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胎界主系(2023/7/21):胎界主初見実況ログ(第二部三幕最終話『胎界主ピュア』後編7稀男内部人格争奪戦編)

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、25冊29頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、開始します。ルーサーに抱えられる稀男。気絶したままピクリとも動かない。そして、稀男人格内。井戸ーズの様子がおかしい。

「何故だ?」「いくらなんでもおかしいぜ」「無我を倒したのに」「なんで肉体を指一本動かせねぇぇ?」「『凡蔵稀男』の主導権は…」「俺らに移ったんじゃないのか?」えっ!? お前ら、稀男のからだを動かせないの? 何だそれは。 #犬界主

誰だよからだの主導権握ってるの。純子? 鬱でロッカーの中に引きこもって泥の中に沈んでいるのに? (本当に心象風景で沈みつつあるからちょっと面白い)「猛烈に嫌な予感が…」「また負けなんじゃないのか?」「おいおいこれでダメだったら次はねーぞ」 #犬界主

精神の深淵の水面に、うつ伏せに浮かび上がる無我。背中に…チャック。脱皮。中から…無我にやや似た、しかしおそらくは別の何者かが、羽化めいて生えて来る。何何何!? 「おぉ お前は…?」困惑する井戸ーズ。俺も困惑している。何モンだお前… #犬界主

生えてきた何者か、無我の後頭部を踏む。決して無我と仲良くやれるやつには見えないが…(というか、こいつら、誰一人として、自分とすら 仲良く 出来ないんだよな。知ってるよ。しょーがねーなー…)井戸ーズも知らない人格。「お前はいったい 誰なんだよぉ?」 #犬界主

白というより、むしろ緑がかった髪。空きっ歯の上の前歯。何が愉快なのかサッパリ分からないが、満面の笑みと共に、まるで発作のように、笑う! 「げらげらげらげらげらげらげらげら」誰? ねえ…!! 誰なの? 怖いよおッ!! #犬界主

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といったところで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編内、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。…マジで何モンだコイツ。稀男のさらなる深層意識? こいつが稀男のからだの主導権を真に握っているのか?

そして、見る限り、その攻撃性から、無我とは仲良くやれなさそうなやつに見える。井戸ーズとも仲良くやれんのか。純子とは? というか、彼らを駆逐して、稀男のからだを乗っ取ったりしないのか? ダイジョブ? といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、25冊32頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、再開します。

アスちん、奇妙な場所で目覚める。夕暮れの沿岸または大河に、レールが敷いてあり、水に浸かった列車が走る。ピュアたまの心象風景。いわばこれが、(翻訳された…<主流>……)アスちん、列車を移る。 #犬界主

扉を開くと、座りながらブツブツ言ってる乗客たちがいる。社員たちが信奉者になり、立場がないので苛立つ社長。ピュアたまを監禁して果実を独占しようとする悪い顔の謀略家。ピュアたまを独占したい者。ピュアたまに金や権力より大きな力を見ている者。 #犬界主

なんか手を叩いて喝采する人。ピュアたまがいれば全てがうまくいくとばかりに盲従する信奉者。ピュアたまを見失い、どうすればいいか分からない者。破滅を前にして、「あと一日待ってくれ ピュアさえ戻ってきたらどうにでもなんだからさ」と食い下がる、今正に博打に負けている人。 #犬界主

なんかピュアたまが一時期変躰する際に、分別臭い顔の子供になっていたが、それに似た少年と、なんか少女が、泣き喚いている。「純粋な子供だけの世界を創るって約束したのに!」「選ばれた賢い子供だけの世界に成るんじゃないの?」「ピュアの馬鹿ー」「ばかー」 #犬界主

…ピュアたま? 本当にそんなことを言ったの? 彼らがそう翻訳しただけなのかもしれないと疑われるが、そんなのは子供たちへの侮辱にしかならないので、やめます。ノーコメンテイター。 #犬界主

「裏切った裏切った裏切った裏切った裏切った裏切った」歯噛みしながら恨み節を口にする女性。ちょびっとマリア変躰ピュアたまに似てないこともない。そういうことなのか? #犬界主

このピュアたまの信奉者たちは乗客だ。座った場所で泣いたり笑ったりしている。ピュアたまを見失ってなお、別段車内を歩いたりはしない。言うたら何だが、胎界物ムーブだ。山で遭難したんじゃないんだからさあ。 #犬界主

アスちんは次の扉を開く。奇妙な面々が待っていた。無言で微動だにしない、正装した…井戸ーズ!? 四角いテーブルで、椅子に座り、料理を待っているように見える。んんー? #犬界主

確かアスちんは井戸ーズを知らない。ともかく横を通り抜けるが、井戸ーズからは特に何の反応もない。稀男精神世界の外は、例えばピュアたまの夢見界は、井戸ーズには特段見えてないのか? #犬界主

アスちん、次の扉で気付く。誰かの声。ぼそぼそ、ぼそぼそ。(この声は…)誰のだろうか。知っている人? アスちん、扉を開けるが… #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。謎のピュアたまの夢見界、こんなんなってるみたいですね。動と静を併せ持つ、ある種の旅情をも感じさせる美しい風景だが、中のピュアたまを見失った信奉者達は実に騒がしい。

正装して座る井戸ーズは、おそらく稀男精神世界での支配権を掌握したら、稀男のからだの掌握もそうだが、ここに同期してピュアたまの料理、否、指示を待つ段取りだったのだろう。今それどころじゃないが… #犬界主

さて、この先、いったい誰が、何が待ち構えているのだろうか。今はそこまで脅威を感じないが、おそらくとんでもない秘密が眠っており、そして世界の書き換えを諦めない脅威、ピュアたまが待ち構えているはずだ…といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、26冊9頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、再開します。さっきの辺りで、稀男を置いて、ルーサーが声を張り上げる。「おおーい ハンバーグ!」狭いところからハンバーグ先生が顔を出す。

「やっぱりダメだったがすね! さぁ今度こそ逃げるでがす!」ミッションがダメだろうが何だろうが、安全に帰れることの方が大事。困った手配師だなあハンバーグ先生。だからこそここまで生き残ってこれたのだろうが… #犬界主

「やったで! もしかしたらいけるかもしれんぞ」(チッ!)帰れるかもしれないと思っていたハンバーグ先生、もう一仕事、しかも危ない橋を引き続き渡らねばならなくなった。嫌そうな顔。残念だったねえ。 #犬界主

そんなハンバーグ先生を尻目に、ルーサーはそのままブリーフィングを始める。「ええか もし稀男が目を覚ましたら………」気絶したままの稀男。指先がピクピクと震えるが… #犬界主

…稀男精神世界。緑髪の空きっ歯の稀男が言う。「安心しろ 俺は味方だ」当然井戸ーズは警戒を怠らない。「誰かって聞いてんだよ!」すると、緑髪、事も無げに言う。「本物の「無我」だよ」何それ。 #犬界主

「お前なんでもありか?」「汚ねぇーぞぉぉ」「デタラメもいい加減にしろっ!」「じゃーあれは何だよ?」ギャーギャーうるさい井戸ーズ。浮いてるチャックの開いた無我を横目で見る緑髪…とりあえず、本人の主張通り、本物無我と呼ぶことにしようか。 #犬界主

「見りゃわかるだろ ただの抜け殻 サッキュバスの『リリム』や そこの純子と同じ 存在を維持する為暫定的に生まれた「合成人格」さ」んんん!? #犬界主
「ごっ 合成…人格ぅ?」井戸ーズは訳が分からない。あいつはぐちゃぐちゃの自我を自分で下手くそに再構成した、メチャクチャ曲りなりにも、一応は主人格のはずでは? #犬界主

「失敗してたんだよ お前らも…いやココに至るまで そいつ自身も思い違いしてたのさ 自我崩壊した精神を白紙から再構築し 人格を作り上げたってな」そして、本物無我はそういう話をスッパリと否定する。「そんなこと出来るわけないだろ」 #犬界主

そうなん…? 確かに相当無茶な話ではあると思っていたが、この無我が生き証人であったような気がしていたんだが…そもそも全くそんな話ではなかった…? じゃあ、この無我は、合成人格は、いったいどういう経緯で生じたんだ…? #犬界主

「こいつは…あー 名前は『クソニス』でいいか」よくねえよ。全っ然よくねえ。おめーよう、言うに事欠いて何だそれは。言い方ァ! #犬界主

「クソニスは命の価値を信じて「人を助ける者」になったんじゃない 「命の緒が見える」 それが礎を築く最適手段だったから」バンシー、およびその虚弱体質、ニスは、命の緒が見える。確かにそうだったが… #犬界主

「ピアノが上手ければ音楽家に 絵が上手ければ画家を選択したように 存在承認を得る第一歩が 「人助け」だったからにすぎない」…人助けの才能がある「から」、それを自己効力感の源として、自分が外から見て客観的にどんなやつか、という存在承認を構築できたというのだ。 #犬界主

本物無我は続ける。「両親の破滅が原因で選択した? そんな良心 この『白痴』にあるかよ」つまり、稀男の人助けは、両親への負い目、良心などというものに基づいた、ご大層なものではない。たまたま「できて」、やると存在承認を満足させるからやっただけだ。そう言いたげだ。 #犬界主

「出来損ないの半妖精 他のニスが短命であるように 「凡蔵稀男」も七歳で死んだのさ 薄気味悪い取り替えっ子を土葬すると 両親は公園墓地を捨てどこかに行っちまった それが真実さ その後「凡蔵稀男」は土の中で息を吹き返し 運良く助けられはしたが その自我は崩壊していた」 #犬界主

…なんと、稀男、一度ニスとしての天寿を迎えて死んだのだという。復活はしたが(ニスとして見れば、だいぶ頑強ですね)、からだはともかく、こころは死んだままだったようなのだ。それを救ったのが、なんと、禅寺のジジイ! えー!? そこでこんなとは!? #犬界主

「しばらくはただ生きてるだけ 環境に適応するだけの動物だったが」禅寺のジジイは、こころが死んだままの復活稀男を横に(幼少期のゲゲゲの鬼太郎みたいだ)、絵本を読んでやったり、手をかけて育ててくれていたようなのだ。そういう縁なの!? 第二の親、育ての親…ってコト!? #犬界主

ンー。でも、禅寺のジジイ、だいぶ異常な価値観の持ち主だし、本当に人道的に育て切ったのか? ヤな話を一つすると、性的虐待とかしてないよな? アドニスとの件を考えると、受けであって、攻めはない? (最悪すぎる発言だし、そんなのは二人への侮辱にしかならないだろ) #犬界主

「「本能の淀み」からお前ら『井戸カルテット』が 「いとおしさ」の残滓から『純子』が産まれたように 「命の緒が見える」という才能 ニスの眼から 「人を助けるだけの白痴」『クソニス』も産まれたわけだ」 #犬界主

