#368 宿題に関するあれこれ
各国の宿題の量を調べた記事を見つけました。
最近、宿題の量を減らしたり、そもそも出さない学校が徐々に現れています。大量の宿題を出すことによって、自分がやりたいことができる時間が減り、結果児童・生徒の学習意欲が低下することを避けるための手段なのかもしれません。
そもそも宿題とは何なのか。それは課外(家庭)学習を担保するものだと考えることができる。当たり前の話ですが、教科・科目の学習のためには宿題はもちろんやった方が良い。時間をかければかけるほど、その学びは深くなるのは当然のこと。だからこそ、教員は宿題を出す。その論理展開は非常にシンプルです。
問題は、宿題を出しても、児童・生徒がそれをやらなければ意味がないということ。だからこそ、宿題に義務的な要素を付随させるという安易な考えに及ぶ。中には、「社会に出ればやりたくない仕事を期限内にしなければならない。宿題というのは社会にでた時の練習だ」的な暴論を唱える教員も残念ながらいる。そして宿題をしなかった児童・生徒に罰を与えるという何ともよくわからない構図が生まれるのです。しかしそれは、児童・生徒の「主体的な学び」とは真逆のあ考え方であり、そんな構図の中で、彼らが宿題をやってくるわけないし、そりゃ教科・科目が嫌いになるのは当然だよね、と私としては思ってしまいます。
宿題は、教科・科目の学びを進める上で大切なツールであるのだから、そのツールを効果的に使う必要がある。宿題を義務しない、意図と目的を説明する、学習内容と宿題をリンクさせるなど、教員が工夫することはたくさんあるはず。
前述したように、宿題はあくまで課外学習。出す必要がないものは出さなくても良いし、出す必要があってもそれを義務にしてはいけない(やってきた方が良いということを伝えることは勿論必要なのだが)。宿題を前提とした授業の展開は、そもそも間違っている。宿題を出さずとも、授業時間内に学びきれることを目標にすべきだとも思う。
児童・生徒が自らより深い学びを求めて、教員により多くの課外学習の素材を求めて来る状況を作ることが、非常に大切なのだと考えます。