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東日本大震災から11年が経ちました。
M9を超える巨大地震と、津波により2万人近くの方が突然命を失いました。

その後、助け合い、支え合い、『絆』という言葉をよく見聞きするようになりました。

ぼく自身も、現地を訪れ、ガレキの山を映す報道の、その先、その向こう側、全てが津波で流された、とてつもなく広い被災地に足を踏み入れました。
通常の日常から一瞬にして被災地となった街並みは残酷なほどに、何にもない場所でした。
ただよく見ると、家の基礎が残っていたり、ひっかかった場所にガレキが積みあがったり、水路に落ち込んだ車があったり、初めて訪れる場所で生活感を感じるものが点々とありました。

「北九州市」と名前の書かれた車で静岡で物資を調達していたときに、若い男性が「九州から来られたんですか!?今から東北に行くんでしょ。オレには何もできないですけど、オレの分までお願いします!って、10本近くの缶コーヒーをくださいました。」
全国民の願いを背負って、現地に向かっているのだと改めて感じました。

でも、
ぼくたちは、生存者を助けることができませんでした。
助けることのできなかった命を見つめ、自然の猛威と、命の儚さを感じました。


その後、命の大切さ、
避難行動の大切さ、
国土強靭化、などが言われるようになりました。

強くしなやかな国とはどういうことでしょう。
ハード整備だけでは太刀打ちできない。
自然災害の脅威を感じました。
強くしなやかにならなけばならないのは、ぼくたち人間の、心や、行動や、思いやり、そんなソフトの部分だと改めて感じました。


あの日を境に、
防災に対する考え方が少しずつ変化していきました。

防災は、防災の専門家、専門部局がするものだという認識から
全員が、全市民が、全部局が携わっていくものだと、変化が起き始めました。

非日常としての災害は、
外からやって来るのではなく、
その場所で起こるものです。

『自分ごと』と思うことが何より重要です。


自助・共助・公助という言葉も再認識されました。
こうした非常事態を避けるため、行政課題として防災を推進してた「公助」のみでは到底、力不足だと証明されました。

地域コミュニティや助け合いとしての『共助』が重要ということも分かりました。
災害の直前で、最中で、災害後で、声を掛け合い、支え合って、助かった命がたくさんあるそうです。

そして、何よりも『自助』。
自分で自分の身を守ること。
そのためには、自分自身の意識を高め、行動できること。
全員が命を守るために、根本的なことであり、何より重要なことです。


11年が経ちました。
少しずつ、関心が薄れつつあるのも事実だと思います。
その後、各地で起こる直下型の地震。
そして毎年必ずどこかで起きてしまう豪雨・台風災害。

災害が起きていないまちで、防災への意識を高く保ち続けることはとても難しいことです。
では、その担い手は誰なのか?

市民ひとりひとりであることはもちろんだと思います。
行政課題であることももちろんだと思います。

いわゆる自助と、公助の領域のみで、十分なのでしょうか。


ぼくの公私での活動ジャンルにおいて、
地域活動に携わる方々と関わる機会が多いです。

地域コミュニティが希薄になっていくなか、
地域の共通の敵である災害への備え=防災を、ますます重要視しているとの声を多く聞きます。

こんな『地域』というフィールドでの防災を、どんどん進めていかなければならないと思っています。
『共助』の領域での促進ということですね。

では、地域任せで取組みが進んでいくのでしょうか?
意識の高い、動きのできる地域であれば、実施は可能だと思います。
たしかにそういった地域も多くあります。

しかしながら、地域活動もなかなかに腰が重たい。
だから、ぼくたちのような市民活動や民間でのプレイヤーが、支援していくことで重たいものを転がしていく力を生み出せていけると良いと思います。

社会課題としての防災への取組み。
市民ひとりひとりの意識【自助】
行政としての施策【公助】
地域活動での取組み【共助】
これらの領域がそれぞれ活動を推進していくことが大切でありつつ、
市民活動の分野から
風を起こし、種をまき、共に水を与えて育てていけると良いなと思っています。


力不足かもしれませんが、
北九州で、
そんな人材の集まるネットワーク型の組織の立上げを提案いたします。

防災に携わろうという人材が集まり、
防災に取組みたい地域からの受け皿となり、
ともに学び合い、ともに励ましあえるようなプラットフォームを創っていきたいと思います。

一緒に取組んでいただける方、
応援いただける方、
どうぞよろしくお願いいたします。

3.11から11年。
ようやくかもしれませんが、
千里の道の一歩目を踏み出しました。


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