…もう一つヤなことに思い当たった。これはほぼ確実なのだが、禅寺のジジイ、「その命誰のものか」問答をしてたはずだ。その問いが、人助けの才能はある、こころが死んだままの復活稀男に、「己の命は、力は、人のため、人助けのため」と思わせたのではないか。 #犬界主

平たく言えば、この人助け才能自己効力感ドリヴン合成人格、クソニス(酷い呼び方だよこれ)は、禅寺のジジイの教育の成果、薫陶の賜物だったのではないか、ということだ。 #犬界主

うーん…だとしたら、禅寺のジジイは、稀男に生きる道を示しはした訳だ。でもそれ、TODOをしてる間はいいが、それ以外の時にどうするかには全然効かんよな。現に稀男は人助けの時以外は墓地管理と生活と読書しかしてなかったし、その虚無感は稀男の人生を棒に振る恐ろしい脆弱性だった。 #犬界主

そういう意味では、個人的には禅寺のジジイに対して、稀男を救って生きる指針を示したので手放しで賞賛したい気持ちと、他の指針を示さず稀男に人生を棒に振らせたのでガン詰めしたい気持ちがある。心がふたつある~… #犬界主

「もっとも『たましい』の所有者は この俺 「無我」であって クソニスじゃない」らしいのだ。「暫定的な礎に建てられ 地震におびえる紛い物 紛い物は何十年たっても本物にはなれない だから変わらない ひとつも成長なんかするわけがない」 #犬界主

たましいの礎ではなく、人助けの能力と自己効力感と存在承認を礎にして生きていたクソニス。だが、じゃあ、そういう合成人格に、人助け(+α)以外の自由意志なんかないし、自由意志と世界の相克による人格の成長などというものはない。 #犬界主

人助けの方針を、手痛い失敗の後に弱めて、最終的には放棄してしまったが、それは成長というのか? むしろただ世界を防ぎきれずに押し流された形に見える。そういう堕落、頽落だ。それを成長とはふつう言うまい。そういうことらしいのだ。 #犬界主

「それで対応する必要のない状況下では 糸の切れた人形みたいだったのか…」「騙されてたぜぇぇ!」「なにが主人格だ!」「俺達と同レベルだったんじゃねーか!」ブースカ文句を垂れる井戸ーズ。 #犬界主

まあ、同格であるクソニスに、散々激痛を押し付けられて、クソニスは無痛で、からだの支配権も握られたままじゃあ、文句、当たり前だわなあ。何の正当性があって、自分たちにからだの支配権を握らせず、同程度のテメーがからだの支配権を握って来たんだ。というか。 #犬界主

「本人も自覚していたが クソニスの耐用年数は限界にきてたからな 七歳からの付き合いだったが 捨てることにした」…耐用年数? そんなもんがあったりするのか? #犬界主

クソニスモードのままでは、これ以上ズルズルと生き汚く生きる喜びも気合ももうなく、変わるにせよもうこれ以上放棄のしようがなく、どこにも行けないし、こころは腐って死ぬしかない。というか、別に死んでもどうだっていい。そしてそんなんで生活を維持することなどまず無理だ。的な話? #犬界主

「永きに渡りありがとうございました さようなら」ピュアたまみたいなことを言い出す本物無我。「さぁ 行くぞ ピュアと共に人生をやり直す! 正しい人間へ成長するんだ!」本物無我と井戸ーズ、手を広げて、人生再出発のポーズをとる。何なのお前ら… #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。いろいろな新事実が発覚した。が、正直、初見の時には動揺も大きかった。「何何何!? 何ソレ!? そんなんアリか!?」くらいになってましたね。

無我の中に、実は眠ってきた、真の主人格…本物無我! はーーーーー!? 何だよそれ!? マジか! 言われてみれば、いてもおかしくないんだが、このタイミングで、出て来ること、あるか!? しかも理由が、「無我はもうダメだから」!? ええーーーーー!? #犬界主

稀男の中のインナーチャイルド、『人でなしの夢』の件もあり、確かに考えない訳ではなかったが…ニスの虚弱性故に七歳に死んだ、本物のチャイルドであった稀男の主人格! それは無我(あるいは本物無我の呼び方で言うと「クソニス」)の中にずっといた! まさかこんな形で出て来るとは… #犬界主

しかも、インナーチャイルドというか、チャイルドというか、悪ガキ丸出し! ええー…確かに、本物がいて、クソニスの中で、間接的にしか育たなかったのだとしたら、そりゃあこうもなろうが、そしてそんなコイツがクソニスと比べて「本物」であることも、理屈の上では理解はできるが… #犬界主

じゃあ無理矢理背伸びしてここまで来たクソニスはどうなるんだ!? 「まがい物」として棄却されるのか? それはいくら何でもねーんじゃねーのか…そういう「本物」「まがい物」、そこまでして意味があるものか…? #犬界主

おいピュアたま。答えろよ。お前が好きな稀男は、背伸びしてまでここまでやってきた、まがい物の方の無我、クソニスじゃねーのか? それとも、運ぶ力が大事なので、クソニス無我か本物無我かは、実はどうでもいいのか? #犬界主

あと、禅寺のジジイ、まさかこんな形で、稀男、クソニス無我の物語に本質的に関わっていたとは、思いもよらなかった。「でかした!」という気持ちと、「てめえ!」という気持ちが両方湧いてきますね。立派に育てたのは確かだが、TODOがないと虚無るように育てたの、だいぶ物申したくなるぞ。 #犬界主

そして、なんと、本物無我もピュアたま信奉者であった! クソニス無我モード稀男が、ピュアたまに惹かれるのは、演技だったかもしれないが、おそらくは本物無我の気持ちも影響していたのだろう。 #犬界主

そして、このクソニス無我はもう保たない。ピュアたまにも逆らう始末だ。だから、この自分、本物無我が奪回して、強力な運ぶ力でピュアたまと並走して、ブイブイ言わせるのが最善であろう。自分の人生を、取り戻す! そのくらいのテンションだ。 #犬界主

読者としての俺は、少し前まで、井戸ーズが稀男のからだを掌握して、ピュアたまの味方に寝返ることを懸念していたはずだ。現状、事態はかなり変わったが、結果的に稀男がピュアたまの味方に寝返るリスクは、依然変わりなくそこにある。懸念、何も変わらず! #犬界主

んで、どうなるんだよ。井戸ーズかコイツが稀男のからだを掌握して、ピュアたまの味方に寝返るのか!? いずれにせよ、それ、かなり見たくない絵なんだがなあ…といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、26冊12頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、再開します。ピュアたまの夢見界の次の車両にいたのは、ピュアたまシンパの、キナモムム精神施療院長の婆さんだった。

「あぁ すごい光 どんどん強くなって…眩しくて目を開けられない 誰かぁ どなたかいませんか?」車内は特段明るくないどころか、むしろ灯が消えてて暗いのだが、妙ですね。司神マート=テミス降臨時の白い空で目が眩んだのか、それともピュアたまの翻訳された<主流>を直視したせいか? #犬界主

アスちんが声をかける。「施療院長様」「その声は…」「一度キナモムムの精神施療院でお目通りしました タロット・アスです」そうでしたね。知ってる声で安心する院長。「あぁ! はいはい 覚えてますとも 貴方もピュア様の御心へ入ることを許されたのですか? よかったですねぇ」 #犬界主

まあアスちんは勝手に入ってきちゃったんだけどな。そして、院長はピュアたまの夢見界に入った自覚がある。院長はピュアたまシンパなので、まあ嬉しいでしょうね。「あのっ 施療院長様にお願いが…」アスちん、奇妙なことを言い出す。「ハッグが亡くなりました」「え?」 #犬界主

院長とハッグ、純バンシーの婆さん同士、なんか関係があったのだろうか。単に「なんかキナモムムのアトン教団政権に対して猛烈に発言権のある、ロックヘイム的には合法の、売春業と牧畜業と医療従事者派遣(人身売買)業でブイブイ言わせている有力者」程度の認識に過ぎないのだろうか。 #犬界主

「ですから もし私が戻らない場合は バンシー達を…」その話!? しかし、「わぁいわぁい 着いた着いた 施療院長様ぁ もうすぐ終点みたいで…」発ピー状態(発狂状態だかハッピー状態だかはっきりしろ)のンチャボコ。乗客たちと違い、歩いて動けるのは立派だが、静かにしてね… #犬界主

ンチャボコ、院長とアスちんを直視する。自分を発狂させた、あの恐ろしいソロモンの影を、眩しい光の中に見る。ンチャボコ、即効で錯乱! 「ないっ! ないっ! ないっ! ないっ! ないっ!」…かわいそう。 #犬界主

そして…ンチャボコ、消滅! 「あっ 私もそろそろ起きますね」夢見界だから、起きると消えるのか。あービビった。ソロモンのことだから、ふつうにうるせーからンチャボコを抹殺したのかと思ったぞ。(ソロモンもそこまでは無法じゃないか) #犬界主

「それではまた近いうちに ピュア様の御前でお会いしましょう」アスちん、微妙な顔をする。今から自分がピュアたまを精神崩壊させるか、失敗してアスちんがいかようにでもされるのか、どちらかなのだ。じゃあ、ピュアたまの前で、アスちんと院長が再会することは、ありえないんだよな。 #犬界主

とはいえ、だったらなおさら、ピュアたまの言葉と、アスちんのお願いは、伝えておいた方がいい。「そのピュア様から貴女に言伝が」「まぁ? ピュア様が!」まあ嬉しいでしょうね。「ハッグの代わりに バンシー牧場の運営をお願いしますと」「えぇ いいですよ」快諾する院長。 #犬界主

ふと、ハッグのことを思い出すアスちん。バンシー牧場で、純バンシーの自由と尊厳を著しく損なう運営を行う、憎い敵ではあったが、それでも自分は一度はその命を救おうとしたのだ。 #犬界主

(お前にそこまでの力はないよ)ピュアたまが否定した営為。(ハッグにしか出来ませんでした)アスちんが肯定した営為。そして。そんな思い入れとは関係なく。「私でよろしければ お任せください」ハッグでない、アスちんでもない、院長が、それを引き継いでくれるという。 #犬界主

ハッグ≒バンシー牧場というイメージの強かったアスちん。これからはそうではなくなるのだ。何やら呆けたような顔になるアスちん。「アスさん…?」怪訝そうに問う院長。だが、アスちんは笑顔で答える。「いえ! 失礼しました 貴女に託します」手放す。託す。大事なことだ。 #犬界主

院長の手を握る。古巣への願いは、今、こうして託した。そして…誰もいなくなる。おそらく今目を覚ましたのだ。アスちん、もう、思い残すことはない。さあ、外へ。ホームへ出る。そして、駅表示には、「司神→終点」とある。司神降臨は終わった。遂にここが最後の工程だ。 #犬界主

ホームに待合室が立っている。…ひょっとして、ここでピュアたまが待ち受けているのか? だとしたら、決着が…近い! といったところで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。 #犬界主

