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今日から、新しい人生の始まりよ|ライトノベル『バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました』


KindleUnlimitedで配信中。
(2024-08-21現在)

「ビクトリア・フェネリー侯爵令嬢。貴殿との婚約を破棄する!」

『バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました』

ビクトリアは、婚約者である第二王子・オスカーに婚約破棄を言い渡された。

彼と“いい仲”である、宮廷侍女のエリザを虐めたという理由で。

「かしこまりました」

『バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました』

世間体を気にする父親は、ビクトリアを罵り、無い罪を認めさせようとし、あろうことか侍女にその無い罪を擦り付けようとすらしたが。

ビクトリアは、この政略結婚に何の未練もなかった。

寧ろ。

「黙れ! 侍女の替わりはいくらでもいる。お前も侯爵令嬢なら、使用人を切り捨てる覚悟を持て」

『バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました』

“替わりはいくらでもいる”
その言葉は、前世で女優として生きてきたビクトリアが、ステージママである母親から投げつけられてきた言葉だ。

「覚悟の上よ。私、前世も今世も、『替わりはいくらでもいる』って言葉が一番嫌いなの。それを平気で言ってしまえるお父様には、愛想が尽きたわ。絶対に、前世と同じ失敗は繰り返さない」

『バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました』

そして、侯爵家を出ることにしたビクトリアは、職業婦人として生きていく決意をする。

王都近くの街を新たな拠点とし、遠縁の親戚の姓を名乗り、今まで培った礼儀作法や教養を活かした職業を探した。

訪れた職業紹介所で、ビクトリアは運良く住み込みの家庭教師の仕事を早速紹介され、善は急げと面接をしに、屋敷へと向かう。

「ねぇ、もしかして、この家庭教師の案件、女性に紹介しちゃった!?」
「しましたけど……えっ、ダメでした?」
「ダメよ! ほら、この備考欄見て!」
ビクトリアを担当した職員が、先輩職員の手元にある書類をのぞき込む。
「えっと、なになに……えっ!? 『女性不可』って、どうしてですか?」
「依頼人はこの間の戦争で活躍したアシュレイ・クラーク様よ。地位も名誉もあって、おまけにすこぶる美形だから、派遣された女性教師はみんな惚れちゃって仕事にならないらしいわ」

『バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました』

それが、ビクトリアの新しい人生の幕開けだった。


もう一作品も気になる!

著者は 葵井瑞貴
まだ作品数は少ないですが、女性向け作品を中心に活動されている作家さんのようです。
本作も、そしてもう一作の配信作品もKindleUnlimitedで配信している(2024-08-21現在)ので、こちらも読んでみたいです。

出版社は スターツ出版

掲載誌・レーベルは ベリーズファンタジー

発売は 2023年11月
既刊1巻。完結済。
本作はKindleUnlimitedで配信中。


ビクトリアのたくましさが良い!

やや、世界設定がフワッとした作品ではあるのですが。

読み切りの作品だし、細かい設定よりも(設定が細かいのも好きなんだけど)、とにかくたくましく生き抜くビクトリアの生き様が楽しい!

アシュレイは、亡き先輩騎士の息子であるイアンを引き取っていて、彼の家庭教師を探していたんだけど。

自分と関係を持とうとする女性ばかりで家庭教師探しは難航し、結局、家庭教師の条件に男性、というのを加えていて。

けど、そこに手違いでやってきたビクトリアをイアンが気に入って。

イアンを挟んで、アシュレイとビクトリアの仲が深まっていくのが微笑ましい。

特に、2人が晩酌をするシーンは可愛かった!

アシュレイも女性が苦手、って設定ではあるものの、そこまで深刻なものじゃないし、割と早々にビクトリアに惹かれるしね(笑)。

こういうストーリーって加減が難しくて、ハンドリングを誤ると、ただの白けたストーリーになっちゃうんだけど。

程良く緩急があって、素直にハッピーエンドを喜べる作品に仕上げたのは、お見事。

ちょうど、夏休み中に読んだ、というのもあって、根を詰めずに楽しく読めました!

サクッと楽しみたい時には、是非!


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かおり
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