個人的2022年下半期映画ランキング & #2022年映画ベスト10
2022年下半期映画ランキング
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー
窓辺にて
わたしは最悪。
ソー:ラブ&サンダー
グレイマン
あのこと
アバター ウェイ・オブ・ウォーター
ドント・ウォーリー・ダーリン
リコリス・ピザ
ブレット・トレイン
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順位ごとの感想
1位:ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー
マーベルシネマティックユニバース(MCU)最新作にして、北米興行収入1位(当時)を獲得、スーパーヒーロー映画として初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされるほど反響を生んだ前作からつながる続編。
2020年、主演ブラックパンサー役のチャドウィックボーズマンが逝去したのち、前作から引き続きメガホンを取ったライアンクーグラー監督はあまりの悲しみに自身も引退を考えるものの、既に出来上がっていた本作の脚本をチャドウィックの為に、そして物語のために書き直して作り上げた。
アイアンマンやキャプテンアメリカといった人気ヒーローがいなくなった世界の”その後”を描く作品がまだ少ない中、主演俳優の死という絶対的な"現実"と向き合うために悲しみと敬意を監督、キャスト、スタッフ、そして観客と共有し、意思を引き継ぐ物語を紡ぎあげるメタ的作品であり、荘厳でエモーショナルなスーパーヒーロー映画だった。
2位:窓辺にて
2018年「愛がなんだ」、2021年「街の上で」など様々な恋愛映画を描いてきた今泉力哉監督が主演に稲垣吾郎を据えてオリジナル脚本を書き下ろし。中村ゆり、玉城ティナ、さらに今泉組の若葉竜也と穂志もえかなど豪華キャストが集結。
国民的アイドルだったあの"吾郎ちゃん"がパフェを食べたりジムで走ったりパチンコを打つなど、様々なシチュエーションを巡りながら「妻の浮気」と「それに対する感情」への対処法を模索していく。そして登場人物の殆どが二面性を抱えており、一方を選ぶために手放すことへの葛藤を見せる会話シーンの殆どが窓辺で行なわれており、窓から差し込む光によって変化する風景が、会話の相手と主人公を表しているかのようだった。
印象的なシーンとして扱われていたパフェも『完璧』という意味を持つが、果たしてパフェは本当に完璧な食べ物なのか、人間も同じように完璧ではないからこそ素敵なのでは、というメッセージも受け取れた。
3位:わたしは最悪。
第74回カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得し、第94回アカデミー賞では「ドライブ・マイ・カー」と国際長編映画賞を争った話題作。
主人公ユリアが20代から30代にかけて選択してきた将来の仕事や恋人など大小ある人生を、いつか結果として返ってきたとき、"運命"のように喜ぶこともあれば、自分が望んでいない結果に後悔する思いを"最悪"と捉えた物語。
自分の気持ちに素直であるがゆえに、“理想の人生”と“厳しい現実”の間で突風が吹くかのように過去を捨て、自分の気持ちに正直に生きていく女性の失敗と成長、そしてジェンダーやセクシャルへの提言も込められていた珠玉の作品だった。
4位:ソー:ラブ&サンダー
MCUの人気シリーズ「マイティ・ソー」最新作は冒頭からGUNS N' ROSES、そしてソー役クリスヘムズワースが日頃鍛えているその肉体美で繰り出すヴァンダミングアクション(ジャンクロードヴァンダムによる大開脚)で脳内をドーパミンで溢れさせつつ、本作のヴィランであるゴア役クリスチャンベールの不気味な様相と卓越した演技によって緊張と緩和を取りながらあっという間の2時間を届けてくれた愛と雷のヒーロー映画。
個人的にはジェーン/マイティ・ソー役ナタリーポートマンが年齢を感じさせないビルドアップした姿によるアクションシーンなど"女性版ソー"に留まらない活躍を見せてくれて本当に感謝したかった。
5位:グレイマン
監督:ルッソ兄弟/脚本:クリストファーマルクス&スティーブンマクフィーリーというMCUでも随一の人気を誇る「キャプテンアメリカ」シリーズ2・3作目(ウィンターソルジャー/シビルウォー)、「アベンジャーズ」シリーズ3・4作目(インフィニティウォー/エンドゲーム)の主要人物がNetflix最高額の製作費で作られた話題作。
「ララランド」のライアンゴズリング、「キャプテン・アメリカ」シリーズのクリスエヴァンス、「ブロンド」のアナデアルマスがCIAの極秘情報を巡ってえげつないアクションシーンを繰り広げるノンストップポリティカルアクション。
6位:あのこと
昨年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞(最高賞)を受賞。今年のノーベル文学賞を受賞した作家アニーエルノーの実体験をもとにした短編小説を原作に、「ヴィオレッタ」で当時10歳の主演を務めたアナマリアヴァルトロメイが本作でも主演を務めた。
