式会社Dinow様、とても貴重な講話をご提供いただけましたこと、心より感謝申し上げます。

参加企業様一覧


≪鹿島高等学校附属中学校 令和6年度 未来の自分発見講座≫において、下記の3社様にご協力いただきました。(50音順)

【アディーレ法律事務所様】

【つくばまちなかデザイン株式会社様】

【株式会社Dinow様】

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