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キナモムム精神施療院長の婆さん、善人ではあるのだろうが、千年王国終末思想だし、主流を見たら目が眩むし、本当に信頼できるのか? と思いますが、アスちんは託したのだ。ここは情叔父さんに対し「うおおお! 信じられん 何の保証もない」と言ってたソロモンより立派。

「到底信じられないが信じよう」「到底信じられないだろうが信じてくれ」ということができる人たち、「信じられん。何の根拠もない」となったり、永久不変の真理を求めてそれにもたれかかったりするより、はるかに立派だよ。有限の現実の人間の立場なら、これが出来なきゃ何も出来ない。 #犬界主

院長のした安請け合いは、嘘でも何でもない。むしろ、それは、今したこの約束を、将来に渡って果たそうと努力する、という、未来へのある種の約束に他ならない。じゃあ、それをした院長を、信じようではありませんか。といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、26冊18頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、再開します。ルーサーはハンバーグ先生相手にブリーフィングを行う。「使い方わかるな?」次元の指輪。

「あぁたしか…根城の入り口で」アスちんが実演したらしい。潜入前か? 「穴が開いたら塔があるから 稀男を連れて隠れとれ」次元の指輪が、ハンバーグ先生に託される。責任重大だ。ハンバーグ先生としてはさぞ迷惑であろうが… #犬界主

「最悪俺らが全滅しても なんとか出来る可能性が残ってるのは 稀男だけやからな」稀男、強運を持ち、それを扱えるほど賢く、深い付き合いの仲間にはなんだかんだいって信頼されている。「このニスがねぇ」ハンバーグ先生にとってはそうではないようだが… #犬界主

そして。ルーサー、とんでもないことを言い出す。「ほな 行ってくるわ」どこへ!? お前も逃げるんじゃないのかよ!? 「またあっしを独りにしてからに!」困り果てるハンバーグ先生に、ルーサーは言う。「アスちん独りで置いとくわけにもいかんやろ」またまた戻る気だ! #犬界主

「どーせもうやられてるでがすよ!」「東郷情起こしたら一瞬で戻って来れるから」ピュアたまが眠らせた情叔父さんを起こせば、ルーサーと一緒に球体間移動で即帰れるだろう。(ピュアたまが余程深く眠らせてなければの話だが。というか、悪夢を見ているようだが、大丈夫か?) #犬界主

「もし戻ってこなかったら?」当然の質問だ。ルーサー、一瞬の沈黙の後、ハンバーグ先生の肩を叩く。「そん時ゃお前に任せるで」もしずいぶん待ってて余程我慢できなくなったら、逃げてもしょうがないし、そこはハンバーグ先生の判断に任せる、と言っているのと事実上同じだ。 #犬界主

ルーサー、またまた走って戻る。ハンバーグ先生はもう見送ることしかできない。さて、気絶している稀男。手だけぐにぐにと動く。さっきの指ピクピクの延長か? …どうやらさっきからの動きは、本物無我がからだを動かそうと試みているからのようなのだ。 #犬界主

井戸黒も訝しむ。「なーなー まぁぁだ指しか動かせないのぉぉ?」おかしい。からだを支配しつつ、操縦はできない? 本物無我は静かに苛立っているようだ。「さすがに心停止寸前のショック状態だったからな 回復に時間がかかるんだよ」ええー? ほんとにござるかぁ? #犬界主

本物無我の苛立ちに、井戸黒、ビビる。ざぁこ! 他の井戸ーズは別のことで慌てている。「ピピっ ピュア様 大丈夫かなぁ?」「タロット・アスごときの精神攻撃に負けるわけないじゃん」今正に頂上決戦待ったなしだ。負けたら、夢見界での待機云々は全部無駄になってしまう。 #犬界主

「いやそこは信頼してんだ」井戸赤、奇妙なことを言い出す。本物無我、反応する。「信頼」という言葉が、どうやら本物無我の何らかのフックになっているようだが…「女体化だよ! タロット・アスが死んだら困るだろ」 #犬界主

井戸ーズの間でも、ピュアたまを信じるのは大前提として、ピュアたまが勝てるかは疑っていたり、勝てると信じていたり、完勝の上アスを生かして変躰を解いてくれるまで万全にやってくれるか、判断が揺れてるのか? #犬界主

あるいは、井戸赤は、アスちん「をも」信じているのか? だとしたらだいぶ揺れてるなあ。そして…本物無我、苛立ったように言う。「何が困るんだ? まだあんな奴を必要としてるのか」 #犬界主

…どうも、本物無我、クソニス無我に負けず劣らず、パワハラ気質だよな。比較的最近の流行った作品だと『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨様くらい。(酷いやつと比べてるなあ)ビビリ倒す井戸ーズ。 #犬界主

「しっ してねーよ」「変躰なんざ ピュア様に頼めば簡単に戻れるんだから」「困らん困らん」慌ててそんなことを言い出す井戸ーズ。確かにもうその手があるんだよな。とはいえ、本物無我が苛立っているのはそんなところではない。 #犬界主

「テメーら 今度歯向かったら 終わりだってわかってるよな?」心象風景の中の白い魚を踏み潰す。藍色の血潮が飛び散る。本物無我、だいぶ苛立っている。「むむっ 無我 逆らわねえよ」井戸黒、ビビリまくる。 #犬界主

「だったら 俺とピュアだけを必要としろ」本物無我にとって「信頼」ということは、ピュアたまと自分を頼らせ、他の(アスちん含む)何者をも頼らせない、という意味になるらしい。だから、揺らぐ井戸ーズにこうやって圧をかけてシメている、ということのようだ。パワハラ人心掌握! クズ! #犬界主

「してるさ おちつけよ」言い出しっぺの井戸赤、圧をかけられ、むしろドン引き。ガキかコイツ。本物無我、なおもダメ押しで圧をかける。「俺とピュアを信じろよ!」己のからだをも動かせる、力ある指を、井戸黒に向ける本物無我。「信じてるよぉぉぉ!」井戸緑もビビる。「指やめて」 #犬界主

ニコ、と笑い、手をひらひらと振る本物無我。ほっとする井戸ーズ。パワハラ野郎の人心操縦あるあるだ。う、ウゼーコイツ…! #犬界主

だが、実はそれは本物無我の不安をも現わしていた。(こいつら…気づいてやがる…………のか?)両手両足をわしゃわしゃ動かす本物無我。(いやっ! 単に未だ半信半疑なだけか) #犬界主

どうやらからだの操縦は、井戸ーズが本物無我を信じれば信じるほど通るらしい。まあ、競合しなくなるからな。理屈としては分かるが、井戸ーズに気付かれてはこれは通らなくなる。だからそこをダマテンして圧をかけている訳だ。ズル! #犬界主

「信じるなよ」本物無我の動きが止まる。「そいつとピュアが出会ったら終わりだぞ」その声の主は…「なんだお前 まだいたのか」水面から這い出して来た、クソニス無我! どういうことだ!? まだ合成人格としての意識がある!? #犬界主

クソニス無我はどうにも引っかかっていたようだ。「「無我」…始めはピュアかと思ったが 当時カナダで井戸の連中に認識ロックはかけれても 俺に召喚者ルールを見落とすよう仕掛けておくのは さすがに無理だ」ここぞというところで失敗した、痛恨のミス。なぜ失敗したか。それは。 #犬界主

「そうです 犯人は俺でしたぁ ピュアに負けてもらっては困るからな」クソニス無我の中にいた、本物無我による、誘導! (本質的にはそれも生後のソロモンの超ロングパス誘導でしょ、と言いたくなるが、本物無我は意にも介すまい) #犬界主

「酷い!」鬱で沈んでいるロッカーの中の純子、泣きながら指弾する。「あの時邪魔しなきゃ リースは死ななかったのに!」あのせいでピュアたまはあの形象素のからだになり、それがダメになったからリースの質料を奪って形相を備えて第二のからだになって、今に至るのだ。 #犬界主

本物無我は冷たく返す。「違うね 死因はコイツの愚かささ あそこで素直にピュアの手を掴んでいたら 無駄な犠牲を出さずに済んだのに」凹むクソニス無我。「お前のせいだよな 「いつだって大丈夫」のクソニス さっさと責任とって自我崩壊したらどうだ げらげらげらげらげらげらっ」 #犬界主

ヘラヘラ笑う本物無我に、純子は流石に文句の一つも言いたくなっている。「悲しくないの?」本物無我、一瞬黙る。「悲しいさ」そうなの!? 自分のガワがやったことだが、ある程度関係を結んだ相手が死ぬと、やはり人の情けとしてガッカリするのか? …じゃあ、何わろとんねんお前。 #犬界主

「だが 俺は クソニスと違って 「命」なんかを礎にしちゃいない そんなものに意味や価値はないって ピュアの話で理解したからな ちっぽけな個々の命より遥かに大きな真実 <主流>で定められた揺るがない礎 本物の信念の上に立っているのさ」 #犬界主

ピュアたまの説法、本物無我「にも」(「には」)効いたらしいのだ。自分が本物だという自負があるから、なおさらクソニス無我にデカイツラされてるし、本物の自分に気づきもしないことに苛立っていたのだろうか。「まがい物のお前らには分からんだろうが…」なんか言いたげな井戸ーズ。 #犬界主

ともあれ、本物無我、ガンギマリピュアたま信奉者ムーブだ。そして…「哀れな奴」クソニス無我はそんな本物無我を、デュラハンと同様に、軽蔑する! 他人を盲信しているやつが、いっちょ前みたいな顔をするなバーカ。とでも言わんばかりだ。 #犬界主

まだ煽る元気はあるんだよなクソニス無我。本物無我、煽り返す。「そりゃお前だよクソニス 「どこか」へ行ける最後のチャンスだったのに 蹴りかましやがって 本当に必要としてくれる 本物の人間と共に歩いて行く それのどこが間違っていたというんだ?」 #犬界主

あそこでピュアたまの手を握り返してあげられていたら、ピュアたまはきっと幸せだっただろう。クソニス無我の中の本物無我もだ。だがそれはクソニス無我には受け入れられなかったんだよなあ。あのピュアたま、正しいかもしれないがだいぶ狭い目利きで、世界を超書き換える気だったし… #犬界主

「だからリースと共に生きれば良かったのに!」純子はなおも言うが、「あんなぽんこつヒロインどーでもいいわ 盛り上がってたのお前だけじゃねーか」本物無我、バッサリ! 「ぶくぶくぶくうううう」完全に沈む純子ロッカー。(悪いけど、絵面がちょっと面白い) #犬界主

「俺とピュアの絆は お前ら弱者どもの依存関係じゃないんだよ」えーと、本物無我? お前、自分がピュアたまを信奉しているだけでは? お前「が」ちゃんとピュアたまに存在を承認されてるのか? されてなかったらただのバカだし、絆もへったくれもなくない? どうなの? #犬界主

井戸ーズ、黙る。確かに井戸ーズは弱者の依存関係を嘲笑ったが、自分たちがそう言われてはたまらない。本物無我の方はヘラヘラとさらに続ける。「認めあった強者同士の 『たましい』の繋がりなん」 #犬界主