1960年代フランス、大学生のアンヌは教師になる夢を叶える目前、望んでいない形での妊娠が判明する。当時は法律で中絶が禁止されており、加担した場合は同罪とされるため医者も友人も関わろうとしない。未来を奪われないためにアンヌは試行錯誤するものの焦燥感から追い込まれていく…。
正直ショッキングな演出が続くのでここ数年で初めて気分が悪くなり中座することがあった。それ程までに妊娠や中絶の物理的/精神的苦しみをストーリーだけでなく、狭い画面アスペクト比による主人公の焦りを視覚的にも体験させる今作は本当の意味で心に残る作品となった。
7位:アバター ウェイ・オブ・ウォーター
世界興行収入歴代1位となった大ヒット作の13年ぶりとなる続編は、技術の大幅進化による映像美の強化によりパンドラ(本シリーズの惑星)をより体感することができた。「エイリアン2」、「ターミネーター2」と2作目に定評のあることで知られるジェームズキャメロン監督は、本作でもパンドラの先住民族ナヴィとして新たな生を受けた主人公ジェイクが人間の侵略によって愛する妻、息子、娘たちを失うことが怖くなり、森の民から追われるように新たなスタートを図る中、同じナヴィでも肌の色や慣習が異なるという人間のような違いをまざまざと見せつけられ、海の民と太古から共存している海洋生物を狩りする人間の惨さを観客に共感させていく。
3時間12分という長編の中で水や海といった自然の美しさを愛する者、それを蹂躙する者のうねりを生み出していくものの、個人的にはMCU作品のキャラクターを批判するほどの脚本には感じなかった。マクロ的に見れば「地球への侵略に立ち向かう人間たち」と「パンドラへの侵略に立ち向かうナヴィたち」とほぼ変わらず、アバターも2作とも「avengers(復讐する者)」であるのだから。(そして申し訳ないですけど #アバ泣き するシーンあったかな…)
8位:ドント・ウォーリー・ダーリン
「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」のオリヴィアワイルド監督が自ら出演もした本作は、「ミッドサマー」のフローレンスピュー、「ダンケルク」のハリースタイルズ 、「スタートレック」のクリスパイン、「エターナルズ」のジェンマチャンなど豪華キャストで送る50'sアメリカを舞台にしたスリラー作品。
完璧な生活が保証された街で何不自由ない暮らしを送っていたアリスとジャック夫妻。ある日、隣人に不審な言動が見受けられたのちに姿を消してしまった。愛する夫が普段どんな仕事をしているかも知らされず、アリスは少しずつ世界の真相に迫っていった結果…。
途中まではどう終わりを迎えるか分からないままだったが最後まで見た時「だからオリヴィアワイルドは自分が出てまでこの作品を作ったのか!」と膝を打ちたくなるくらい痺れたので監督の作家性や伝えたいメッセージを最後まで見届けてほしい。
9位:リコリス・ピザ
カンヌ国際映画祭・ベルリン国際映画祭・ヴェネツィア国際映画祭と世界三大映画祭すべてで監督賞に輝いたポールトーマスアンダーソン監督の最新作。3姉妹バンド「ハイム」の末っ子アラナハイム、フィリップシーモアホフマンの実息クーパーホフマンがそれぞれ映画初出演ながら主演を務めた。
1970年代のロサンゼルスを舞台に、人生に悩む25歳女性との出逢いに運命を感じた15歳少年が、互いに惹かれつつも反発し合いながらさまざまな出来事を経て、人生の酸いも甘いも経験する夏にぴったりな青春物語。頑張ってアプローチしても振り向いてくれず、年齢差がブレーキをかけたり、別の相手と良い感じになることで嫉妬させながらも本心に気付いたり…そんな漫画のような展開が2人の行方から目が離せなかった。
10位:ブレット・トレイン
伊坂幸太郎"殺し屋シリーズ"の第2作「マリアビートル」をハリウッド実写化したノンストップクライムアクション。主演のブラッドピット、そして「ファイト・クラブ」でブラピのスタントダブルを当時担当していたデヴィッドリーチが監督を務め、「オーシャンズ8」のサンドラブロック、「キック・アス」シリーズのアーロンテイラージョンソン、「エターナルズ」のブライアンタイラーヘンリー、そして日本が誇るアクションスター真田広之など豪華キャストが集う。
(ちょっとヘンテコな)日本を舞台に、“世界一運の悪い殺し屋”レディバグが時速350キロの高速列車「ゆかり号」内でブリーフケースを盗み、次の駅で降りるだけの簡単な仕事を請け負うものの何故か次々と殺し屋たちに命を狙われ仕事は困難を極めていく…。
2022年全体映画ランキング
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム
窓辺にて
ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー
偶然と想像
ベルファスト
トップガン マーヴェリック
わたしは最悪。
ソー:ラブ&サンダー
グレイマン
あのこと
是非この記事を読んでくださった方はご自身のランキングなりベスト作品なりおすすめ作品などあれば教えてもらえると助かります。
自分自身も誰かの参考になっていたら幸いです。あざした。