移り行く時の中で変わらないモノ
子どもの3歳くらいまでの成長ってものは、本当に目まぐるしい。
生まれたては当然歩けない、話せない。そんな赤ちゃんが、寝返りからずりバイをしてハイハイをして。よちよち歩きをし始め、しっかり歩き、走れるようになっていく。そして、「あ~あ~」という喃語だったものが、単語で伝えるようになり、普通に会話ができるようになっていくのだ。
この期間の子育てはお世話自体は大変ではあるが、その都度成長に感動させられて、本当に貴重な時間だったなぁと感じる。
成長に伴い、使用する育児グッツも移り変わっていく。
新生児の時に着用していた短肌着は、すぐに着なくなった。生まれる前にそれらに水通しをして干している時、「なんて小さいんだ」とまだ見ぬ我が子に想いを馳せたことを思い出す。
哺乳瓶も使う期間はほんの少し。それに伴う、消毒グッツもそうだ。
母乳メインだったが、ミルクをあげる時お腹を空かせて泣く我が子に「ちょっと待ってよ~」と言いながら、急いでミルクをクルクル溶かしていたっけ。
いっつも一緒だった、エルゴの抱っこ紐。
娘、息子と使ったが、ここまでお世話になった紐は人生で他にはないであろう。一緒にお出かけに行く時や、夕ご飯を作りながらおんぶ紐として使うこともあった。我が子とぴったりくっついていれる時間はとても幸せだった。抱っこ紐の中で外の世界を覗こうとキョロキョロする様子はとてつもなく可愛かったんだよな。
「あれ?最近そういえば抱っこ紐使ってないなぁ……」
そう気づいた時は、なんだかすごく寂しかった。
そしてベビーカー。我が家はエアバギーという種類のものを使っていた。
重さはあるが、走行性抜群で押しやすく、これに乗せて色んなところにお出かけをした。これも娘、息子と使ったが、最後使わなくなった時は「ついに……」と感慨深かった。
そしてオムツも、トイレトレーニングが成功し、トイレでするようになってからは買うことはなくなる。急にパンツになって、オムツが2袋くらいあまった記憶。オムツに関しては、寂しさは特になく、「もうオムツ買わなくて良い~♪」という喜びが大きかった。
成長と共に使わなくなった育児グッツたちは、処分したり、友人におさがりとして譲ったり手元にないものがほとんどだ。その時は「なくてはならない」というくらいに活躍していたが、時の流れとともに出番がなくなり、姿を消していく。
0~3歳は、育児グッツの移り変わりからも、どれだけ変化が大きいかがわかる。そうして赤ちゃんから子どもへと成長していくのだ。
「おしりふき、また箱買いしたん?」
先日、おしりふきがなくなっていたので、慌ててまた箱買いをした私。届いた箱を見て、夫にそう聞かれた。
「え?なんで?いるやん」
我が子たちはもうとっくの昔にパンツになっていて、オムツなんてしばらく買っていない。『おしりふきでお尻を拭く』なんてことをしたのはもう何年前だろう。
しかし、私はおしりふきを買い続けている。
お尻を拭かないので、勝手に呼び名は変わり、『濡れティッシュ』と呼んでいることが多い。
これ、めっちゃ便利なんですよ。赤ちゃんのお尻を拭くためのものなので、アルコールは入っておらず、水分量もたっぷり。
子どもがこぼして汚れた箇所や、手や口を拭く時、机を拭いたりちょっとした掃除なんかにも大活躍。我が子とのお出かけの時も、おしりふきがないと「ああ~。忘れた~」となる。いまだ一軍選手。
もう、お尻は拭かない『おしりふき』。
これウェットティッシュを買ったらええんか?とも思うが、おしりふきが落ち着く。何度も我が子の尻を拭きあげてきただけに、信頼感と安定感が半端ない。後、ウェットティッシュを買うよりコスパも良いのではなかろうか。
我が子の成長とともに、別れを告げてきた数々の育児グッツたち。
そんな中、用途は変われど、今も活躍し続けている『おしりふき』。
我が子がもう少し大きくなって、食べこぼしたり、一緒にお出かけする機会が少なくなったりすると買わなくなるのだろうか。
娘の0歳から買い始め、子育て人生8年間のお付き合い。移り行く時の中で変わらないモノ。メイン選手がどんどん姿を消していく中、活躍を続けるいぶし銀。
まだまだしばらくは『おしりふき』を最早『濡れティッシュ』として使う日々は続く。
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