クソニス無我、遮るように言う。「そのピュアを負かす方法が 一つだけある」…んんん? おい…? 何を思いついた…? 本物無我、黙る。「聴きたいだろ 大好きなピュアに関するお話に お前はあらがえないからな」 #犬界主

「ついでにリースも復活出来る」ええ!? そんなうまい手が!? あれか、アスちんがピュアたまを精神崩壊させて、からだをリースに戻すつもりでいるが、その延長上の話か? #犬界主

「ホント……?」完全に沈み切って無力化させていたはずの純子が反応する。(ちっ!)からだを掌握したい本物無我にとっては、競合相手が減ったと思ったのに減らなかった。邪魔なアクシデントだ。「でなきゃとっくに地震に飲まれてるからな」クソニス無我、諦めていなかった! #犬界主

「私も聴きたい!」ロッカーを蹴破り、純子、大復活! (そういや、本物無我は空きっ歯だが、こうして見ると、純子の前歯はつながってるんだね)(今そこ気付くべきところか!?) #犬界主

本物無我も覚悟を決める。「聴いてやるよ お前が最後 どんな悪あがきを企んでたか ピュアへの土産話にしてやる」それはそれとして、クソニス無我は絶対に沈めるし、その策は絶対に失敗させてやる。 #犬界主

「早く早く!」純子は俄然乗り気だ。クソニス無我は、ポカーンとしている井戸ーズの方を見る。何らかの理由で、彼らにも聴かせておくべき内容のようなのだ。なぜだろうね。「あの時…」ともあれ、クソニス無我、喋る。起死回生の一手、そのプランを。 #犬界主

「あのギリギリの勝負の中 空が白くなってから 司神が降りてくるまで 時間がひらいたのは ピュアが駆け引きで焦らしてたわけじゃない この生成世界と絶対素数胎界を繋ぐ次元経路に かなりの距離があったと考える方が自然だ」 #犬界主

あれは、司神マート=テミスの本来封印されていた絶対素数胎界から、この生成世界ロックヘイムまでの移動に、時間がかかったからだ。つまり、次元経路に何らかの距離構造が入っている。すぐに出入りできない。そしてそれはマート=テミス的にもそこそこ長いものであるらしい。 #犬界主

「なら 帰還にも長時間かかるだろう つまり司神は まだ次元経路内にいる しかも神獣を破壊して強制送還という 召喚者を介さない不完全な形だからな 引き返させる事くらいは出来るだろう」 #犬界主

…相当無茶な手を考えるなあ。「はんっ! どうやって?」本物無我は苛立っている。夢物語にしか聞こえない。「うん うん」純子は乗り気だ。話の続きを聴かせてほしい。続きは。「ハッグの神獣石を使って…」…司神アポピス=オピオンの神獣石を、そうやって使うの!? #犬界主


確かに司神は己の仔であり手足である四大神獣の呼びかけ「には」応えるのだ。とにかく神獣石と手続きを組み合わせれば、司神召喚準備態勢に移行する。「再び空を白くさせる 思い違いをさせて再召喚する」クソニス無我、とにかくこれになれば、来る、と踏んでいるようだ。 #犬界主

「応じるわけないだろ」「応じるさ 俺が法則を決めようとした時も反応したし この降臨方法は物理法則のように厳密ってわけじゃない」司神マート=テミスの四大神獣は、召喚者ではない稀男の法則制定を聞いた「後で」、資格がないと判断して、親に伝えず、去って行った。 #犬界主

今度は間違いなく自分が召喚者だ。「その時召喚者はピュアじゃなく こっちになるから…」だから、こっちの法則制定が通じる。そうか? 他所の司神の仔が伝えてくれるか、司神が果たして聴いてくれるか、だいぶ怪しいが…「なる なる」少なくとも純子は超乗り気だ。 #犬界主

本物無我には世迷い事にしか聞こえない。「駄目だっ! 駄目だっ! 一度定めた法則を取り消すことは出来ないぞ!」「だからピュアの定めた法則を書き換える 「上書き」するんだ」そうすれば、ピュアたまに制約をかけ、リースの復活を許す、新たな法則を定めることができる。 #犬界主

どうも理論上はイケそうだ。だがそれはピュアたまに、世界の書き換えを許さないほどの制約をかけるものとなるだろう。それではピュアたまの悲願は潰える。ピュアたま信奉者の本物無我にとっては、そんなのは困るんだ。「お前…そんな…思い通りに運ぶと思うのか?」 #犬界主

「運ぶさ 全てのマナを使えば出来る」「あはははは! 誰のっ? まさか「俺」のマナをっ? ドブに捨てるようなもんだな 失敗しても成功しても…」本物無我にとっては、もちろんこんなもん大迷惑だ。 #犬界主

それに、きっと稀男は、運ぶ力をコントロールする前の、ソロモンヘイムでのみ命と心の緒が見える、銃が上手くて小狡く立ち回れるだけの、ただの虚弱体質半妖魔人間に戻ってしまう。だが、クソニス無我にとっては、運ぶ力ではなく、命の緒が礎なのだ。慣れたものだ。別段そこは困らない。 #犬界主

「再召喚に必要なハッグの神獣石は そこの大先生が拾って持ってる」うわっ! 世界転覆級の厄ネタだが、お宝なのは確かなんで、探して拾ってガメてやがった! さすがハンバーグ先生。「開け」「開け」…もう逃げたいが、やはり次元の指輪が動作せず、逃げられないようだ。かわいそう。 #犬界主

「どうだ純子」「いいね! いいね! それでいきまっしょ!」純子はこの話に乗る気だ。が、「キャッ?」水面に沈み、溺れる。本物無我が空けた穴。メチャクチャブチグレ顔の本物無我。これをされたら、ピュアたまにとっても、自分にとっても、かなり困ることは理解したようだ。 #犬界主

「もういい 話は終わりだ こいつら ピュアの想いを 何だと思ってやがる」…そりゃあ狭い視野での世界書き換えでしょう。大迷惑ですよ。「そのクソもバラして完全に沈めとけ」井戸ーズに命じる本物無我。群がる井戸ーズ。言うとおりにする気だ。ヤバイ! #犬界主

「騙されるな お前らも用済みだぞ」井戸ーズは動じない。「用済みはてめーだけだよ」「おおっ 俺達はちゃんと密約交わしたもんね」しかし、クソニス無我も動じない。「その密約時に そこの無我はいなかったろ?」 #犬界主

言われてみればそうである。今や本物無我のペースになっているが、本物無我が井戸ーズの密約を特段尊重してくれるとは思えない。「切り替わった未来を想像してみろ 無我とピュアの 麗しい純粋世界に立つ 醜いまがい物の姿を」 #犬界主

な なにーーっ!! こ これは……!? さっきまで囲んでいたテーブルは? 青空の下、正装した井戸ーズたちが、キィキィ喚いている姿が見える。「こいつらまだ要るのか?」「稀男くんはどうなの?」「俺は要らなーい」「じゃあピュアも要らなーい」…そうなるよな。目に見えるようだ。 #犬界主

本物無我、気付く。「「まがい物」どもが」縁から這い上がれないクソニス無我。本物無我の命令を拒み、立ち向かい抵抗の意志を示す井戸ーズ。「「本物」に勝てると思っているのか」目に凶暴な光を宿し…構える本物無我! #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。本物無我、言うてはなんだが、存在級位、低…! 根っこが子供で、別段成長もしてこなかったせいか? 「選ばれた賢い」「純粋な子供だけの世界」の子供たちとさして変わらんぞオイ。

あと、最終的に井戸ーズが本物無我を裏切ったのも、突き詰めればピュアたまの純粋さ、即ち狭量さによるものだ。そこは本当に、「お前のようなユニークな存在を許容しておる」ソロモンより、だいぶ厳しい気分にさせられる。(デカトンが出歩く世界はもちろん最悪だが、それはそれとして、だ) #犬界主

というか、あの本当に困った暴君の爺様であるソロモンの存在級位が、本当に困った独裁者の良い子であるピュアたまの存在級位と比較して、相対的に不当に上がっていくの、困惑を禁じえない。人格最悪なのに、王様としては度量がある分、民としては助かるんだよな。いや暴君だけど… #犬界主

あと、ぶっちゃけ、「本物」がどうのこうのというのが、本物無我という形で顕れても、「そんな本物、大したものに見えないが…?」という感情をどうすることもできない。それとも、本物を人の手で実現するための主流の話なのに、ただの本物だっただけの者が偉そうな面してるのが変なのか? #犬界主

そもそも、本物無我は本物稀男じゃあないんだよなあ。凡蔵父母にとっては、そして戸籍上も、取り替えられてどっか(キナモムム?)にいる子の方が本物なのであって。だから、ますます、運ぶ力の真の胎界主(もちぬし)なのは分かるんだが、だから何やねん、という気分になっちゃうんだよな。 #犬界主

とはいえ、運ぶ力の真の胎界主だ。合成人格たちが立ち向かっても、同根の存在だ。果たして本物無我に逆らえるのか? そして、稀男の奇抜な案、ながいけん『第三世界の長井』でいうところのエクリチュール・アンカー上書き案は、実現するのか? 成功するのか? 果たしてリースは助かるのか? #犬界主

といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、27冊4頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、再開します。待合室に入るアスちん。ここがピュアたまの考える、主流の終点。重要な場所。ひょっとして、何らかの秘密が隠されているのではないか。

アスちんの魔法則。「セシャト=ムネモシュネの名において 『ピュア・アイソーポス』の秘された3つ目の真の名を 『記す力』にて明らかにせよ」殺技軍団員のコィウツはんもこれの使い手だった。真の名を手に入れることができる、重要な力だ。 #犬界主

もしここに隠されている秘密が、例えばピュアたまの真名とかだったとしたら、これを手に入れるのには大きな効き目がある。精神攻撃はこの先大幅に楽になるだろうし、もちろん禁忌魔法則にもつなげられる。重要な足がかりだ。 #犬界主

テーブルの上に、びっくり箱が出る。アスちん、驚かない。慣れた様子だ。中からばね仕掛けのピエロめいたピュアたま人形が出て来る。どうやらアスちんの使う記す力の魔法則は、びっくり箱からばね人形を生やして喋らせるものらしい。 #犬界主

しかし…ばね人形は、ピュアたまの真の名ではなく、どうにも奇妙なことを口走る。「きゅ…宮殿が完成した」宮殿…? んんん!? 「何かが変わるかと あえて人力のみで築き上げたが 何も変わらぬ」…これは、ピュアたまでなく、ソロモンについての情報開示であるように聞こえるが…? #犬界主

「輝かしい だがすでに見飽きた風景だ 冷えた宮殿の底で 変わらぬ風景を見ている 計画はいつも予想通り 何を得ても喜びは一瞬で掻き消えてしまう もうどんな夢も野心も抱けぬ 快楽の刺激も幸福感も 日に日に摩耗していくのが分かる 昨日と今日の区別がつかぬ」 #犬界主

数々のプロジェクトを立ち上げ、達成させてきた、偉大な胎界主、ソロモン。しかし、彼の創るものは、宮殿とか、そういうデカイだけの下らないものだった。新しい何か素晴らしいものを創るということが、彼にはどうやらできなかったらしい。(アスちんを除いて) #犬界主

「ここから抜け出すには もう全てを捨てるしか道は無いのか? だが捨ててなんになる 周りの者共と同じになるだけだ 王を畏れ羨む凡夫ども 妻も息子も反応が同じ 全部同じ こいつらはモノよ 動物よ この宮殿の中で人間はワシ一人だ」 #犬界主

ソロモンにとっては、自分の胎界の中は、よほどつまらなかったらしいのだ。何も新しいことがない。下らない。その心境は、読者の俺には、まあ分かる。が、アスちんには訳が分からない。黙ったばね人形相手に、焦れて急かす。「コラッ 真の名は?」ばね人形はひび割れる。「あっ」 #犬界主

「あっあっあっ」崩れ去るばね人形。ピュアたまは、記す力が機能を全うする前に、ハッキングして、媒介であるびっくり箱を壊したようなのだ。挙句、アスちんの後ろのソロモンを皮肉る始末だ(こいつ…)もっとも、アスちんには訳が分からない。じゃー開示しても意味ねーなこれ。 #犬界主

もちろん、アスちん、もう一回記す力の魔法則をやってみる余裕はもうない。直接対決、待ったなし! 「笑ったよ お陰で 沈んだ気持ちが 少しは晴れたかな 今の下らない詩に比べたら さっきの「寓話」は本物だ」 #犬界主

誰にも理解されず、信じて欲しい相手に理解されつつも拒まれ、放逐され、復帰の際に犠牲者を出した。沈んでいたピュアたまだったが、勇君の小噺は、憂さを晴らすだけの素晴らしいものだったらしい。そういう意味では、まあまあの、大したやつだ、ってことになるんだよな。勇君。 #犬界主

というか、面白い話が大好きな少年の面白ネタ集を、ソロモンの老境の繰り言と比べちゃいかんよな。そりゃあソロモンの詩はさぞ下らなく聞こえることだろう。切々としたものはあるが、瑞々しさには乏しい話でしょうね。 #犬界主

短パン車掌服のピュアたま(癖!!!)立つ! 「『魚成勇』くん……か 天才だね 本当に笑えた」アスちんの欺罔行為(というか鮒寿司先生の偶然のミス)にも関わらず、真名、バレてる。あーあだよ。「だけどもう同じ手は…」 #犬界主

…ピュアたま、半笑いだ。アスちんも半笑いだ。うん。2人とも分かっている。依然として、勇君の小噺、有効! 「ももっ もうダメだって! その手は…」「通じますよピュア いえ『イソップ』 お前は寓話の誘惑からは逃れられない!」 #犬界主

「いや だからこれは寓話じゃないって」…これは…次の小噺を仕掛けているのか? そしてピュアたまはわざわざこれを読んでいる? 好奇心、ピュアたまを殺す! 「かっ 覚悟はいいですか」ピュアたま、うずうずしてる。おめーよう… #犬界主

「オチはこれです」2人してバカみたいに吹き出す。「あははははははは」ジャリボーイたちがじゃれ合っているようにしか見えない。世界を賭けた頂上決戦の有様か? これが… #犬界主

…次の瞬間、ピュアたま、白亜紀にいた。『この時より6500万年たてば現在時間に戻れます』…かかった! うおお!? マジかよ!? …ここで、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。

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ピュアたま、幾何学的には超強いが、太陽と北風めいた精神攻撃には、飛んで火に入る夏の虫くらい弱い…! と言いたくなるが、むしろピュアたまを快楽堕ちさせられるほど面白い小噺が作れる勇君が天才なのだ。そう褒めたいところだ。スゲェぜ勇君! #犬界主

あと、ソロモンのことを考えると、本当に切なくなるんだよな。誰にも理解してもらえない。というか、誰も信じてないから、理解されるという期待は端から諦めている。操縦する端末か、道具か、障害物としか思っていない。ピュアたまとは別の意味合いで、不毛〜… #犬界主

ピュアたまとしては、スカムクソジジイであるソロモンに半自動操縦されているアスちんを哀れむ気持ちも、ソロモンを皮肉る気持ちもあるのだろうが、アスちんには分からないからね。しょうがないね…といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、27冊13頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、再開します。稀男精神世界、本物無我によって、大穴が空き、大渦を巻き始める。クソニス無我、井戸ーズ、呑まれる!
「おいクソニス! ちゃんと勝算あんだろうな?」井戸赤がクソニス無我に文句を言う。クソニス無我は…純子を見ている。(おいおい さっさと上がれよ さっきの元気はどうした……?)純子に立ち上がってもらい、リースのために超頑張らせて、本物無我と拮抗させたいのか? #犬界主

純子、表情に元気がない。(諦めかけてんのか…? 思ったより信頼されてなかったとは…ムリもないが…)純子はチャランポランを気取るクソニス無我を軽蔑してるだろうし、その突飛な案も、この苦境を前に、呑まれようとしている。たとえ諦められてたとしてもしょうがないやつでしょう。 #犬界主

「よっ よく聴け無我 「アレ」が何者だったかは分からん おおかたベールゼブブ関係の悪魔だろうが」凡蔵稀男が赤ん坊のころ、そいつ(正体はソロモンだが)に認識ロックをかけられ、無意識に埋め込まれていた言葉。「ピュアのもとまで運べ」 #犬界主

「赤ん坊だったお前は哀れにも その言葉に乗せられて ピュアを『たましい』の礎にしたんだ <主流>を見たからじゃない 自由意志なんかじゃない 信じこむよう設定されただけなんだよ」残念ながら、真実はそういうことだ。本物無我も手駒でしかない。(ソロモンは知りすらしないだろうが) #犬界主

本物無我にとっては、まあ愉快ならざる話だろう。クソニス無我を踏みつけにしようとする。「ペラペラとよく歌うねぇ!」しかし…井戸赤のゴツイ手に阻まれる。黙って滅ぼされるのではなく、あえて逆らう気か。ウゼー。と言わんばかりの顔をする本物無我。やんのかコラ。 #犬界主

「道理で本来なら鼻で笑う 野郎の言う事成す事が 神経に触るわけだ」なぜこうなるのか。赤子の頃に自分を方向づけた、あの何者かによって、深層意識に楔が打ち込まれていた。 #犬界主

つまり? 「深層意識に潜む敗因…その呪縛を解かないかぎり ピュアには勝てない」端的には、楔を打ち込まれた深層意識を、丸ごとパージしなければならない。 #犬界主

そして、深層意識は、本物無我は、のこのこと自分から脱皮して生えてきた。というか、クソニス無我にとっては、楔をパージして、解放される必要があった。逆に言えば、これは、「だから無我 脱いだのはお前じゃない 俺がお前を脱いだんだよ」クソニス無我が、本物無我を、棄てたのだ! #犬界主

だが…本物無我は全く動じない。ソロモンが自分を呪縛的に方向づけているから、自分が自由意志で主流を選んだ訳ではない? 「あーそうなの」だから何やねん。そうやって主従をひっくり返してみせたとして、自分を動揺させるには足りない。趨勢は既に決しつつある。ひっくり返らない。 #犬界主

どのみち、今にも滅びそうなやつが、一発逆転を狙って何か言ってるのだ。それが真実だかどうだか分からないが、この流れでそういう言葉に耳を傾けさせようという時点で、そもそも聴くに値しないんだよな。脅しに見せかけて懇願する、デカトンの前のソロモンのムーブと、さして変わらん。 #犬界主

井戸ーズは困り果てている。逆転、成らず! 何やねん。クソニス無我は引き続き純子を見ている。いい加減立ち直ってくれ。だが…「やばいな純子のやつ…思った以上にダメージ受けてたのか……」本物無我も純子の方を見る。「やっぱりさっきのは空元気だったようだな」 #犬界主

追い打ち。「無理ないか お前らの「礎」はぶっ壊れちまったもんな!」その言葉で、純子の心がヘナヘナになってしまう。ヒデー。「リースを助ける」空元気をさらに振り絞る純子。だが、本物無我は今や純子を完全にへし折りにかかっている。 #犬界主

「無理無理! 俺からマナを奪うことすら不可能なのに いくつ関門があると思ってんだ? そもそもクソニスのデタラメプラン 純子チャンだってホントは信じてないんだろ」ますますヘナヘナになる純子。アカン流れだ。 #犬界主

しかし、クソニス無我はなおも、みっともなくもしぶとく、食い下がる! 「だっ 騙されるな こいつも幾つも嘘をついてるぞ 肉体が動かせないのは ショック状態だからじゃない 無我にも無理なんだ」…おお!? #犬界主

「いいや! 時間の問題さ 『たましい』は俺にあるんだ 一人でも歩いて行ける」本物無我には自信があるようだが、「行けるわけがない」クソニス無我も、本物無我がダメだという自信がある。なぜなら、「お前はまだ 誰からも 存在承認を得ていない どこにもいないんだ」…おおお!? #犬界主

凡蔵夫妻は、自分の義理の息子は死んだと思っている。つまり? 本物無我の存在承認、ほぼゼロ、ということだ。「なるほど だからぁぁ」「ピュピュ ピュアに会わない限り」「その『たましい』から認識されない限り」「終わりじゃないわけか!」 #犬界主

…おう。マジか…やっぱり、本物無我、ピュアたまに認識されてないのに、存在を承認されてないのに、あんなピュアたま信奉者喋り場を延々とやっていたのか? ただのバカだし、絆もへったくれもなくないじゃん。バーーーーーカ! #犬界主

「ハハッ やっぱりクソニスにはバレてたか そうだよ 俺にもまだ凡蔵稀男の肉体は動かせない ここを出ることさえできない さらに白状しちゃうと パワーもこれが限界でしたぁー」本物無我、テメー、何さっきまでハッタリかましてやがってたんだコイツ。いんちき! #犬界主

本物かもしれないが、客観的には無に等しい。人の目の前でそれなりに振舞っていたクソニス無我よりさらに無に近い。たましい以外の、己の存在を保証する礎が、お外にない。存在としてはメチャクチャ不安定、ということになる。「つまりお互い 手詰まりってわけ」 #犬界主

だが。本物無我は、既に別の解法を思いついていた。「…なわけねーだろ さっさとこうすりゃよかったのに 思いつきもしなかったのは 「運ぶ」ことに囚われてたんだよな」存在していないに等しい本物無我のこころでは、からだもたましいも、運ぶ力も、どうにもならない。じゃあどうする? #犬界主

