私のスローライフ計画が全然うまくいかない|TL小説『えっちなゲームのモブ令嬢に転生したら、絶倫騎士隊長様からトンデモ溺愛されてます!?』
『オープンドローズ─彼女の花園は夜明けに開く─』という18禁乙女ゲームのモブ令嬢・ジュリエッタ・スチート子爵令嬢に転生をした。
ジュリエッタは、悪役令嬢であるディアナ・ヒルデナンツ公爵令嬢の側仕えであり、彼女が国外追放される途中で、山賊に襲われ、ディアナよりも先に山賊に手をかけられる役どころであるが――
伊達に転生者ではない。
最悪のエンディング回避方法として『ヤられる前に殺る』――コツコツ貯めたお金で特級暗殺ギルドと契約していた。
山賊に襲われたら、助けて、とか守って、ではなく消し去ってもらうために。
エンディング回避からの、人生のスタート。
ジュリエッタはディアナを王都から離れた山間部にあるスチート子爵領に匿いながら、新しい生活を始めた。
そんな中、突然、先触れもなく馬車で10日はかかる王都から視察がやってくる。
やって来るのは アンデルレヒト・フロムゼンク侯爵。ゲーム内で3番手のヒーローであり、聖女の護衛をしている見目麗しい神殿騎士団長。
ついでに、数多の女性と浮き名を流した好色男子。
なぜ、ここに? という人選だ。
一方、アンデルレヒトは傷心だった。
初めて愛した女性である聖女は今や皇太子妃となり、他の女性への興味も薄れ、王都にいるのも辛く、各地へ皇太子と聖女の結婚祝いを届ける役を買ってでたのだ。
が、たまたま立ち寄っただけのスチート子爵領が適度に裕福なことに驚いた。
道の整備も、衛生面も、驚くほどしっかりしている。
それでいて、子爵邸は簡素だった。
そのほとんどを手掛けている、“帳簿を管理している娘” ――ディアナ公爵令嬢の側仕えだった娘だ。
何か不正の証拠がないか。
アンデルレヒトが扉を開け、その先にある階段を確認したその時。
「どいて!」という声と本が落ちるような音と共に、階段を飛び下りようとした誰かが声をあげる。
彼女を抱きとめるような形になったアンデルレヒトは、その触り心地の良さに驚く。
思わず手が弛んだ隙をついて身体を離した彼女は、間髪開けずにアンデルレヒトの股間めがけて足を上げてきた。
すんでのところで、それをかわし、お互いを見た2人は、相手が誰なのかに気がつく。
※本作はKindleUnlimitedで配信中。(2024-06-24現在)
変わった作風だけど面白い作品を書く作家さん
著者は 榎木ユウ
TL小説、女性向けライトノベルを中心に活躍されてる作家さんです。
私が読んだことがあるのは、TL小説のみですが、『魔女と王子の契約情事』は面白かったけど、もう少し普通のラブストーリーでした。
エノキユウ名義の『御主珍様が見える!』の方が今回の作品に近かったかも(笑)
出版社は 夢中文庫
掲載誌・レーベルは 夢中文庫プランセ
発売は 2023年10月
既刊1巻。完結済。
※本作はKindleUnlimitedで配信中。(2024-06-24現在)
下品×コメディが面白い!
榎木ユウさんのTL小説のイメージってこれしかない(笑)
正に下品×コメディ。
あらすじもかなりオブラートに包んだつもりですが、実際はもっとダイレクトな言葉がバンバン並びます。
だから、結構、好き嫌いが分かれるかも。
そこをクリアできるなら、一途なアンデルレヒトと、キレの良いツッコミをするジュリエッタがとことん面白い。
そして、ジュリエッタ、とことん口が悪い(笑)。
実はベッドシーンばかりの作品なのかな、と思って前半ササーッと読み流して、途中からちゃんと読んだら「あれ? これ面白くない?」と気がついて、最初から読み直しました。
読み終わって、「誰が書いたの?」と調べたら榎木ユウ。あ、他も面白くて読んでたわ! ってなったのが今回の顛末。
間、間に挟まるコメディ部分が楽しい作品でした!