今日から、新しい人生の始まりよ|ライトノベル『バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました』
ビクトリアは、婚約者である第二王子・オスカーに婚約破棄を言い渡された。
彼と“いい仲”である、宮廷侍女のエリザを虐めたという理由で。
世間体を気にする父親は、ビクトリアを罵り、無い罪を認めさせようとし、あろうことか侍女にその無い罪を擦り付けようとすらしたが。
ビクトリアは、この政略結婚に何の未練もなかった。
寧ろ。
“替わりはいくらでもいる”
その言葉は、前世で女優として生きてきたビクトリアが、ステージママである母親から投げつけられてきた言葉だ。
そして、侯爵家を出ることにしたビクトリアは、職業婦人として生きていく決意をする。
王都近くの街を新たな拠点とし、遠縁の親戚の姓を名乗り、今まで培った礼儀作法や教養を活かした職業を探した。
訪れた職業紹介所で、ビクトリアは運良く住み込みの家庭教師の仕事を早速紹介され、善は急げと面接をしに、屋敷へと向かう。
それが、ビクトリアの新しい人生の幕開けだった。
もう一作品も気になる!
著者は 葵井瑞貴
まだ作品数は少ないですが、女性向け作品を中心に活動されている作家さんのようです。
本作も、そしてもう一作の配信作品もKindleUnlimitedで配信している(2024-08-21現在)ので、こちらも読んでみたいです。
出版社は スターツ出版
掲載誌・レーベルは ベリーズファンタジー
発売は 2023年11月
既刊1巻。完結済。
本作はKindleUnlimitedで配信中。
ビクトリアのたくましさが良い!
やや、世界設定がフワッとした作品ではあるのですが。
読み切りの作品だし、細かい設定よりも(設定が細かいのも好きなんだけど)、とにかくたくましく生き抜くビクトリアの生き様が楽しい!
アシュレイは、亡き先輩騎士の息子であるイアンを引き取っていて、彼の家庭教師を探していたんだけど。
自分と関係を持とうとする女性ばかりで家庭教師探しは難航し、結局、家庭教師の条件に男性、というのを加えていて。
けど、そこに手違いでやってきたビクトリアをイアンが気に入って。
イアンを挟んで、アシュレイとビクトリアの仲が深まっていくのが微笑ましい。
特に、2人が晩酌をするシーンは可愛かった!
アシュレイも女性が苦手、って設定ではあるものの、そこまで深刻なものじゃないし、割と早々にビクトリアに惹かれるしね(笑)。
こういうストーリーって加減が難しくて、ハンドリングを誤ると、ただの白けたストーリーになっちゃうんだけど。
程良く緩急があって、素直にハッピーエンドを喜べる作品に仕上げたのは、お見事。
ちょうど、夏休み中に読んだ、というのもあって、根を詰めずに楽しく読めました!
サクッと楽しみたい時には、是非!