#712 領袖〜語彙・表現は果てしなく〜
領袖。
私が生まれて初めて出会った熟語。
もともとは「襟と袖」のことで、襟と袖は目立つことから意味が転じて
組織などのリーダー
の意味があるそうです。
外国語学習には様々な要素がありますが、最後の最後には
語彙・表現
に行き着きます。
本格的に英語学習が始まる日本の中学校で学ぶ単語は約1,600~1,800語程度。大学受験に必要とされるのは約5,000語、英検一級となると、10,000語以上も必要になるとされています。
一方で英語ネイティヴは4歳で5,000語、8歳で10,000語,成人で35,000語程度になるというのだから、その果てしなさに驚愕してしまうかも、、、。
しかし当たり前の話ですが、それは私たちが母語とする日本語でも同じこと。中学生の国語辞典での収録語数が約4万語と言われていますから、ネイティヴだって知らない母語は無数にあります。
あるテレビ局のクイズ番組で難読漢字や難解熟語の問題がでた時、私は全然知らないものばかりだったのにもかかわらず、私の両親はスラスラ読める。
聞けば、彼らの語彙の起源は、やはり読書。彼らが好んだ読み物は、明治・大正時代に生まれた純文学と、授業で習った古典・漢文だったそう。
もちろん上記の難読漢字や難解熟語は日常ではほとんど使われないし、今では簡単に調べることができるので問題ないのですが
それでも「領袖」のように、読書という行為を通じて新たな語彙を獲得することによって
ほんの小さな、だけど確実に自分の中の空白が1つ埋まったように感じる。
とても不思議なものです。