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「叱るのと同じくらい、もっと褒めてほしい」新入社員の本音って何だろう。

「秋は空が高く見えますね」なんてお天気のお姉さんが言っていたので窓を開けると、確かに心なしかいつもよりも空が遠い気がする…(ん-まあよくわかんないけど、気候もちょうどいいし、そうゆうことでいいや)

新入社員は「自己効力感」が低いらしい

「僕、自己効力感が低いんです。」

絶賛実施中の新入社員の半年後フォローアップ研修中に、ある社員からポロっと出た言葉のようです。「自己効力感…?なんだそれ…?」と喉の手前まででかけて、ぐっと飲み込みました。

自己効力感とは、人が行動や成果を求められる状況下において、「自分は必要な行動をとって、結果を出せる」と考えられる力

簡単にいうと「自分の能力に対する自信があるかどうか」って感じなのでしょうか?

ちなみに、よく聞く自己肯定感とは、
自己を尊重し、自身の価値を感じることができ、自身の存在を肯定できる力

よく本屋さんで「自己肯定感を上げて幸せになろう!」みたいな啓発本がでているけど、私が知っていたのはこっち。似ているようでちょっと違うんだなぁ、いまの若い子は物知りだなぁ、と感心しました。

自己肯定感が高い人は、ありのままの自分を受け入れられるため、仮に失敗した時でも「次は頑張ろう。」「失敗してもいいんだ。」と考えることができます。

ですが、「僕は自己効力感が低いんです」という申告は「やったことがないから、不安です…」「自分には無理です…」と言われている様子。もはや失敗するしない以前の問題。さらに困ったことに、新入社員20名強の子たちの半数以上が「僕も」「私も」状態だということです。これは困った。

なぜ自己肯定感が低いのか

さて、可愛い新入社員が「自分ならできる!」「やってみよう!」と思えないのはなぜなのか。どうしたら自己効力感を爆上げして楽しく、前向きに働いてくれるのかを自分なりに考えてみることにしました。

そもそも、自己効力感がなぜ低いのか。それは、1つに今の新入社員世代の育ってきた環境が影響しているようです。物心つくころからスマートフォンが傍にあり、SNSが当たり前にあり、デジタルネイティブと呼ばれる世代。そもそもの世代の特徴みたいなものがあるとのこと。

写真をとる、SNSにあげる、イイねが付く。この一連の流れをよく「自己顕示欲」とか「承認欲求」なんて言葉が使われますが、そりゃ私だって褒められればうれしいし、認められた気がして気分がいい。SNSを通じて誰かに承認欲求を自然と満たしてきた世代にとって、社会に出た時のコミュニケーションは些か満たされないものなのかもしれないな、と。

デジタルネイティブ世代の彼ら、彼女らは「イイネ」がほしい。逆に、「イイネ」がないと自分の存在価値を見出せず不安。といった一種の呪いに近いものを感じました。

「褒めてほしい」は「仲間に入れてほしい」

「じゃあさ、上司にどうしてほしいかな?リクエストはある?」と聞くと帰ってきた言葉が、

「叱るのと同じくらい、もっと褒めてほしい」

これを聞いた上司の方は「褒めてるつもりなんだけどなぁ…」と苦笑い。もっともっと褒めてほしい新入社員、褒められて育ってないのに試行錯誤で不器用ながら褒める(ているつもり)の上司…

「いいですか?ほめ方にもコツがあるんです。具体的に、ピンポイントに、そしてタイムリーに…」とマネージャー層向けに講義する先生の言葉を一生懸命メモを取る姿をみて、新入社員は本当に褒められたいだけなのかな?褒めたら自信がつくのかな?前向きになるのかな?と少し疑問に思いました。

1つ1つ小さな成功体験をして、他の同期と比較して、「できるじゃん!」「凄いじゃん!」と言われたい。そんな簡単なことでもないような…

そんな時、ふと自分が新入社員の時にもらった色紙をみて、私がそこそこ自己効力感が高い理由を思い出しました。

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「後ろはしっかり見てるので、
安心して突っ走ってください!」

「なにか失敗をしたとしても、チームの先輩や課長がなんとかしてくれる」
他責ではなく、そんな絶対的な安心感が確かにあったし、だから「自分はできる!」っていう自信はなかったけど、「とりあえずやってみよう!」みたいな気持ち、いわゆる自己効力感が養われたような気がします。

実際に、失敗すれば月末に私の分のリカバリーを先輩が当たり前のようにしてくれて、課の全員がいつだって私のためにお客さんに一緒に頭を下げてくれて。行動したことに対しての失敗は1度だって怒られたことはありませんでした。(忘れちゃっただけかな。笑)

今の子って凄く色んなことを敏感に察するし、察して欲しいんだと思う。SNSで彼氏の手元だけ写した写真を投稿したり、真っ黒な背景にポエム調の言葉を書いたり、同じ曲やフリを皆でちょっとアレンジして歌ったり踊ったり…だからこの【安心して失敗できる雰囲気づくり】が鍵になってくるのかなぁ、と。

今までは画面越しの誰かには承認されていたものが、社会に出た途端に対面の親と同じくらいの歳の大人に【承認されなければいけない】という呪い。認められたい、力になりたい、仲間に入れて欲しい。それが【褒めて欲しい】の根底にあるような気がしています。

不安だよね。怖いよね。悩むよね。でも君たちが思っている以上に、先輩や部署長は君のことを大事に育てたいと思ってるよ。大丈夫だよ。

そうやって、来週皆に伝えようと思います。

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