このまちの安全・安心を高めていくため、少しずつ、みんなで。
昨夜、オンラインで、
『防犯まちづくりオンライン座談会』を開催させていただきました。
先月、12月14日に起きた、マクドナルドでの中学生刺殺事件。
突然の恐ろしい、悲しい事件から、ちょうど1ヶ月が経ちました。
昨日は、まん丸なキレイな満月が東の空から顔を出してきました。
ちょうど1ヶ月の時間の経過も感じます。
あれから時間の止まってしまった亡くなられた中学生。そしてご家族、ご関係者の方々。
思いを馳せても、察することのできないことばかりだと思います。
同世代の子どもを持つ親として、そして、このまちに住む住民として、悲しみに暮れ、心寄せます。
当該店舗もようやく通常どおりの営業が再開され、
子ども達も落ち着いた様子で登校を始めています。
あれだけ居たマスコミ関係者も、もう誰もいません。
重々しい雰囲気となったパトカーや白バイも、姿を見なくなりました。
1ヶ月の経過を感じ、通常どおりの様子になったことは良いことだと思いますが、
防犯への意識や警戒は、怠っていってはいけないと思います。
当たり前のように、
暮らしのなかに、
備えや警戒があって良いものだと思います。
怯え過ぎずに、適切に、ちょうど良く、怯えていきたいと思います。
ちょうど1ヶ月となる昨日の西日本新聞さんの朝刊にも、ぼくのコメントを掲載してくださっていました。
最後のところです。
亡くなった子の無念を晴らせるわけではないですが、
せめてもの、次の事件を起こさせないこと、次の被害に遭わないこと。
あの日の悔しさや悲しさを、風化させないように、
何らか続けていきたいと思っています。
そして、昨夜、多くの皆さんがオンラインで集い、話し合うことができました。
答えの無いことばかりですが、
皆さんで話し合って前に進んでいきたいと思います。
耳だけ参加の方や、ぼくの面識のなかった方まで、たくさんの方がご参加でした。
こうした想いの拡がりも感じます。
『自分達に何ができるんだろう?』
そんな漠然とした問いに皆さんの思いを語っていただきました。
全て対弁できるわけではありませんが、いくつかの要素に分けてまとめていきたいと思います。
①地域の繋がり
最も多くの意見があったのは、これだったと思います。
こうして、地域の住民の安全・安心を脅かす事件・事故。
そのまちに住まう人どうしでの、繋がりが、最も強いチカラを発揮するものと思います。
通り行く人たちが、みんなよく知っている人だと安心です。
逆に知らない人ばかりだと恐ろしいものです。
町内会をはじめ、地域には、ネットワーク、コミュニティがあります。
そうした『繋がり』をつくっていくことは、自分たちの安全・安心を高めていくことになるんだろうと思います。
日頃からの、何気ない挨拶。
地域の中での繋がり。
そして、地域活動や地域行事への参画など。
自分達の安全・安心を高めていくチャンスはたくさんあるんだろうと思います。
②見守り・繋がりへの感謝
これも多くの意見がありました。
前記①とも続きますが、今回の事件を経て、地域の皆さんでパトロール活動を強化してくださっていたという話が多くありました。
地域のなかで、見守っていくというのは、とても心強いものですよね。
地域の皆さんが、自分たちのまちのため、自分たち自身で目を注いでいくということ。
とってもとってもありがたいものです。
長年パトロール活動に従事してくださっているという参加者もいらっしゃいました。
PTAを母体に取組みにあたった方もいらっしゃいました。
そうした皆さんへ、感謝の気持ちをもちます。
また、PTAについては、『子ども達の安全』を切に願う組織です。
保護者たち、先生たちで、子ども達の安全・安心の確保に、できることはないか。
そして、地域住民の一員として、地域の皆さんとともに取り組めることがあるんだろうと思います。
いまや、PTAも任意化で、町内会と同じく、そのネットワークには、網のように穴が空いてしまい、全員参加のものではありませんが、
想いを寄せ合い、実行できることもあろうかと思います。
ぼくもその一員として、しっかり考えていきたいと思っています。
③自分の身を守ること、とっさのこと
これは、ぼく自身は想定していなかった意見で、とても刺激をいただきました。
子ども達は、守られる対象のような論点ばかりですが、