クソニス無我、察する。「やばいぞこりゃ」井戸赤は分からない。「何を…?」本物無我の次の一手とは…「ピュアァァ! 来てくれ 夢想胎界経由でここまで逢いに来てくれ すでにこころの扉は開いている 直接その『たましい』で 俺を見てくれぇ」…ピュアたまに頼る! そう来るか… #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。本物無我、思ったより弱い。というか、そもそも、たましいの支配権はあっても、お外に存在できていないし、存在していると認められていないから、クソニス無我に比べて、相対的に、弱い! 何ソレ~。

それと結局、本物無我、ピュアたまとも一切面識がなかったようなのだ。じゃあさっきからの夢主ドリーム全開怪文書朗読会は何だったんですか? ホンマコイツよー。 #犬界主

とはいえ、実際にピュアたまに見てもらえば、実際に面識が得られるし、存在承認を得られるし、からだもたましいも運ぶ力も掌握できる。というプランは、実際に在り得る話だ。確かにピュアたまの目には、井戸ーズよりは正当な交渉相手に見えるだろうしな。 #犬界主

さて、これからどうなるんだ? ピュアたまは応じるのか? といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、27冊22頁以降、稀男内部人格争奪戦編とでも呼ぶべきパート、再開します。本物無我の叫びも空しく、ピュアたまは主観的には白亜紀に囚われていて、帰って来れなくなっている。よだれを垂らしてダウン。マジか…

アスちんは呟く。「ありがとう 魚成勇 貴方のお陰で勝てました」友情パワーで勝ったような言い方(やめなさい)さてどうするか。リースを復元させる為には? 「私がこの 『象る力』を奪い取って……」ソロモンが滲み出て来る。そうだね。ほしいよね。だが、 #犬界主

「……奪う?」アスちんはソロモンが認識できない。自分にそんな、象る力を簒奪できるとは、発想の外にある。「いやいや それより再度 真の名を吐かせてピュアを縛った方が現実的ですね…」もう一度びっくり箱をやる気だ。気絶している間なら、今度こそイケるだろう。 #犬界主

そこへ、奇妙なか細い声が。「ピュアァァ! 来てくれ」アスちんは驚く。「稀男?」本物無我の声なのだが、アスちんに分かる訳がない。「夢想胎界経由で…ここまで…逢いに…」本物無我の声が届いた。じゃあ、ピュアたまも同じように声を返せるだろう。ピュアたまが健在なら。 #犬界主

振り向くと、ピュアたま…復帰! 「そんな…ありえない」アスちん、またしても勝てない。「何にでも成れると言っただろ 主観時間を とても寿命の永い生物 何億年と生きているネプリに成って やり過ごしてきたよ」何でもありか。アスちん、途方に暮れているようだが… #犬界主
(とでも言っておけば タロット・アスは納得するとして……)ちょっと待てや。どういうことだ。ブラフか。じゃあどうやって戻って来た? ガチで6500万年耐えたの? 違うの? (慎重だな 何度誘っても引っかからない)ピュアたまはアスちんを見ていない。背後のソロモンを視ている。 #犬界主

(「歪み」を最小限に抑えるために タロット・アス経由でピュアの全てを奪いたいのもあるだろうが おそらく「穴」の大きさから デコイだと見抜かれている 抜け殻に封じる策が通じないとなると…) #犬界主

…どうやら、この、夢見界の中で動くピュアたま、ピュアたまのこころの断片の窓口に過ぎず、機能も少ないようだ。白亜紀送りになったピュアたまは、ピュアたまのこころの断片のごく一部に過ぎない。そして今、別の部分を代入している。そういうことのようだ。 #犬界主

ソロモンが入って来たらこの抜け殻に封じてパージして手も足も出ない状態にまで無力化する。それがピュアたまの作戦のようだ。しかしそれはもうソロモンに罠だと勘付かれている。やはり、罠もへったくれもない正面衝突が避けられないだろう。無事では済むまい。ピュアたまも、ソロモンも。 #犬界主

そして、ソロモンのたかが端末のアスちんは、まあおよそ酷いことになろう。(アス……残念だが お前を助けることは出来ないだろう)昔の知り合いで、良い子だったが、作戦のため、価値観の相違のため、自分とは相容れなかった。それでも良い子だったのだ。共に行ければ良かったのだがな。 #犬界主

アスちんがついてこない主流。びっくりするくらい誰ものってこなかった。私情としては辛いものがある。とはいえ、やらん訳がないのだし、ついていきたい者を連れていくのは既定路線だ。何も変わらない。 #犬界主

そして、ついていきたい奴の声が届いた。稀男だが、実際にはクソニス無我ではないこの声。果たしてピュアたまには識別できているのだろうか。できていてもできていなくてもおかしくないが、ともあれ、「待ってて稀男くん ここを片付けたら 君に逢いに行くよ」戦闘継続! #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。ピュアたま、自分のこころを小出しにして、ソロモンを釣ろうとしている。これなら全体へのダメージはほぼない。しかし、そろそろこの手は効かない。ソロモンにもバレているようだし…

今まではアスちんに手加減して来た。だが、今からそうではなくなる。激突が予想されるが…どうなる!? といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、27冊27頁以降、稀男内部人格争奪戦編、最終パート、再開します。本物無我、ピュアたまを呼ぶ。実際にはピュアたまは、アスちんとその背後のソロモンをどうにかしたら接触しに来るはずだ。それまでにクソニス無我たちは何とかせねばならん。

クソニス無我にとっては、頼みの綱は、運ぶ力が使えて、自分と違ってヤングで元気な純子らしいのだが、どうもダメそうだ。(決行時期を逃したか…)彼女の周りの四葉のクローバー、枯れつつある。運ぶ力も、元気も、だいぶ怪しい。 #犬界主

だが…純子、枯れていないよつばのクローバーを掴む。まだ諦めてはいない。安堵するクソニス無我。そして、考える。まだ案があるというのか? 井戸ーズに語りかける。「ここまで追い込まれて ようやく本心から俺を必要としてるなら 助けることができる」…ホントかよオイ。 #犬界主

「何故無我が 要らないはずのお前らを残していたと思う」「…?」確かにそこは不思議だ。「何故奴が クソニスは脆弱だと 長々聴かせたか いかに自分が強大だと ペラペラ歌い続けたか 「パワーもこれが限界」なんて嘘まで付いて 本気で沈めようとしないのは」…嘘なの!? #犬界主

「そして何故俺は 呑気に説明セリフを喋るのか」…まだ勝機があるらしい。「これは単純な多数決の勝負だからさ」「?」…数。何の? 誰の? 合成人格たちの? 何に対する? #犬界主

「誰からも存在承認を得ていないって言ったろ ここに独りもいなくなったら 誰がこいつを「見る」んだ? なんにも出来ない 赤ん坊以下の無我を 俺だと勘違いして イメージを投影したのは 形を与えたのは いったいどこのママどもだ?」…あっ。そういうこと!? #犬界主

潜むたましいだけでなく、顕れる存在承認を得るために、本物無我は井戸ーズを残しているのだ。井戸ーズが本物無我を本物だと信じ込むことが、この場での本物無我の力の源になっていた。だから本物無我は今この場でブイブイ言わせているし、クソニス無我は弱ってるという訳だ。 #犬界主

つまり? ピュアに存在承認されるまで、完全にからだを掌握するまで、本物無我は実はこれに頼らざるを得ないのだ。それが本物無我の弱みだった。これがなかったら、本物無我は、赤ん坊に毛が生えたような、客観的には無に等しい、マジで脆弱な存在に過ぎない。ズル! いんちき! #犬界主

逆に、こうなったらもう対策も明らかだ。何が本物無我やねん、と存在承認を蹴っ飛ばせばいいのだ。「おい無我 お前にもチャックがあるぞ」「えぇー?」突飛なことを言うクソニス無我に、本物無我は後頭部に手を伸ばす。が…すぐに鼻で笑う。「あるわけないだろ」 #犬界主

「あるよ!」純子、話を理解したらしい。這い上がる! 叫ぶ! 「チャックが見える」本物無我、険しい顔になる。「チャックがある」「あぁ! あるぜ」「あるうううう」「あぶぶっ」井戸ーズも乗る! 本物無我、怯える。まさか、本当に、自分の後頭部にチャックが? いや、それより… #犬界主

「何も創れない無我に」何らかの詠唱を始めるクソニス無我。マナを言葉で扱う、ある種の魔法則を、稀男は世界の秘密のマニュアル本『ソロモンの鍵』で扱えるようになったのだった。その力を…自分自身である、本物無我に行使せんとする! #犬界主

そして…他の合成人格たちを見る。皆で本物無我の存在承認を剥がしていけばいいのだった。つまり…合唱! 「何も創れない無我に」純子、続く。「何も創れない無我に」井戸ーズも!「なっ なぁんにも創れない無我にぃぃ」…本物無我、これを脅威だと認めたようだ。 #犬界主

「何も創れない無我に手は無く」そうだ。たましいはあるが、客観的には存在承認されていない、無に等しい本物無我。何も創れない。「沈めっ」本物無我、戦闘モード! 手で構える! 「何も創れない無我に 手は無くっ!」井戸ーズ、復唱! 「まがい物共」本物無我、指を差す! そして… #犬界主

…本物無我の手が、ぐにゃぐにゃになる! 効いた!? ということは…クソニス無我、追撃! 「どこにも行けない無我に 足は無く」たましいはあるが、客観的には存在承認されていない、無に等しい本物無我。どこにも行けない。「足は無くっ!」本物無我の足が、ぐにゃぐにゃになる! #犬界主

「ピュアぁぁぁ 早く来てくれ」本物無我、錯乱する。形勢逆転! というか、本物無我の存在すら危うい! 「偽りを信じる無我に 顔は無い」悪魔たちの語彙に加えての、クソニス無我のオリジナル! 「俺を助けて…!」錯乱する本物無我の、「顔は無いっ!」顔に、穴が開く! #犬界主

本物無我に、もはやクソニス無我めいた面影はない。存在承認されない! そうなると、こころの中の人格としての本物無我は、もはや己を維持できない! 「初期化するぞ 純子 そいつを上書きしろ」 #犬界主

ソロモンが従えるたましいたちに似た姿と化していく、本物無我だったもの。これが、凡蔵稀男の中の、運ぶ力の源、凡蔵稀男のたましい…! #犬界主

「『たましい』に飛び込め お前が主人格になれば リースを助けられるぞ」手塚治虫『ブッダ』のスジャータの復活エピソードめいて。稀男のたましいを、純子に掌握させる! これがクソニス無我の意図だ。 #犬界主

「そういうことか!」井戸ーズも気付く。「クソニスの野郎ォ 「無我を脱いだ」ってな 初めから勝算があった 初期化させるなんて簡単だったんだ ちゃっちゃと説明セリフを吐きかけりゃいい」クソニス無我としては、本物無我に対する必殺技は、ちゃんと用意していたのだ。が。 #犬界主

「だがそれだと元気な俺達に奪われちまう」そして、クソニス無我は、井戸ーズに凡蔵稀男のたましいとからだを与えてもしょうがないと思っている。「だから無我に足止めさせる為 俺達を追い込んで依存させる為に 苦戦したふりを…」つまり、また、井戸ーズは利用されていただけだ! #犬界主

「んもうコイツ 絶対に信じねぇ」「ぶっ殺せ」無理もない。だが、「あああ アトだ 後!」「純子に盗られちまううう」そう。純子に凡蔵稀男のたましいを掌握されたら、今度は彼らは純子の支配に甘んじねばならない。虫の居所次第では、利用価値云々ガン無視で、即沈められるだろう。 #犬界主

その純子は…未だにヘナヘナになっている。こちらも無理もない話ではある。クソニス無我は、やればできるようにしてはくれたが、やることそのものは純子本人が自分でやらなければならない。 #犬界主

もちろん代わりにやってもくれないのだ。むしろ、託された身だ。やらねばならない。やれない! 折れた心を、誰も助けられないし、助けてはくれない。そういう付き添いめいたことは、クソニス無我も長期的には今までやったことがない話だ。どうにもならない! #犬界主

井戸緑が一番先に這い上がる。「ハハハ 純子の弱体化は計算外だったみたいだな」クソニス無我はぎょっとする。それは困る! 他の井戸ーズを煽る! 「主人格は一名様限定だぞっ! 他の三人は 良くてそいつの奴隷 普通に沈められて終わりだからな!」…やっぱそう思うよなあ。 #犬界主

井戸黒の包帯に足を取られる井戸緑。「なっ? 仲間割れしてる場合じゃ…」井戸黒、嗤う。「「仲間」かなぁ」たましいとからだを奪われたら、そいつの奴隷になるか、葬られるかだ。で、井戸ーズ同士に、個々の他の井戸ーズがそんなことをしない、などという信頼などないだろう。 #犬界主

井戸赤と井戸青が喧嘩している。まあ、そうなるな。井戸ーズが仲間割れしている今がチャンスだ。クソニス無我…口だけなら、からだを掌握できるようだ。喋る! 誰に? お外のハンバーグ先生に! クソニス無我、お外の状況も同時並行的に聴いてて把握していたようなのだ。さすが。 #犬界主

「俺が…俺が間違ってた 先生が正しい 今すぐ逃げよう」ハンバーグ先生、稀男の同意が得られたので大喜び。これで晴れて逃げて良くなった! ヨシ! そこへ、「担いでくれ 身体がまだ動かないんだ 頼む じきに歩ける様になるまで……」いいぞ。自然な運び方だ。 #犬界主

井戸ーズ、主導権争いに決着をつけたい。「そうだピュアが…」「もう来れねえよぉぉ こころの扉は閉じられた」本物無我が初期化されたんだからな。今、ピュアたまを呼ぶ者も、招く者もいない。「あぁ 後で 事情説明して再契約すればいい 本物になれば受け入れてくれるだろう」 #犬界主

「それには『たましい』を手に入れなきゃ このままじゃ純子に奪われるぞ!」…純子、まだ動ける状態ではない。「まだ大丈夫だ リースの死亡ショックと 無我の暴行ダメージが相当効いてる なんも出来ん」「のは 俺達も同じだろ どーすんだよ?」「わ…わかった こうしよう」 #犬界主

井戸ーズ、お互いが信頼できないが、ともあれ仲間割れしている場合ではない。そして…奇怪な手に出る。合体! オゾイ! 「公平なる四頭体制だ」「マナも四等分してな」「凡蔵稀男の肉体は」「リョースみたいに持ち回り制でいいだろ」…アスちんの話を覚えていたのか? そこは偉いが… #犬界主

「『たましい』を吸収したら合体は解くぜ」「こんままじゃ気持ち悪ぃし」「俺だって!」「こっちこそ」「違う! 右足からだ」「たっ 倒れる」「ひっ」「左に重心とれよ」不協和音の合体井戸ーズだが…えっちらおっちら近づいていく! 「いいぞ もう一歩で 俺達の勝ちだ」マズイ! #犬界主

なんと、クソニス無我、ハンバーグ先生の耳を舐める。キショイ! ハンバーグ先生、稀男を放り投げる! 稀男のからだが転がる。合体井戸ーズ、バランスを崩す。足止めとしては分かるが、クソニス無我、何をする気だ!? #犬界主

「しまった!」合体井戸ーズ、ようやくクソニス無我がからだを部分的に動かせていることに気付く。もう本物無我による支配権は完全になくなっていたのだった。「無我の初期化と共にリセットされて とっくに『凡蔵稀男』の「肉体」は 共有常態だったんだ」そして。 #犬界主

「マナ1%使用」「「マナ」も共有!」合体井戸ーズ、戦慄! クソニス無我の仕掛けが機能するということだ。それは…! 「凡蔵稀男に死に至らないダメージを…落下先の枝で身体を貫け」 #犬界主

「「痛み」もかあああ」井戸ーズが食らわされまくっている、あの大嫌いな痛覚。合体井戸ーズも当然これを喰らうことになる。ただでは済まない。そして…クソニス無我、意外なことを言う。 #犬界主

「いけ 純子 お前の痛みは俺が引き受ける」…お前が!? 今まで絶対にやらなかったことを!? 目的はあるとしても、今まで特段親切にしてはやらなかった、純子のために!? 「ぐぎゃああああああああああ」断末魔めいた悲鳴。純子は痛くない。そして… #犬界主

まさかあのクソみたいなヘラヘラしたクソニス無我が、自分のために、文字通り捨て身の手に出て、自分を守ってくれるとは。流石に衝撃が大きい。そこまでするのか…! そして、純子、発奮する。まだ枯れていない四葉のクローバーを掴む。四葉のクローバーが、伸びる! #犬界主

そもそも下半身が破損していた純子! そりゃあ動ける訳がなかったんだよな。勇気がどうのこうの以前の問題だった。だが! 四葉のクローバーが、純子のこころを、凡蔵稀男のたましいに向けて、投げ飛ばす! そして…接触! #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。あの、圧倒的に強く見えた本物無我。しかしそれは、強く「見られていた」からだ。そこのハッタリに基づく存在承認を崩されたら、こんなにも呆気なくやられるとは…

そう、本物無我のこころ、初期化! 彼の管理から外れた凡蔵稀男のたましいが、今ここに姿を現す。そして、クソニス無我の信じ難い程の献身が、純子を奮い立たせて、今、彼女を、たましいへ導く…! といったところで、次回に続きます。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、28冊11頁以降、稀男内部人格争奪戦編、再開します。大怪我を負った稀男。と、困り果てているハンバーグ先生。「あっ あっしのせいじゃ…」そんな中、声が聞こえる。危険渦巻く、鄙の外で? 他の駆除師パーティーか? #犬界主

…違う。聞き覚えがある声。見覚えもある、意外な面子。カリテさんとオニオングさん!? オニオングさんは骸者殲滅部隊と共に鄙の外のミッションに参加したことがあるし、カリテさんは駆除ミッションにおいても元ベテランだ。やろうと思えばやれる人たちだ。 #犬界主

(うっと! 見つかったら面倒なことに……)だが、ルーサーの顔が浮かんでしまう。(顔向け出来へんやろ)顔向け。かぁ〜…結局、逃げないハンバーグ先生。らしくない行為だ。しかし、思うところがあるようなのだ。 #犬界主

「カリテさん あそこ! ドウェルグ人がいますよ!」結局、オニオングさんに見つかる。「あ~あ 見つかっちまった」諦めの混じった言い方。これで良かったのだ、と言わんばかりの。 #犬界主

「バーグさんだぁ!」「おい! アス達はどこだ?」…どうやら、カリテさんはアスちんを、オニオングさんは稀男を追ってきたようなのだ。マジか! #犬界主

骸者殲滅部隊の今回の任務は、ド本命、ピュアたまとの決着なのだ。ただ事では済まないだろうし、彼らと親しい者が知ったら、そりゃあ気になるだろう。そして、2人とも、お外でミッションができる身だ。そりゃあ追ってもおかしくないんだよな。 #犬界主

それはそれとして、ハンバーグ先生は正直に示す。木の枝に貫かれた稀男を! 「きゃあああああああああ」まあ、そうなるよな…「馬鹿ぁ!」激昂したオニオングさんに多分枯れたネプリの細長い棒で殴られるハンバーグ先生。カリテは即助けに行く。 #犬界主

そんなこったろうと思ってたが、まあこうはなりたくなかったんだよな。なってしまったハンバーグ先生は愉快ではない。「ぶっ殺すぞこのブス」「ヒドイじゃないですかぁ!」「あっしじゃねぇよ」「隠れようとしてたじゃないですかぁ!」「あっ あれはなぁ」 #犬界主

ハンバーグ先生、逃げたかったのに、気の迷いみたいに、ほんのわずかながら、ルーサーのええかっこしい「顔向け」、善行とやらを、自分もやってしまった。それでこんな風に罵られていては世話はない。やってられっか。 #犬界主

「あー もういい もうもう馬鹿馬鹿しい! 二度とやんねぇ二度とやんねぇ」気の迷いのような、善行の志、ひょっとしたらたましいの萌芽、変成の流れに、揺らぐ風のように揺られた。それで、これだ。善行に報いはないし、罰があると来た。 #犬界主

ハンバーグ先生にとっては、報い、報酬という概念は、馴染み深いものだ。そして、善因善果などという話を、別段信じてはいまい。むしろ鼻で笑っていたはずだ。そんなものはない。まして、善行、シラフでやることではない。 #犬界主

さて、それはそれとして、今ハンバーグ先生は、なんと、「やらなかった」不作為に基づくものとはいえ、ごくちっぽけな善行を成したのだ。で? 善因善果? なかったね。罰があったよね。そんなこったろうと思ったよ。 #犬界主

分かっていたはずだった。が、なおさら失望が大きい。ハンバーグ先生が、善というものへの歩み寄りを、かなぐり捨てるに足る出来事だ。「どこ行くんですか?」「逃げんだよ お前らが来れたなら安全だし」後は任せた。そして、だから、もう自分の知ったことじゃない。あかんべえ、だ。 #犬界主

「カリテさぁ~ん!」カリテさん、稀男の治療に専念している。「こっちは大丈夫 そいつ逃がさないで!」まあ、疑われるわな。「知らねー 関係ねー」「バーグさん!」蹴る! コラッ! しかし… #犬界主

「後はお前らでなんとかしろぃ」ハンバーグ先生、意外なことを、さらにする。「わっ 何ですかこれぇ?」…塔退避用の、次元の指輪! 「あっしが施す 最後の親切 もう二度とやんねぇ」召集島の稀男みたいなことを言う。 #犬界主

これがハンバーグ先生にとっては、いつもだったら絶対にやらない、特大大盤振る舞いであることはよく分かる。ただ、次元の指輪の使い方が分からないオニオングさんには、やはり訳が分からない。 #犬界主

すると。「んもー」もう一人、置いてけぼりの誰かがついてきた。「あっ こらぁ〜 危ないから付いて来ちゃダメって言ったでしょお」「アッシが案内しなきゃ 鄙から出られなかったくせに!」そう言ってオニオングさんに突っ張るドヴェルグ人。誰だ? それは… #犬界主

