家出55日目
2020.7.9
"死にたい"って声が 誰かの目に止まった。
マゼンタに染まった夕焼け空から降る雨粒が綺麗だった。
夕飯のカレーが美味しかった。
どうでもいい事をかき集めて 希死念慮に蓋をする。
夜も昼も一生懸命目をつむって眠って 夕方の仕事の時間だけ 元気なフリができるようにする。
そうして 夕方 希死念慮の蓋があく。
印鑑は苗字でなくてはならないとか、
巣から落ちたツバメの死骸とか、
全然知らない誰かの陰口とか。
細かいルール、見えない言葉、無力な私。
魔法使いになりたかった。
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