「VISION2030」長期経営計画について
当社は2023年7月で第5期に入り、併せてこのタイミングで「VISION2030 ~長期経営計画~」を策定いたしました。不確実性が高く先の見えないVUCA時代において、先のことを予測するのは意味がないのではないか?そう思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ私たちは、そんな先の見えない不確実な時代だからこそ、正解がないビジネスの世界において持続的に成長していくためには、「私たちは何を成したいのか」「大切にしている価値観は何か」「そのために何をしているのか」という理念を明確にした上で、長期的な視点に立ってワクワクする目標を定める必要があると考えました。
DX人財輩出企業No.1
策定にあたっては、役員と部長陣の13名で経営合宿を行いました。その後も議論を繰り返しながら決まったのが、「DX人財輩出企業No.1」というものです。
なぜDX人財輩出企業No.1なのか?
日本社会にとって最大の課題は、人口減少と少子高齢化ですが、日本の人口推移を1000年という単位(900年前から100年後まで)を俯瞰的に見てみます。
鎌倉幕府が生まれてから明治維新までの約700年で2500万人しか人口は増えていませんが、150年前の明治維新から第二次世界大戦までの70年で約2倍となり、さらに終戦後の高度成長期を経て2004年をピークに、50年で約5000万人の人口が増えました。図を見てわかる通り、この150年ではものすごいスピードで人口が増えてきましたが、このままだと上昇と同じように急降下が始まっていくと予測されています。また人口減少の実感値は20年後にくると言われているので、ジェットコースターで例えるならば、今はちょうど最高点の入り口付近にいるところで、本当の怖さはこれから来るのです。つまり私たちの世代は固より、次の世代、その次の世代へより良い未来をつなげていくために、長期的視点から私たちがすべきことは何かを考えていくことが重要だと考えています。
このような人口減を食い止めていくためには、国に任せるのではなく、私たち企業が取り組めることは何かを考え実行していく必要があります。
2030年の予測に戻して解像度をあげてみていきます。経済産業省の発表では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると試算しています。
また各国に比べ日本のDXが遅れている理由としては、SIerやベンダーにIT人材が偏ってしまっており、ユーザ企業にて伴走しながらDXを推進する人材が不足しているという配置問題もあります。
DXに取り組む企業について年度別でみていくと、2020年にはDXに取り組んでいる企業が28.9%だったのに対して、2022年には55.9%と2年で約2倍になっていることがわかります。また規模別でみた場合、大企業は82.1%とほぼ取り組んでいるけど、中小企業においてはまだ3分の1くらいの企業しか取り組んでいないことがわかります。
さらに、DXに取り組んでいる企業が抱えている課題をみていくと、DX促進にかかわる人材の採用と育成に課題がある企業が圧倒的に多いことがわかります。
私たちは人口減少における労働需給ギャップを埋めて日本を元気にしていくために必要なことは二つあると考えてます。「一人あたりの生産性をテクノロジーやデジタルの力であげていくこと」と「DX分野で活躍する人たちを増やしていくこと」です。
つまり、そのDX化を促進していく手段として「私たちができることは何か?」を考えた結果、その答えが、DX人財を輩出していくことだと定義したのです。
「何をもってNo.1なの?」を表現したのが、33万人という数値です。こちらは上記にあげた2030年までにIT人材不足79万人に対して、相対安定の41.7%のシェアをとった場合33万人となるので、これを定量目標にしました。
基本戦略
それを実現していくための基本戦略は4つあります。
雇用創出(2000名)
私たちは未経験を中心に2030年までに2,000名の社員数にしていこうと計画しています。これは33万人に対しては0.6%とインパクトしない数値になっていますが、この2000人がお客さまに対してDX支援をしていく源泉になるという意味では重要な戦略の一つとなります。
また今は若手や女性が中心となっていますが、今後は障がい者やLGBTQ、シニアや外国人などD&I推進において幅広い雇用を促進していきたいと考えています。