子ども達に、自分の身を守れるチカラをつけていってほしいというご意見に胸をうたれました。
防災でも、子ども達自身の『自助』というのが注目され、実際に自分の命を守った事例もあります。
防犯にしろ、とっさに自分の身の守り方を何かしら身に付けておくことが重要なんだろうと思います。
繰り返しやっておかないと、とっさには動けないということもあろうかと思います。
一度知っておくと、何かの度に、復習を繰り返して、身についていくこともあろうかと思います。
防災で遊ぼう!の『あそぼうさい』をある程度、コンテンツ化してこれましたので、同様に、自分の身を守る『あそぼうはん』なんかもチャレンジしてみると良いのかもしれませんね。
また、犯人が近くに居る場合に可能な限りできることなど、そんな議論や知識展開はできていないので、何らか考えていけると良いなというご意見もありました。
④新たな時代の防犯対策を
現代の子ども達や、社会を取り巻く構造はどんどん変わっていて、
犯罪の起こり方も姿を変えていっているんだろうと思います。
リアルな人間関係がこじれて事件に至るのではなく、
ネット上や、ましてや面識のない人どうしで事件を起こしたりもしてしまっています。
子ども達も、ネットやSNSを経由して、被害にあったり、巻き込まれたりを警戒していかねばなりません。
新たな時代にあたり、身の守り方も、どんどんバージョンアップしていかないといけないのかなと思います。
また、『正しい知識を身に付けていこう』っていう意見もあり、親子でしっかりと向き合ったり、地域の中で学び合ったり、そうした機会をもっていけると良いなと思います。
ぼくたち、認定NPO法人好きっちゃ北九州で作成した『防犯紙芝居』も足早にいくつか紹介しましたが、老若男女、気軽に簡単に学べるコンテンツにしていますので、ぜひ、活用していただけると嬉しいなと思います。
(パソコンやスマホの画面上でもご覧になれます!)
好きっちゃのホームページに掲載しています!
⑤加害者を生まない社会へ
とっても近隣の事件で被害者が出てしまったことに怒りと悲しみがあります。
一方で、とっても近隣に、加害者もいました。
加害者になってしまったという悲しさもあります。
どうにか事件を食い止められなかったのだろうか。
そんな気持ちになります。
人の気持ちや性格を変えていくというのは、とても困難なことです。
でも、究極の防犯というのは、加害者を出さないことなんだろうと思います。
そんな社会や、地域をつくっていくということが大切なんだろうと思います。
とても大きな壁だろうと思います。
しかしながら、少しずつでもできることがあるんだろうと思います。
それは、事件や犯罪を起こさせない。
そんな『場』や『機会』を与えないことなんだろうと思います。
危険な場所を無くしていくことや、
ひとりにしない、させない。
パトロール活動や地域の眼が光っていることをアピールする。
などなど、
『事件を起こさせない』取組みは、被害に遭わないことはもちろんですが、「加害者をつくらせない」ということでもあるのかなと思います。
答えの無い問いに対して、
皆さんが、様々な思いを共有してくださいました。
何ができるともなく、少しずつ思いを傾けること。
大きなステップアップでもなく、
小さな一歩でも、前に進んでいけたら良いのだろうと思います。
パーフェクトなことでなくても、ちょっとでも良いからやってみる。
そして、全員が完璧にしなくっても、少しずつ目を向けたり、できることをやっていくこと。
そんな想いを傾け合う事が重要なんだろうと感じました。
そして、このまちで暮らす人たちが、
このまちが、安全で、安心で、
このまちが、好きだっていう思いをもっていけたらと思います。
子ども達は、
このまちが、自分の居場所で、
安心して育っていって、
このまちが好きだって、自分の生い立ちを肯定していけるように。
1ヶ月前の、悲しみを、怒りを、悔しさを、
子ども達を守っていかねばと思ったあの気持ちを、
忘れない。
続けていく。
こうした場が持てたことは良かったと思います。
今日もご覧いただきありがとうございます。
貴重な時間のなか、この記事をご覧くださってありがとうございます。
冒頭のイラストは、yukiota|noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます。