『“ロボット”を通じて “人”を知る博士の物語』
はじめに
『ホウ博士とロボットのいる町』
この作品を読んでの率直な感想は
「映像化してほしい……」です。
児童書ですが 私は大人に
なってから この本と出会い
心動かされ 自分にとって
大切な一冊となりました。
“たった一人の時間”を知っていて
“たった一人の人”を大切に想える
そんな方々へ…おすすめします。
人付き合いが苦手なホウ博士
人を遠ざけるためのロボットを
作ったはずが そのロボットが
きっかけで 徐々に人と
関わることが増えていき
そして ある一人の
女性と出会うことに……
本当に大切なものは何か
ロボットを通じて“人”を
知っていく ちょっぴり
不器用な博士の物語
人は一人では生きていけない
「興味の矢印」が最初は自分にだけ
向いていたホウ博士。
物語が進むにつれ
人と関わっていくことが増え
「興味の矢印」が だんだんと
自分以外に向いていく様子が
読んでいて 微笑ましい。
私も一人が好きで ホウ博士ほどでは
ないけれど“人”と付き合うことが
あまり得意な方ではないです。
だけど
「人は一人では生きていけない」
ということも十分 知っています。
そして「興味の矢印」が
自分だけに向いてる人も好きですが
他者に矢印を優先して
向けられる人に心惹かれ
憧れることが多いです。
個人的な解釈ですが
他者に向かった矢印は
最初は興味から始まり
優しさに変わり 愛情という矢印となって
まわりまわって最後には自分に向かって
かえってくると思っています。
ホウ博士も 最初は自分の心の変化に
戸惑いながら 徐々に受け入れ
行動が変わっていく…
そんな不器用な姿が健気で
読み進めていくうちに
自分のことのように
応援し感情移入していました。
ホウ博士の作るロボット達の特性も
心の変化と共に だんだんと
変わっていくのが とてもわかりやすく
書かれていて この物語の
魅力の一つとなっています。
人付き合いが苦手ということ
私が 人付き合いが得意ではないのは
離れた時の寂しさがつらいこと、
あと まぁまぁな付き合いが苦手で
出会った人 一人一人と きちんと
向き合いたい気持ちが強く 結果
相手より一喜一憂しすぎてしまい
虚しくなるからです。
だから 『ホウ博士とロボットのいる街』を
読んでいて 1番感じたことは
「大切な人を 作らないように
生きてきた人ほど
自分にとって尊い出会いに
心打たれ 感謝し誰よりも
大切にしようとする」
という共感です。
このことが 私を この作品に
グッと惹きつけたのだと思います。
最後まで お読みいただき
ありがとうございました。
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