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まちを知り、まちを見つめて〜不動産会社の防災講座〜
2025.2.19
北九州市小倉南区の『加来不動産』さんにお招きいただきまして、
「不動産会社さんの防災講座」を実施いたしました。
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「入門と言えば、防災」みたいなイメージが根強すぎて?(笑)防災関係のご依頼をどんどんいただいております。
実は、割とお断りしたり、他の方にお願いしたりしています。
まぁ、ありがたいことなんですが!
ぼくとしては、「防災啓発」は公私混同するところもありますし、もっともっと多くのプレイヤーに立っていただきたいところもあります。
そして、『地域づくり』がぼくたちの活動分野の主題となります。
あとは、物理的な数の調整・・・というところもあります。申し訳ないです。
で!
兼ねてから交流のありました、加来不動産さんから、「社員さん向けに防災講座をやってほしい」とご依頼がありました。
ぼくは、二言返事で承諾いたしました。
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というのも、この会社さんが、地域に向けた眼差しを知っているからです。
「まちづくりとしての防災」
「このまちのなかの防災」
を表現した講座ができると良いなと思いました。
以前にも、呼んでいただいた活動もありました!
地域の集会所で、町内会・子ども会で実施した取組みです。
こうしたところに、予算も人も投資していける会社さん、素晴らしいですよね。
次の記事は、このときは会社名は伏せていますが、この会社さんです(笑)
利益優先となってしまう民間企業において、もっともっと大きな目標に向かって、大きな意味でのまちづくりを進めていきたいと話し合ったことがありました。
そして何より!!
好きっちゃへのご寄付を、毎年のようにいただいておりまして、本当にありがとうございます。
恩を返すような気持ちもありまして、この度、実施することに至りました。
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さて、『土地を見るプロ』である、不動産屋さんの皆さんです。
防災講座って言ったって、何の話をしよう。
行政の情報が〜、気象情報が〜、備蓄が〜、こんなグッズが〜、
なんて講座はしません!!(笑)
胸を借りるつもりで、正面から『このまち』のことで話を進めさせていただきました。
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ぼくたちの愛するこのまち。
ぼくも、この会社さんも、このまちで住み、暮らし、このまちで生きています。
目つぶっても歩けるほど、庭のような、このまち。
不動産会社さんにとっても、そうだろうと思います。
地図を眺めながら、
「何でこの地名なんでしょうね?」
由来が有名なところもあれば、そうでもない地名もあります。
「たしかに、何でこの地名なんだろう・・・」
ひとつひとつを追いかけながら、ぼくなりの解説を加えさせていただきました。
歴史や伝統ある建物(神社など)と関連している地名もあれば、
地形そのものを表している地名が多いです。
また、もっと言えば、神社などの位置は、自然との共存関係にあり、その場所を守りながら、絶妙な場所にあったりすることも見えてきます。
地形や地名を追いかけてみていくと、
表裏一体にある「ハザード(自然災害の想定)」が見えてきます。
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こうして見ていくと、たしかに、ハザードマップの色の着き方は、地形そのものを表しています。
そしてまた、神社の場所や地名との関連も、地図を重ねると浮かび上がってきます。
水害だけでなく、地震の断層も見えてきます。
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また、その断層に伴った地名もあります。
こうして、地形・地名を追いかけていくと面白いですよねぇ〜!!
土地を知り、土地を見て、土地を守り、土地をご紹介するプロである不動産会社さんです。
こんな自然の摂理や、
先人たちか受け継いできたこのまちの、自然との共存共生を感じていると、もっと目線が変わってくるのではないかなと願いました。
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皆さんがお聴きになりたいこともたくさんあろうかと思いまして、
ぼくばかりが話すのではなく、対話形式でも進行しました。
多くの質問やご意見が出されて盛り上がっていきました。
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「こうして見ていくと、安全な場所なんてないんじゃ・・・?」
「色のついていない、新興住宅街は安全なの?」
「マンションの3階にいて、大丈夫なんだろうか?」
「絶対に避難した方が良い場所は?」
たくさんの質問やご意見がありました。
ぼくからは、『自然と共存すること』が大切だとお話させていただきました。
例えば、紫川の下流に位置し、駅の裏は海になる小倉北区は、そのほとんどが浸水想定区域内です。
例えば、小倉南区の人口の多い東部地域も、高潮想定の浸水域に7万人が生活しています。
でも、ここ近年では、大きな災害に見舞われていません。
楽観視しろというわけではありません。
ぼくの家も浸水想定2mの場所の住んでいます。
そんな、自然と見つめ合って、
正しく恐れていくことが大切なんだろうと思います。
人工的に切り開かれた住宅街は、ハザードマップ上は、真っ白ですが、安全と言えるのでしょうか?
場所によっては、盛土・切土で形成されているでしょう。
住宅1戸で見ると、生活を脅かすような災害はどこでも起きるでしょう。
もともとの自然のカタチを、人間が切り拓いているので、多少無理があるところがあると感じます。
水害も地震もあって、高いところも山が崩れたり、地盤が崩れたり。
「もう、どこに行っても安全なんてないんじゃ・・・」
そんなご意見が出ました。
ぼくは、「その通りだと思います」と答えました。
災害に絶対に遭いたくなければ、日本を出ていくしかないと思います。
日本には、季節の移ろいがあって、
それが故に、季節ごとに、時には猛威を奮う災害が起こります。
山あり、谷あり、川あり、海あり。
大陸と、大海原に挟まれたこの島国は地震が必ずあります。
どこに行っても災害大国です。
だから故に、
自然と共存した文化があり、暮らしがあり、
神社では自然への畏敬の念を込めて。
その時季によって、お祭りがあり、その地域での伝承があり。
自然と共存した生活を、受け継いできたはずなんです。
そうしたことを大切にするからこそ、いざ、猛威を奮う時に、行動がとれるものだろうと思います。
昔から人が住み、古墳や貝塚があって、神社があって。
そんなまちには、人が暮らしてきた、エネルギーやチカラが宿っているように感じます。
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『不動産会社の防災講座』
もしかしたら、ぼくなんかの話は、言わずもがなのところもあったかもしれませんが、
『目線を得た』という感想もいただき、とても嬉しかったです。
また、ぼくの話や普段の各種の活動にも注目いただき、『まちづくり』への目線・姿勢についても感想を加えていただきました。
地域に根ざし、
このまちのなかで、
このまちの暮らしを守りながら、
不動産会社さんも暮らしていきます。
脅すようでもあり、
何だか温かな、
そして何より、
「このまちが好きなんだな」っていうお互いの気持ちが詰まった講座になったように思います。
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合成じゃないですよ!手持ちプレートです!
こんなのも作られていて、ステキですよね!!
ちなみに、この可愛いマスコットキャラは、
『てらちゃ』です。
加来不動産さん(加来不動産株式会社 | 不動産の総合コンサルタント)の会社のモットーである、
『地域を照らす』からきているそうです。
「ちゃ」は、『好きっちゃ』と同じちゃね。
今日もご覧いただきありがとうございます。
貴重な時間のなか、この記事をご覧くださってありがとうございます。
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