アロイス。なにがあったって、あなたはいつまでも、私の大切な自慢の弟よ|TL小説『私の推しは当て馬です! 転生して義弟を可愛がったらめちゃくちゃ執着されました』
伯爵令嬢のユリアナは、首を傾げた。
10歳の時に庶子としてフォルスター伯爵家にやってきた異母弟・アロイスが、実は伯爵家の庶子ではなく、ヴァルツェル皇国の超名門貴族、リーゼンフェルト公爵家の庶子であり、後継者であった異母兄が廃嫡され、公爵家の後継者になるように迎えが来ている真っ只中。
ユリアナは、正に今、自分が転生者であり、この世界が前世で読んだ異世界ファンタジー漫画『ヴァルツェル皇国記』の世界に、推しである準主人公・アロイスの姉(でも血の繋がりはなかった)になったことを思い出していた。
ちなみに、自分はキャラクターデザインもないような端役である。
――が、おかしい。
実際は。
アロイスは公爵家には帰らない、と激しく抵抗している。
自分が推しの台詞を間違えるわけがない。と、首を傾げていると、原作ではアロイスは引き取られたフォルスター伯爵家でも冷遇されていたことも思い出した。
知らなかったこととはいえ、アロイスをめちゃくちゃ可愛がってしまった……!
既に原作を逸脱してしまった。
もう元に戻すことは不可能なほどに。
しかも、原作のアロイスは、友人であるルトガー皇太子の婚約者ローゼに密かに思いを寄せるも、戦争で命を落とす当て馬的な存在。
ローズマリーだって、モラハラ男のルトガー皇太子よりもアロイスとの方が幸せになれるはず!
すっと公爵家に行くことを拒んでいたアロイスが、父の「行きなさい」という言葉に動揺する。
公爵家から捨てられたように、また、この伯爵家からも捨てられるのか ――そんな不安を抱えていることがすぐにわかった。
そんなアロイスに父や兄たちが、公爵家へ行っても変わらず自分たちは家族であること、優秀なんだから小さな伯爵家の次男で終わってはいけない、と彼を慰めていた。
ユリアナも彼らに倣って声をかける。
その瞬間。
アロイスの表情が一変し、険悪な雰囲気に変わった。
――え? 何か間違えたの?
※この作品はKindleUnlimitedで配信しています。
(2024-06-21現在)
私の好きなTL作家さんの作品
著者は クレイン
TL小説を多く執筆されてる作家さんです。人気作品『ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける』も含め、コミカライズされている作品もあります。
※この作品はKindleUnlimitedで配信しています。(2024-06-21現在)
その他、読んで面白かった作品はこちら。
出版社は メディアソフト
掲載誌・レーベルは ガブリエラブックス
発売は 2020年08月
既刊1巻。完結済。
現在、藤城ゆうき作画でコミカライズ版が連載中。
クレインさんお得意のヤンデレヒーローが良い。
もう、好みの問題なのかもしれない。
ストーリーはタイトル通りのある意味定番スタイル。
しかし、クレインさんのヒーローってヤンデレ系が多くて、これがまた魅力的なんだよね。
決してヤンデレ好きなわけではないんだけれど。
魅力的だけど不器用っぽいとこがハマるのかなぁ。
この作品のアロイスも容姿も才能も地位も揃ってはいるんだけど、ユリアナにだけはどうしても上手くいかない。
(これは、ユリアナにも問題があるんだけど)
ユリアナも型にはまらない、自由奔放な性格で、アロイスが惹かれるのがよくわかるし、ストーリーの行き着く先はわかっていても、楽しく読める作品でした。
コミカライズも、ほぼクライマックスに入っていてあと数話で完結じゃないかな?
KindleUnlimitedで読める作品なので、契約される方は是非、読んでみてください!