わたしのティラミス変遷
久しぶりにティラミスを作りました。 考えてみると、初めてティラミスのレシピを習ったのはシチリアのカターニャでポスドクをしていた時でした。
そのころはアパートを友達や学生たちとシェアしていたのですが、同じ研究所で働いていた仲間やその友達と晩ごはんを作って食べたり、誕生パーティーに呼ばれて行ったりしていました。
ティラミスは比較的手間がかからない、手軽なデザートで、そんな仲間たちと一緒に作ったのが始まりでした。
基本のティラミスのレシピはこちら。
ミラノに引っ越して、結婚し、子どもが生まれてからも時々このレシピでティラミスを作りました。
基本のティラミスはマスカルポーネチーズと卵白のメレンゲのクリームでほんのりクリーム色です。
でも、このレシピにはエスプレッソコーヒーと生卵が入っています。 娘が生卵は嫌だと言うし、子どもでも食べられるティラミスにしようと、ある時から卵なし、コーヒーなしのティラミスを作るようになりました。
卵のメレンゲの代わりに生クリームを使うことにしたので、マスカルポーネももっとあっさりしたリコッタチーズにかえました。
イタリアに来たばかりの時は料理人でもないのに、こちらの料理を習う機会があれば必ず自分で作ってみていました。
「郷に入っては郷に従え」ですよ。
シチリアの家庭料理は季節によって様々で飽きることがありません。 春にはアーティチョーク。イワシとフェンネルのパスタ。夏には夏野菜でカポナータ。とれたての小海老とズッキーニのパスタ。レモンのグラニータには桑の実のグラニータを添えて。冬にはブロッコリーアフォガート。みんな友達やその家族から教えてもらった思い出が詰まったレシピばかりです。
シチリアでは当時、和食を作る食材が手に入りにくかったこともあって、和食はほとんど作りませんでした。 作らなくても和食が恋しくなることなんてなかったのです。
こちらでときどき和食を作るようになったのは家族のためですね。
イタリアで生まれた娘にも少しでも和食になじんで欲しいと、これまで作ったことがなかったものまでレシピを探して作るようになりました。そのためでしょうか、娘も主人も和食が好きだし、(もしかしてわたし以上)一週間に一度は和食にするようにしてします。
もちろん、シチリア料理もときどき食卓に上ります。 実際、わたしのキッチンはこれまで住んだところや旅行で行って食べておいしかったものなど世界のあちらこちらのレシピで溢れているのです。