ハンバーグ先生、愕然とする。「おっ お前!」意外な顔もう一人。それは…「とっ 父ちゃん!」…この辺の地理に詳しい子供。ドヴェルグ人の実利優先の価値観を、反抗期故か忌み嫌う、ハンバーグ先生の息子…チズ君!? #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、一旦中断です。

ハンバーグ先生らしくない仏心と善行が、なんか何一つ上手くいってない。ここは本当にかわいそう。一応話くらいは聞いてあげようよオニオングさん…(スナックで愚にもつかない自慢話ばかり聞いてて閉口しているのだろうとは思うが)#犬界主

今までのことを考えれば、ハンバーグ先生に信頼なんかないのはもちろんだ。とはいえ、ハンバーグ先生の気持ちは、まあ分かる気がするよ。これは舌打ちの一つも出るし、二度と仏心を出さなくなるに足る、そのくらい仕打ちだ。 #犬界主

しかし、ハンバーグ先生は顔向けのためにやっていたのだ。顔向けの相手とは? そりゃあ、何よりまずは、妻子であろう。つまり、チズ君だ。答え合わせが、目の前に迫っている。果たして、息子の目からは、どう評価されるんだろうね。 #犬界主

あと、何だかんだ言って、やっぱり、オニオングさんに来てもらって、他人事ながら、メチャクチャ嬉しいんだよな。稀男が一度は振った相手だ。まさか来てくれるとは思わなかった。が、来てくれたんだよなあ。有難味が身に沁みるんだよなあ。稀男、お前、本当に大事に思われてたんだぞ… #犬界主

といったところで、次回、犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、稀男内部人格争奪戦編、最終パートに続きます。ご清聴ありがとうございました。

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』後編、28冊16頁以降、稀男内部人格争奪戦編、再開します。これがここの最終パートです。宜しくお願いします。稀男の心象風景。明るく、四葉のクローバーが生い茂り、テントウムシが舞う。今までに比べたら、だいぶ豊かな世界。

そこに…二人。草冠をかぶり、花嫁衣裳めいたものを着た、純子。そして…水面に浮いているクソニス無我。井戸ーズはいない。純子の世界には要らないし、何なら反逆しかねないから、沈められたのか? #犬界主

もちろん、本物無我もいない。そんなやつはもういない。無に等しかった存在が、存在承認を拒まれ、初期化され、真に無と化した。そして、そいつがガメていたたましいは、今やこうして、純子のものだ。まがい物が、本物に、否、「単に元々本物であっただけのもの」に、勝った! そして… #犬界主

「ホントにいいの?」「こうなる前から お前に譲り渡すつもりだったんだよ」こころとしてのクソニス無我は、もう耐用年数が限界に来ているという。凡蔵稀男として生存活動をすることすらできない、復活直後の7歳児廃人状態になる、ということなのだろうか。 #犬界主

だとしたら、そうではなく、もっと未来のある相手に、凡蔵稀男を、その人生を託したい。脳髄色恋ボケなところはあるが、ヤングで元気な純子が、一番適格だ。 #犬界主

そして、凡蔵稀男と共に生きた、あるいは生きる者達を、純子に託す。だから、リースに別れを告げたのだ。本当はそういうつもりだったのだ。丁寧に身辺処理をしたのは、クソニス無我としての自分が死ぬからだ。その、最期のお別れだったのだ。 #犬界主

後は彼女が引き継ぐ。「『凡蔵純子』さん」託された。(『凡蔵巨乳』さん呼ばわりでなくてよかったな)(そりゃあ純子の自己イメージでは別に巨乳じゃないからねえ。むしろボーイッシュなくらいだ) #犬界主

純子は笑顔で引き受ける。「わかった! 任せて 後は戻ってきた司神に さっき教えてもらった法則を言えば リースを助けられるんだよね?」法則。はて? 「…ね?」不安げな純子。そりゃそうだ。 #犬界主

で。クソニス無我、冷酷にも言う。「おそらく無理だ 助けられない」…おいィ!? 「無我にも嘲笑われた この脳天気なプランには 「ピュアの妨げ」が考慮されてない」おう。ピュアの妨げになる、法則上書きをするつもりなのだから、そりゃ当然ピュアも対抗するわな。だが、それじゃあ… #犬界主

「でもあの子が…」アスちんとの決戦。しかし、「たしかに善戦してるかもしれんが 勝てるとは思えない」実際、今、アスちんの打った手は、何度も破られている。ピュアたまは健在だ。そんなこととは知るまいが、クソニス無我には予想がつく。たぶんダメであろう。 #犬界主

「…かっ 勝たなくったって 法則が上書きされるまで隠れて…逃げ回ってればいいんでしょ?」クソニス無我はそこまでピュアたまを甘く見ていない。「奴がその気になれば このネプリごと消すことも出来るんだぞ」あいつはやるときは断固やるやつだ。思い知らされている。 #犬界主

「他にも 俺が思いつきもしない手段で 妨げられるのがオチだろな」…純子、混乱している。じゃあ、どうしろってんだよ。ピュアたまからリースを取り返すんじゃないのかよ。やっぱり無理なのか!? 「…え? 待って 私に託したんじゃないの?」勝算があるから託すんじゃないのか? #犬界主

クソニス無我、無表情で言う。「ラブ頼みでどーにかなるわけないだろ 万策尽きたから 丸投げしたんだよ 無責任となじられようが どうしようもない」う、うおお…純子としては文句があるところだろう。何だソレ。無責任! 丸投げ! いい迷惑! せめて何か活路とかないのか! #犬界主

「だからもし うまく運んだとしたら……」うまく運ぶ。いかようにして? 純子、ものすごい顔になる。風の音が通り抜けていく。そして…「そんなの……あるわけないじゃない それって私じゃなく ピュアに託したってコトじゃない!」純子、キレる! 何事!? #犬界主

クソニス無我! どういうことだ!? あの風の音の中、「うまく運ぶ」とはいかなることか、純子に説明したのか? そしてそれは、純子ではなく、ピュアたまの運ぶ力と自由意志にかかっているのか? つまり、ラスボスのピュアたまの匙加減に賭けたのか!? 挑戦者の純子ではなく!? #犬界主

純子、キレる! …が、ふと、思い直して、やめる。「それでも信じたから 浮かんで来れたんだよね」 #犬界主

ピュアたまが匙加減を都合よく傾けてくれるだろうか。純子は生還したリースを受け止められるのか。クソニス無我は、そこは「なりうる」「ピュアたまは、純子は、できる」と、かすかにでも信じたから、最期の伝言をしに来たのだ。そう、肯定的に受け止めようとする純子。 #犬界主

しかし。そうだ。クソニス無我にとっての地雷は、いくつかある。助けてと言われたら、どんだけ嫌でも、助けねばならない。そして、そういう人助けの価値を貫徹できなくなったら、価値そのものを捨てた。今や、価値そのものが、肯定的な話そのものが、煩わしい。 #犬界主

そんなご大層な話の集大成であるピュアたまのことも。そんなご大層な話をフワフワと口にする純子のことも。クソニス無我は、受け容れない! バカじゃないのお前ら。だが…お前らは勝手にしろ。俺はもういい。 #犬界主

黒い背景の中。吐き捨てるように。拒むように。そして、おそらく、分かってないやつを哀れむように。言う! 「俺は なんにも 信じて無ぇよ」 #犬界主

クソニス無我…沈む! 深く! あー、そう、じゃあ、勝手にすれば、もう知ったことじゃないわ、と言わんばかりの、冷たい目の純子に見下ろされながら。水面が…閉じる! #犬界主

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犬神工房胎界主初見実況 #犬界主 『胎界主ピュア』、後編、稀男内部人格争奪戦編、ここで終了です。人助けをやめ、実際には託し、自らは終わった。先のない根無し草となったクソニス無我は、根無し草として、意味をも価値をも本物をも主流をも拒み、己を終わらせた。…こんなのってあるか!?

価値に目覚め、裏切られ、それでも最後の親切を行い、その上で顔向けすべき我が子を前にしたハンバーグ先生。クソニス無我がたった今やったことも、ややそれに似たところがある。だが、クソニス無我は、最初から、価値を拒んで、テキパキと消えた。 #犬界主

価値が直ちに素晴らしいと言えないのは、それに影響を受けた、本物無我達、ピュアたま信奉者を見ていても、あるいはフワフワしたこと抜かす純子を見ていても分かる。そういうのが馬鹿馬鹿しいという感覚を、俺も一概には否定できないし、というか大いにもっともだと思う。 #犬界主

だが、俺はここまで拒絶を徹底できない。意味も価値も本物も主流も、それなりに素晴らしいものに感じられる。ヌルい、と言われれば返す言葉がない。それでも、それらは、素晴らしく見えるのだ。 #犬界主

そして、「素晴らしさ」とやらにたましいが震えるのが、純子の色恋(いとおしさ)とどう違うのか、くっだらねえ、と言われると、大変困ってしまう。その妥当性を、実は否定できないからだ。少なくとも、クソニス無我が、それにくだらなさと不信を覚えていても、俺は一切これを否定できない。 #犬界主

クソニス無我は、価値への反逆を、否、不信を貫いた。自分は乗れない。それに老い先も短い。知ったこっちゃない。価値とかはお前らが勝手にやってろよ。そういうことなのだと、俺は解釈した。…わかるよ。だが俺はクソニス無我みたいにはできないだろうなあ。 #犬界主

己の限界までやって、己の有限性にぶち当たった時、信じることや託すことには、相続と同じくらいには意味があるだろう。(後継に引き継ぐことが、単に創造者や支配者、要は胎界主であることより、だいぶ大事なトピックであることも、もちろん分かる) #犬界主

そしてクソニス無我にとってはそもそも「信じる」ことがもうダメだ。解釈違いだ。ここがクソニス無我の限界と言ってもいい。そして、それで結構だし、それについて外野からガタガタ利いた風な口を利かれるのは真っ平御免だ。それがたとえ、後継者である純子の口から出た言葉であろうともだ。 #犬界主

とはいえ、丸投げとはいえ、不信しかないとはいえ、それでもクソニス無我は、わざわざ身辺整理をしてから、一切合切純子に相続したんだよな。そこは間違いないのだ。その気持ちを思うと、だいぶ泣きたくなってしまうんですよ。 #犬界主

せめて俺は、クソニス無我がそういう不信を貫いて消えたことを、「お前はそうか。そうだね」と、お見送りはしたいんだよな。たとえ、その時の俺の目が、純子くらい冷たいものであったとしても。(冷たいな)(俺もそう思うよ。でも、俺は個人的には信託も相続も大事だと思うので…) #犬界主

…次回から、vs.ピュア後編とでも呼ぶべきパートになります。そろそろ、長い長い胎界主第二部も、終わりが近づいています。どう決着するのか…それでは、皆様、ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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