DX支援(10万人)
私たちが、その先のお客さまへ様々な形でDX支援をしていくことで、10万人にインフルエンスしていくというのがこの戦略です。今やっている範囲(下図の緑円)に加え、DX化に必要なソリューションを新たに創出していきながら、より日本のDXの進化に貢献できるよう努めます。
RPA(13万人)
私たちが開発した完全無料の次世代RPA「マクロマン」でシェアNo.1をとり、日本全国の企業や個人に活用してもらうことで、デジタルレイバーを輩出し、労働需給ギャップ解消に貢献します。
エドテック(10万人)
私たちのコアコンピタンスであるITインフラ、Excel、デジタルマーケティング、RPAなどの育成ノウハウを、toB向けにSMB企業でも購買しやすい価格で日本全国の企業に展開していくこと、併せてtoC向けにも安価で質の高い教育プログラムを提供していくことで、DX人財輩出に貢献します。
重点テーマ
基本戦略を実行するための共通となる重点テーマは3つです。
ダイバーシティ&インクルージョン
私たちは「デジタルの力でダイバーシティ&インクルージョンがあたりまえの社会を創る」というパーパスを掲げています。
雇用創出においてはファーストステージとして女性活躍推進を掲げ、現在は女性中心の雇用や働く環境整備、ロールモデルの輩出を進めておりますが、VISION2030の長期計画としては女性に加え、障がい者やLGBTQ、外国人やシニアなどの雇用や環境整備も促進してまいります。
また、地方企業においては特に高齢化が進んでおり、まだまだ非効率な作業が多く発生しているので、そうした方々にDX教育プログラムを受講いただくなどしてITリテラシー向上につながれば、日本全体の生産性は大きく向上すると考えています。
地方創生
企業の99.7%が中小企業であり、働き手の70%を占めています。そして地方においてはその中小企業が雇用の80%を支えているという状況で、その付加価値額は全体の53%を占めています。つまり、中小企業(特に地方)の元気は日本経済全体において、非常に重要な位置づけであります。
その地方で企業や自治体へのDX支援をするために支社を立ち上げ雇用創出したりしながら地方DXをキーワードに2030年までには30拠点を立ち上げようと計画しています。またコクー社員でも地方出身者も多くいる中、今後介護などでのUターンや転勤などの転居における選択肢の拡大や、社員のワーケーションとしての働きかたの柔軟性など、新しいカルチャーを醸成していくためにも重要なテーマとしています。
詳しくは以下noteの記事にて↓
業務提携
ある調査によるとDXツール導入後の課題として、一番多かったのは運用に対する課題で53%もあることが分かりました。
どのSaaSベンダーもカスタマーサクセス(CS)には力を入れてはいますが、ツール機能の進化に対してユーザのリテラシーの乖離は思った以上に大きく、これはDXの進化が進むほど大きくなっていくことに課題感を持っています。これをコクーのデジタルリテラシーの高い人財がSaaSベンダーのツールを習得して、安定的な供給力と伴走型などでの柔軟な対応力をパッケージ化してサービス提供することで、顧客のエンゲージメント向上におけるチャーン(解約)解消による安定収益につながったり、他社との差別化にもなってくるので協業するメリットがあると考えています。
また、私たちとしてもサービスラインナップが増えることで安定した顧客拡大やクロスセルの可能性が高まったり、個々の付加価値向上における単価アップやブランディングにもつながるので、こうした業務提携を加速させていくというのが大きな戦略となります。
以上のような基本戦略と重点テーマをもってDX人財輩出企業No.1を目指してまいります。
実現イメージ
その実現イメージの解像度を上げるため、各項目の目標を現在からのポートフォリオとしてKPI(数値)化しました。
これらのポートフォリオの実現を目指して全社一丸となって取り組むことでDX人財輩出企業No1を目指し「デジタルの力でダイバーシティ&インクルージョンがあたりまえの社会を創る」というパーパスを実現してまいります。
どうぞ、今後のコクーにご期待ください!
▼コクー株式会社「VISION2030」長期経営計画
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