海から富士山に登ってみた
山頂での御来光は格別だった。
それも普通の富士登山ではなく、海から自分の脚で登ったこの景色。
見えるのは同じ景色だけど感じるものは人それぞれ。
山は奥が深い。
富士登山ルート3776
ラン仲間からこれを1日でやらないかと誘われた。
(富士市は2泊や3泊を推奨しているので、良い子は真似しないように!)
一つ返事で走ることを決めた。
海抜0mから自分の脚で富士山へ登ることにとても魅力を感じた。
初富士山をこんな形で迎えることになるとは思ってもいなかった。山頂にはどんな景色が待っているだろうか。
今回は計5人でのチャレンジ。自分は先週のONTAKE100の怪我からの病み上がり(別記事で詳細は書こうと思う)だったので、登山口まではロードバイクで参加することにした。
出発の儀式
15時に田子ノ浦を出発。
その前に大事な儀式がある。
海タッチ。
海を触ることは海抜0mを実感すること。日本で1番の標高差に挑む前にふさわしい儀式だ。
さらに富士山頂に置いてくる砂や石を海岸で拾ってポッケにしまう。
さあ出発だ。
トレイルに走るまでの長い長いロード
出発してしばらくはロードを走る。
富士の裾野を登っていくのでずっと登りで、ロードバイクでも(ロードバイクだから!?)なかなかしんどい区間だった。
道路には青い表示で道案内が付いているので難しいことはない。この表示を辿りながらひたすらに富士山を目指していく。
途中いくつかの中継点でスタンプラリーをしながら進む。
事前に挑戦計画を提出し、当日決められた箇所で規定の台紙にスタンプを集めて申請をすると、富士市から挑戦達成証と達成バッジがもらえるのだ。
普通は宿に宿泊するので富士市にはお金が落ちる、とてもよい地域おこしのイベントだと思う。
いよいよ核心部
富士宮の富士スカイライン旧料金所跡からトレイル区間に入る。
もうこの時すでに22時。御殿庭までは真っ暗の中をヘッドライトの灯りを頼りに進む。
踏み跡はついているけど少し荒れ気味で道が分かりづらい。
段々と勾配もキツくなってきて、森林限界を超えるとザレ場の登りで体力も削られる。
新六合目の山小屋(標高2500m)に着いた。
その後もどんどん標高を上げていく。
2700mを超えたあたりから、なんだかフワフワした変な感覚がしてきた。何だかおかしいなと思いつつも身体は動くので登り続けた。
それまでのペースで段々と登れなくなってきた。これは高山病だと確信。睡眠不足で富士山には登るなと言われているけど、時はすでに遅し。
登っては休み、登っては休みの繰り返し。
今までの登山の中で1番きつい時間だった。
距離にすると数キロなのにすごく遠く感じる。
足を労わるために持ってきたポールに助けられながらやっとの事で山頂に到着。
雲と前の山の境目からギリギリ御来光に間に合った。
やっとここまできたかという感動が込み上げる。
振り返るとそこには影富士。
剣ヶ峰のモルゲンロードと相まって最高な景色だった。
御来光を楽しんだ後は剣ヶ峰へ。日本最高峰の頂で写真を撮って、海から持ってきた石をポッケから出して、三角点に置く。
自分が海から来たことの証。ルート3776達成の瞬間だった。
山で感じるありがたみ
寒くて体が冷えたこともあって山頂の小屋で赤いきつねを注文した。
800円
内訳:普段手にするカップラーメン100円+運び賃+貴重なお湯+山小屋の方の愛情priceless
こんなにうまいうどんがあるか。
身体も心も芯から温まる。
3776mを自分の脚で登り切ったことを実感しながら流し込む。
ごちそうさまでした。いってらっしゃい。と短い言葉を交わすなかになんとも言えない感謝の気持ちが込み上げてきた。
ヘリで上げる。歩荷であげる。わからないけどどちらも大変なことは確か。
街での食事も山と同じようにたくさんの人が関わって自分たちの手元に届いているんだなと感謝したい。
まとめ
海抜0mから富士山頂3776mを1日で登り切る。
無謀で推奨されないことはたしかだけど、一生の思い出になった。
山小屋のありがたみを通じで普段の生活のありがたみを感じたり、山頂での偶然の出会いもあり、普段の山では味わえない貴重な経験ができた。
いつも馬鹿な企画をして楽しませてくれる仲間にも感謝。また日常の生活に戻ります。
ではまた!