弁理士法人シアラシア 代表の嵐田です。 学会や展示会で名刺交換をして、あるいは問い合わせフォーム等からコンタクトがあった相手と打ち合わせを行い、もう少し踏み込んだ話をしたいので秘密保持契約(Non-Disclosure Agreement、以下「NDA」)を結びましょう、ということはよくあります。 研究部門同士の場合は、技術資料の提供に加え、サンプル提供、試作品の作成、テスト分析等がNDAの範囲内で行われることもあります。本記事では、共同研究を前提としたNDAを締結する
令和4年度弁理士試験短答式筆記試験において、商標法の問題の中で特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示(GI: Geographical Indication)法、以下「GI法」)に関連した問題が出題されました。「地理的表示」は令和4年4月1日の弁理士法改正において、「植物の新品種」及び「地理的表示」に関する業務が弁理士法第4条第3項に追加され、弁理士の名をもって行うことができる業務(いわゆる「標榜業務」)として明確に規定されることになりました。 1. GI法
こんにちは。弁理士の嵐田です。 スタートアップ・中小企業が他の企業と共同研究をする際に締結する共同研究契約書で注意すべき点をまとめてみました。 1. なるべく自社の雛形を使う 共同研究契約に限らず全ての契約に当てはまりますが、なるべく自社雛形をベースに契約交渉するのが理想です。雛形は基本的に自社有利なように作られています。相手先雛形をベースにした場合、自社に不利な条項を中立以上に戻す作業が必要になります。相手先によっては不利な条件が巧妙に散りばめられた雛形を送ってく
1. 職務発明規程とは 企業の従業員が職務で行った発明を職務発明といいますが、職務発明を会社としてどのように取り扱うかを決めるのが「職務発明規程」です。職務発明規程があれば、従業員が行った職務発明についての特許を受ける権利を会社に帰属させることも可能です(特許法第35条第3項)。そのかわり、会社は職務発明を行った従業員に対して「相当の利益」を与える必要があります(特許法第35条第4項)。では、「相当の利益」は具体的にどのように規定すれば良いのでしょうか? 2. 「相当の
本棚を整理していたら昔の弁理士試験の受験雑誌が出てきました。私の合格体験記が掲載された号です。私が弁理士試験に合格したのは12年も前なので2022年以降に弁理士試験を受験される方の参考にはならないかと思いましたが、試験に臨む心構えやどのくらいの勉強量が必要か等の情報は時間が経っても大きく変わるものではなく、必要な情報か否かは読んだ方にご判断頂けば良いと考え載せることにしました。補足事項は「※」と太字で示しています。また、note用に一部章立てを修正しています。以下、11年前