私がトップセールスになるまで♯2 【根性】から【戦略的営業】への転換
【根性】から始めたヒヨコ営業マン
私は、25歳の時、地主や投資家に賃貸マンションの新築による土地活用による不動産投資の提案営業の職につきました。
12年経過した今は、お陰様で5年連続でトップの成績を収めました。
…が、最初はそんなに簡単ではありませんでした。
建築の『け』の字も知らず、ただ稼がなければならないという覚悟だけで入ってきた私は、正直不安しかありませんでした。が、野球で培った体力でとにかく前向きにガムシャラにやってやろう!という気持ちでした。
最初の行動計画は、飛び込み訪問。
もちろん、泣かず飛ばずの毎日。
1日30件程の件数を課せられ、
『マンション建てませんか?』
を言って回る。
あなたなら、そう言われて、建てますか?
私なら、建てないでしょう。
なぜなら、25歳の若造に1億円を超える買い物の提案をされる。私がお客様の立場でも、120%建てることはないと推測します。
ある日、事件は起きました。
私はとにかく『面談』を行うために、確実にターゲットが家にいる時間帯の夜の時間を狙って、【夜訪】を行っていました。
しかし、側から見れば、ただの迷惑行為であると思います。
ある家に訪問し、いつもの如くインターフォンを押し、『ガチャ』とドアが開いた次の瞬間、
訪問先『何時だと思ってだよ!!』
の大声とともに、ビュン!と私の顔の横を何かが通過して、後ろで『べちゃ』と潰れた音がしました。
なんと、その方は、生卵を私に投じてきたのでした。
私は、その方への怒りよりも、
『こんなことしてて良いのだろうか…』
という不安感に苛まれました。
何かを変えなければ!
そんな思いで、私は本当の意味での営業を学ぶことを決意しました。
戦略的営業の始まり
私は、とにかく営業についての本をたくさん読みました。先輩の営業にも話を聞きました。
しかし、どこか、ピンときません。
・とにかく数をこなす
・飛び込み訪問のテクニック
・相手の心理を突いた応酬話法 など…
人それぞれ能力も違うし、育った環境や考え方、価値観も違う…同じことをして、本当に受注に繋がるのだろうか?と疑問を抱きました。
はじめに、とにかくたくさんの方に自分がこの仕事をしていることを認知していただくための行動計画を立てるべきだと思い、その上で、自分自身の持ち札を棚卸ししました。
持ち札①facebookの友達800人
持ち札②野球での人間関係
毎日の様にfacebookで自分の営業活動をSNSに投稿、しらみ潰しに草野球チームの助っ人で参加を2ヶ月繰り返しました。
私は、この2つの持ち札を余すことなく使い、
『あいつは、賃貸マンションの建築の営業をしている』と認知してもらうことに終始しました。
結果、2ヶ月目に、facebookを見た同級生のお父さんから会社に連絡が入り、
『〇〇くんいる?自社ビルの建築の見積もりをして欲しいんだけど…』
と連絡がありました。
4ヶ月目にはfacebookのメッセージから、
『土地を持ってるんだけど、マンションの建築費の見積もり出してくれない?』
と直接連絡が入りました。
こうして、私は、1年目の社員としては異例の、2件の受注をお預かりするに至りました。
この成功体験が、後の【戦略的営業】の礎となったのです。
ヒヨコ営業マンのステップ
私は、【営業】という業種ほど、再現性の無いものは無いと考えています。
なぜなら、先に売るのはモノではなく、【自分というヒト】であるからです。
『この人になら任せても良い!』
と思わせる手法は、人の数だけ存在するのではないでしょうか?
私が考えるヒヨコ営業マンの最初のステップは、
ステップ①→【知る】
合言葉は『根性』。とにかくたくさんの顧客と面談し、自分がターゲットとすべき顧客を確認する。
ステップ②→【能力の棚卸し】
合言葉は『周知』。自分自身の仕事を広く知っていただくための手段を決めるために、自分自身の能力や持ち札を棚卸した上で、周知の手法を決定する。
ステップ③→【実行】
合言葉は『質より量』。②で決めた周知の手段をとにかく実行する。
の3ステップです。
簡単に見えるが、①は心が折れても前に進む根気強さ、②は自分自身を的確にフィードバックできる分析力、③は実行するための計画性が要求されます。
私は、知らず知らずのうちに手探りでこのステップを踏んだことにより、成功体験を積むことができました。
まだまだ戦略的と言うには久しいですが、世の中のヒヨッコ営業マンには、営業力構築の為の再現性の高いステップとして、是非とも伝えていきたい手段ではないかと考えています。
私も、時には、このヒヨコの時の自分に立ち返り、このステップを再度踏むことで、新たな顧客の開拓や、受注に繋げる礎を広げて行くべきだなと、この文章を書きながらまじまじと考えさせられました。
また、♯3でお会いしましょう。