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読書(2022/9/16):胎界主初見実況ログ(第二部三幕)最終話『胎界主ピュア』前編2(ピュア説法続編)

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胎界主初見実況、『胎界主ピュア』、ピュア説法続編(?)、開始します。漫画で読むと正直タルいところです。ですが、話そのものは、ある種の関心を持つ人(俺)にとっては確かに「ああ、その話、アレやんけ」となるやつなので、そういう意味では個人的にはおもしれーところです。 #犬界主

カメラは根城のピュアたまに移る。ピュアたまが、稀男たちを前に、真実について口にする姿が映る。そもそも人は何で真実が知りたいのか? ピュアたまが見るに、それは正しい選択をするためだ。おおー。そこはまあ、かなりある程度は、そういうことなんだよな。 #犬界主

ふつう、未来は定まっておらず、ある程度選択で左右されるし、結果のメリットやデメリットは常にある。決められないとどうすればいいのか分からない。これはすごいストレスだ。自由意志があれば決められるのだが、それでも根拠があった方がよく、それがとても信頼できる真実ならなおよい。 #犬界主

人や(悪魔ら)神獣のこころでは、事象節に対する、予測能力も予知能力も、大して長いスパンで見られるわけではない。全部連続しているのであり、選択肢で区切れるものをはるかに超えたものである。区切ったように思うだけだ。 #犬界主

それに、完全に予測したからといって、だから何だ。何か失敗したら別の成功をもたらし、誰か生かしたら誰か殺される、とかザラにある。それらどう全部予測して責任取るの? 無理でしょ? #犬界主

それでも、指標があれば、それはたましいの、あまりにも膨大な選択肢に圧倒される自由意志の、そして選択の礎になりうる。ははあ。言ってる意味はまあ分かる。あと、<原典>は根源だが、それと同じか、匹敵するほど大事な「根」として、ピュアたまは真実というものを見ている訳だ。 #犬界主

「真実は信じる人の数だけある」というのは、真実が人に制限されているから起きる誤謬で、「盲人が象を語る」という逸話と同じだ。例えば、「生命は至上の価値だ」「命より大事な価値はある」どちらも正しい。(この手の話への受容体があるルーサー、難しい顔で聴いている) #犬界主

見えない者が捉える世界は、矛盾と混沌に満ちているだろう。「だが象はいる!」見えるものには見える、巨大な、完全な、ひとつなぎの大秘宝、上位真実が、ある! 世界の宝が! #犬界主

九時代前の大哲学者ヘーゲルは「矛盾した真理は、隠された上位真実の側面であり、上位真実を上へ上へとガンガン追求しろ」というアウフヘーベン(止揚)の技法を敷衍したが、ピュアたまはこれを「盲人が象を語る」たとえでよりエレガントに説明しているともいえる。 #犬界主

そういう意味では、そもそも稀男だって、子供を救ったり、ピュアたまと出会ったりしたときに、世界の宝、『真実』に、部分的に触れているはずだ。そして、それとの接触による、たましいが震えるような美しさの状態にも。そう、それが真実だ。というか、その片鱗だ。 #犬界主 #犬界主

ピュアたまのいう、意味と価値が分かたれていない<本物>。それはある種の純粋な力にして、法則にして、その具体的な秩序だ。そのさらなる実例として現象に翻訳され、二時代前の哲学のトレンド、構造主義めいて、言葉によって区切られた正しさ。その集積「が」、真実だ。 #犬界主

んが、真実全体はデカすぎて見えない。そりゃそうだ。そして、創造できる者、胎界主の中には、その一部を見ちゃって、たまたま自ら実現できてしまったりもする者がいる。しかし、どう具体化するか次第では、具体化されたものは意味も価値もないものになる。ピュアたまの言う、「傍流」だ。 #犬界主

意味と価値に満ちた本物を作れる胎界主だが、傍流にいたら、本物はまがい物のドブ川の中に沈むだけだ。意味と価値に満ちた本物川、「主流」があるはずだ。(ドブ川とか本物川とか言うなよな。いろんな人に迷惑がかかるんだからな) #犬界主

