プレゼンより、ファシリの方が準備が大変
プレゼンテーションの準備って大変ですよね。
でも、実は、ファシリテーションの準備はもっと大変だったりします。
今現在、悩んでいる案件もそうですが、いつもいつも感じることです。
言葉にしながら思考を整理してみたいと思います。
冒頭のイラストは、ななほし(杉山七瀬)|noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます!
①プレゼンでは
プレゼンは、どういうターゲット(聴く相手)に、どんな順序で、どんなものをアピールするか、ですよね。
資料の見せ方や、言葉の選び方、
どう上手く説明するか、など
こだわればこだわるほど、準備が必要ですよね。
プレゼンは、なかなか数をこなさないと慣れないし、上達しないものですよね。
結構大変です。
次に書きたいファシリテーションとの違いは、
『一方向』ということです。
つまり、言い放ってしなえばOKということですね。
もちろん、その後の質疑応答などもあるでしょうが、基本的には自分の言いたいことを言いたいように言うことを準備すれば良いのです。
②ファシリでは
その点、ファシリテーションでは、いわば相手や参加者しだいということになります。
自分にボールは無いのです。
良いファシリテーションというのは、参加者が自由に、活発に議論することです。
良くないのは、ファシリテーターと言いながらプレゼンテーターになってしまっていて、参加者が委縮して話せないような場面です。
つまり、簡単に言うと、『主張してはならない』ということです。
自分自身が、議論を左右したりすることは無いのだから、それは楽だよねって思われるかもしれませんが、それはそれは違うんですよね~、、、。
ここが今日の主題です。
③発散と収束のファシリ
ファシリテーションには、主に、発散と収束の2段階の場面があります。
『発散』というのは、△←のように、意見や主体的な参加の度合いが拡がっていくことです。
どんどん色んな意見が出て、議論が活発になっていきます!
特にアイデア出しなどは、この部分がとても重要です。
一方で、『収束』というのは、▽←のように、議論がまとまっていくことです。
皆さんの意見から合意形成をしていく場面ですね。
この2段階の場面を重視しなければなりません。
④発散のファシリ
初期段階の発散の場面で、ファシリテーターとして大切なのは、まずその雰囲気づくりです。
まずは、話しやすい空間をつくってあげることです。
例えば、スクール形式で座っているのに、さぁ皆さんで話し合ってください、なんて言われても沈黙が生まれるだけです。では、グループに分けるだとか、向かい合わせに座るだとか、場の設定が第一です。
それから、話しやすいテーマや手法を選択することも大切です。
ディスカッションを促すには、色んな手法がありますので、どういったものを選択するか、これも腕の見せ所かもしれませんね。
また、「どう問うか?」というのも大切です。
漠然と問えば、何を話せば良いか分からないし、
限定して問えば、特に何も思いつかない、
ということもあろうかと思います。
そして、ファシリテーターと、ただの司会進行との違いは、ガードレールの役割です。
どうしても議論が散逸してしまうんですよね。
いわゆる『横道に逸れる』ことです。
その場合に、しっかりと本線に戻してやるのもファシリテーターの役割です。
次に収束のファシリテーションを書きますが、
この発散までのファシリだけなら、何も準備しなくて、当日会場入りするだけで、どうにでもなります。
問題はこの次。
⑤収束のファシリ
さて、ファシリテーターの質が問われるのはこの先です。
いわゆる収束のプロセスをいかに、裁けるかが重要です。
発散のファシリは会場の雰囲気も楽しいです。
ワイワイガヤガヤ、皆さんが発言して、参加して、何だか良かったわ、っていう雰囲気になります。
それだけで終わってしまうと、時が経つと、楽しい思い出だけで、何も残っていない、ということになります。
何か、議論の成果を収束させていくことが大切です。
目に見える成果を。みんなが納得いく合意形成をしていくことが大切です。
収束のファシリとして勘違いされがちなのは、
会長とか代表とかが案を提示して、
「反対意見はないですか?」
「・・・(沈黙)」
「では、これで決定とします。拍手をお願いします」
「パチパチ・・(まばらな拍手)」
これで決定しました。みたいなヤツです。
これは最悪ですね。
たしかに、決定事項としては収束はしてるんですが、参加の主体性がどうなのか、ということですね。まぁ、この例で言えば、発散のプロセスの方に問題があるとも言えますね。
収束のプロセスでは、
様々出された意見や課題を、どう収束させていくのか?
同じような意見はグループに分けたり、公約数的なものを重ねていったり。
もし反対意見や異なる意見があるのであれば、因数分解していきます。
書き出して、見える化していったり。
ここは手法というよりも意見や思いをどう重ねていくのか、どの順序でどこから合意形成していくべきか見極めます。
そもそも、どんな目的で、どんな部分までに着地したいかを明確にしておかないといけませんね。
そもそも、どんな参加者がいて、どんな課題が潜在しているのかを知っておく必要がありますね。
そもそも、どんな意見が出やすかったり、過去からどんな流れできているのかを調べておく必要がありますね。
そもそも、どれぐらいの時間の中で、発散から収束までを行わないといけないのか想定しておかないといけませんね。
こう問うたらこういう意見が出るだろう。
はたまたこういう意見も出るだろう。
こう問うたときには、こっちに逸れてしまう可能性もあるだろう。
こう問うてしまえば、ここから議論せざるをえなくなるだろう。
などなど、想像を膨らませながら、構想を練っておきます。
ということで、収束のプロセスのそもそも論的なところは、プレゼンでこだわるような、相手を良く知り、想像し、思いを馳せて準備するということとも類似しています。
ファシリテーターは意見しないものですが、そこまで取材・準備しておかないといけないんですね。
むしろ、プレゼン以上に、ファシリは色んな想定をしておかねばならないので準備が大変です。
簡単に言えば、プレゼンは1通りの準備で良いのですが、ファシリは何通りも想定し、準備しておかねばなりません。
ファシリテーターには、そんな準備力と、現場対応力の双方が必要になります。
⑥いつも違う
ということで、ザ・ファシリ的な特化した内容で書いてみましたが、
ぼくの行く現場には、こてこてのファシリというような場面はあまりありません。
プレゼンとファシリが混ざるようなときが多いです。
その割合やバランスは、参加者と、会場と、主催者の開催意図などによっても異なります。
ここ数年は、参加者どうし話し合えないという制限で、プレゼンに寄っていった感じもありましたね。
ぼく自身は、ファシリの方が好きで、ファシリに徹したいのですが・・・実力不足なんでしょうか、そのような依頼はあまりないですね。
むしろ、プレゼンの依頼の方が多いですね・・・。
プレゼンテーターとファシリテーターの、1人2役をしていくような感じで、双方の留意点をしっかりと戒めながら準備したいと思います。
今日もご覧いただきありがとうございます。
今日の記事はちょっと抽象的でしたし、大枠の部分だけになってしまいました。
そのうち、事例なども交えて詳細を書いてみたいと思います。
この記事を書きながら、過去に書いた記事が頭によぎっていました。ぜひご覧ください。
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