危機・災害対策には、PDCAではなく『OODA』
九州で初めてオミクロン株が確認されたと報道がありました。
これまでオミクロン株については、正体不明に関わらず、過少評価なのか過大評価なのかも分かりませんが、色んな憶測の報道があってますね。まだまだ不明です。
こうした危機対策の鉄則はいくつかあると学んできました。
・過小評価しないこと(悪いケースを想定しておく)
・コントロール(操作)できる範囲内に納めようと努めること
・常に先手を考え、拙速でも構わないので対策をうつこと
・平素からあらゆる事象を想定をし、想定外を減らすこと
これらが挙げられます。
一連の新型コロナ対策においては、国や行政の大きな動きにより、日本なりの対応を進めてきています。
これまでの対応が良いか悪いかはぼくから意見できませんが、
いずれにしても、お堅い行政の性質にありながらも柔軟に対応してきていると思います。
民間企業もそうだと思いますが、
行政の施策の基本にあるのは、PDCAサイクルです。
P:Plan(計画)
D:Do(実行)
C:Check(測定・評価)
A:Action(対策・改善)
つまり、計画が最初にあって、それを実行し、その結果を確認し、計画とのズレを確認して対策を検討し、また計画に反映していくというものですね。
工学系の方であれば、『フィードバック制御』をイメージしていただければその通りだと思います。
しかし、想定どおり(計画どおり)にいかないから、『危機』や『災害』なのであって、残念ながら、どれだけ立派な計画やマニュアルがあったとしても、一歩目からコケているようなもので、PDCAサイクルは成り立ちません。
今日は、『OODA』について、ぼくが学んだ限りをご紹介したいと思います。ネットを引けば、もっと詳しい内容が数多く載っていると思います。
冒頭のイラストは、TOMOさんの描かれたものを使用させていただいています。ありがとうございます。
①『OODA』とは?
OODAとは「ウーダ」と読みます。
O:Observe(観察)
O:Orient(方向付け)
D:Decide(判断)
A:Action(行動)
対応すべき事象に対して、まず『観察』から始まります。敵の姿・全貌・性質をまずは知ることですね。
その後、それに対しての対応の方向性を考えます。対応すべき優先順位や、目指すべきゴールをまずは決めます。
次に、具体的な対策を判断します。方向性は決まっているわけですから、詳細な手法の実行を決定する段階ですね。
そして実際に実行・行動することとなります。
その後、また『観察』に常に、素早く戻って、これを繰り返します。
実行して、その結果を常に見直す点においては、PDCAもOODAも同じですね!
最も違う点は、『観察』からスタートすることを明確にしている点かと思います。
まずは敵を知ることですね。
②OODAの発祥と利用
このOODAサイクルについては、軍隊から生まれてきたそうです。
想定どおりにはいかない敵との攻防に対し、常に観察から始まる対応を早急に行っていくことが大切ということだそうです。
もちろん、こんな状況にあっては『マニュアル』なんて役にたちませんよね。
こうした、危機や災害対策に適している考え方であると言えます。
最近では、経済対策、商品開発、マーケティングのジャンルでも、このOODAを重点採用している企業等が増えているそうです。
③大切なのは『観察』すること
PDCAは、どちらかというと中長期的な淡々と進行していくものに適していると言えます。
OODAについては、刻一刻と変化していく事象、早急に対応しなければならない事柄に適していると言えます。
新型コロナや災害などの、生活を脅かす危機において、ぼくたちの関連の深いのは後者かと思いますが、
明確な違いは『観察』することです。
よって、自分なりに『観察』を続ける必要性を感じます。
ネット社会、一億総コメンテーター社会において、どれが正解なのかは分かりません。どの情報を信じたら良いかから自分で判断するべきご時世です。
「方向性」や「判断」を人任せにせず、まずは自分なりに一つ目の『O』の観察を重要視しましょう。
ニュースや新聞の報道においても、たいていは、
『事実』⇒『出演者・記者の意見』という2段構成になっていますよね。
前段だけでも注視して見聞きするようにしています。
④やっぱり事前検討が大事
PDCAとは異なるOODAですから、あたかも素晴らしいように感じます。
落とし穴は、二つ目のOと、Dの部分です。
観察して状況を把握できたとしても、それに対する対応策が皆無だったり、的外れだったりすることもあるでしょう。
つまり、『打つ手が無い』『デタラメな対応』ということですね。
ということは、冒頭に書いたとおり、危機や災害を未然に防いだり、最小限に抑えたりするためには、
『どれだけ事前に想定ができているか。』ということに尽きるでしょう。
いろんな状況を想像して、それに対する備えや対応策のアイデアをいくつも検討しておくことです。
一本の美しいマニュアルどおりに対応するというのではなく、
いくつかの手段がメニュー化されていることが大切かと思います。
よって、
・悪い事態の想像
・いくつもの手段の事前検討
が重要かと思います。
やっぱり、『P』が重要なんですね!!
行政やビジネスだけでなく、自分や家庭を守るためにも、
平時のP(計画)、
日常のO(観察)を大切にしていきたいと思います。
そのまま直結する記事はありませんが、関連しそうなものを貼っておきますね。
今日もご覧いただき、ありがとうございました。