「真実から出発しても、それが望ましい形式の主流になるか、そうでないメチャクチャな傍流になるかは分かれる」という発想、四世代前の大哲学者、ハイデガーを思わせる。ハイデガーは「ちゃんと見えるか、目が曇るか」に焦点を置いていたが、ピュアたまは「やる」方の話も扱う訳だ。 #犬界主

主流は別に成果における成功を意味しないし、だから生体金庫攻略だって失敗するかもしれないし、ハオウ君だって死ぬかもしれない。そこはピュアたまは割合あっさりと認める。 #犬界主

だが、そもそも未だ存在していない成果の絶対性を追うために主流をやってるんじゃない。正に主流をやってること「自体」に意味や価値があることの方が大事だ。そうピュアたまは言う。うーん。価値観が俺と微妙に違う…十時代ほど前の大哲学者カントの義務論的発想… #犬界主

ピュアたまは、意味も価値もない行為で成果が得られることを夢見て頑張ることより、意味も価値もある行為をやってウォーッとなることの方が大事だと言いたげだ。せやろか。リソースが枯渇して、「次」に進めず、行き止まりになることは多々あるし、成果も報酬も生計も経営もすごく大事では? #犬界主

成功や勝利が常にある訳ではなく、失敗も犠牲も多いが、怒りも悲しみもない。ピュアたまはまだ人間にも世界にも(そして人間が世界を主流で「やる」ことについても)絶望していない。ええ…お前はともかく、多くの人には、成功も勝利も、失敗も犠牲も、意味や価値に劣らず、デカイ話だが…? #犬界主

西洋哲学のはじまり、ギリシャ哲学でいうと。存在するものの揺ぎ無い真正さ、論理や物理における「真」なる「意味」と。存在に備わる何らかの素晴らしさ、論理や物理とは違うところにある「美」や「善」としての「価値」が。共に不可分に備わっているものを、まず<本物>とする。 #犬界主

論理や物理における「真」なる「意味」だけなら、それはただのモノだ。そこから作っても、意味はあるが価値のないガラクタになるだろう。論理や物理だけの支配する世界ならそれでもいいが、人間にとってそれだけじゃダメなのは、まあそりゃそうよ。素晴らしさ、「価値」が必要だ。 #犬界主

ここで個人的に思い出したのが、世界理解の学問、哲学や、道徳倫理の学問、倫理学においては、「実践」とは「何」だと思われてきたか、ということだ。平たく言うと、単なる現実、意味の再生産に過ぎない系の実践と、何らかの価値の実現「でもある」系の実践がある。 #犬界主

倫理学は、現実の意味の再生産でありながら、何らかの価値の実現でもあるような実践を、「善き」実践として注力してきたのだ。ピュアたまの言っていることも、そういう見方で言えば分かる。つまり、再生産される現実の意味と、未来において目指すべき価値が、一体であってほしい訳だ。 #犬界主

現実の再生産のバリエーションだと、現実肯定追認系の東郷城下士どもや、現実否定改革系の東郷正義パパ上とかもある。その東郷城下士どもも、正義パパ上も、決して作中では肯定的に描かれてはいない。しかし、維持も改革も、価値とは違うが、やはり大事な話では…? #犬界主

それと、実は今までの話は「ソロモンは傍流に入って絶望して堕落した」とあてこすっているということでもある。煽る力だ。大変機嫌が悪そうなソロモン。あとルーサーにとっては退屈なパートに入りつつあるようだ。まあ、そうだろうね… #犬界主

さて、(ソロモンと違い)イエスや釈迦はちゃんと主流を翻訳してくれた。だから信者たちはついてきたのだ。でも信者たちは結局傍流のままだ。だからイエスや釈迦が死んだら教えはメチャクチャになったのだ。 #犬界主

意味と価値の分かたれていない<本物>や、その実例たる現象の言語化、<正しさ>や、その集積である<真実>や、その実現である<主流>は、傍流の信者たちによってまた言語化されて、今度は傍流で歪曲されて、どんどん残滓(カス)になっていく。宗教、アカン。 #犬界主

