#151 「小さな人」という呼び名から考える子どもと大人の境界線
先日
高見のっぽさんが亡くなられていたというニュースがありました。
彼は
子どもたちを、決して「子ども」とは言わず、敬意を込めて「小さい人」と呼んでいたそうです。
必ず先に自ら名を名乗り、彼らとの関係を築いてきたと
記事には書いてありました。
今でこそ大人と子どもは明確に区別されていますが、
西洋中世では、その境界線は非常に曖昧だったと言われています。
16世紀に至るまで、子どもの墓碑肖像がないことや、17世紀まで子供服が存在しなかったという事実は
今の私たちにとっては驚くべきことなのかもしれません。
様々な時代を経て
子ども と 大人が区別されることで
その年齢にあった適切な教育が用意される一方
子どもが「未熟」であり、大人が教育しなければならない
という価値観も同時に生み出したように思います
子どもは大人の区別を、大人の都合によって解釈されることもあるでしょう。
小さな人という表現は
彼らが大人と同じ人格をもった大切な人としての存在である
という、のっぽさんの信念だったのかもしれません。
学校教育では
児童・生徒に対する体罰や行き過ぎた指導が問題になっています。
子ども=未熟な存在
という概念をすて
彼らを尊厳のある人として捉えることが、教員には求められているのです。