あるいは、クリエイターが芸術やって、崇高な体験をさせるのもいいんじゃないかな。なるほどなるほど。うっせぇわコイツ。そうやって骸者に生体金庫地獄真実演出をプロデュースしてんじゃねえ! デカトンやデュラハンやレイミア様はいいだろうが、レムレス君は死んだんだろうがよォ! #犬界主

かく言うピュアたまだって、真実を全部飲んでるわけじゃあない。それでも尻尾は掴んでるし、方位は常につかんでいる。距離は分からんが、いつだって真実に向かえる。皆で行こう。それがピュアたまの見て、信じて、彼の枠内で区切った限りの、真実の形である。 #犬界主

ピュアたまの欲望の言語化。それは、「<主流>を見失い 「傍流」で生きている人々を救いたい」人助け欲ならぬ、世界救済欲! 世界の理をもってすれば、世界だって人々だって救えるだろう。が、理は見るが人を見ないコイツの、この欲望、ヤバイし、そりゃあササヤンだって叶えてやれんよ… #犬界主

さて、話は終わった。そして…ルーサー、ピュアたまのご高説を前に、言い放つ。「ありがとうございました アンタの負けです 信じましぇぇぇぇん!」真面目なやつには、この全否定返し、ふつうは効くんだよな。だからルーサーはノー会話でこれでキメようとしている。勝率は半々だが… #犬界主

リースにはピュアたまのご高説はよく分からない。賢い子供のアスちんも「『盲人が象を語る』というのが いわゆる「還元主義では複雑系は理解出来ない」というのは分かりましたけど それ以上は眉唾ですね」と返す。「個々の正しさから真実なんか分かる訳ないわ」くらいのテンションだ。 #犬界主

ハンバーグ先生もさっさと帰りたいという。ルーサー、言い切る。「どうよっ! これがアンタが見下してる 普通のまともな人々の反応や」マジでそうで、ご高説をダイレクトに垂れたらダメなんだよ。ピュアたまにしては比喩少な目で、ガチトーンで語ったのだろうが、早口オタクの早口!!! #犬界主

「なー稀男」…どうも稀男の反応が悪い。やな予感。それを振り切って、ルーサーはさらに言う。ピュアたまのやってることは、世界や相手には意味がないと言って、自分の称する真実や本物に取り込もうとする、カルトの手法に過ぎない。 #犬界主

ピュアたまはちゃんと自分の区切った枠内の、形にした真実を語った。ルーサーはそれを絵に描いて示す(漫画だからできるやつだ)。なかなかちゃんとまとめてあり、ちゃんと話を聞いてるじゃないですかルーサー。しかもそれは批判するために距離を置いての上だ。素晴らしい。 #犬界主

こんなもん「真実は自分の神殿の宝箱の中にあるから銀行に金を振り込め」くらいデタラメじゃないか。カルトあるあるだ。ピュアたまはサクッと「違うよ それはただの妄言だから」と返すが、ルーサーに「アンタの<主流>かて妄想やんかいさ!」とカウンター返しされる。まあねえ。 #犬界主

意外にもピュアたまは「乗る」。「そうなんだよ <主流>を言葉で分けちゃうと妄言と区別がつかない」「ほな見せーや! 言葉での説明が無理なら アンタが翻訳した<主流>っての 見してみーや」そう、成果は重要だ。だがよう、ルーサー、「乗せられてる」ぞ。ピュアたまのペースだぞ。 #犬界主

「翻訳したわかりやすい奇蹟でいいのなら 近いうちに見せてあげられるだろう だがそれ以上は無理だ どんな奇蹟をもってしても 他力で凡夫の目を開かることだけは かの偉大な救世主たちですら無理だったんだから」そうかもしれないけどさ、凡夫てお前…(そういうところだぞ) #犬界主

「だから 稀に見える者がいたのなら その者と共に羊飼いを信じればいいんだよ」へらへらと言うピュアたま。ルーサー、怪訝な表情になる。ピュアたまのこれが暗に、「見えている」稀男に語り掛けていることまでは察せていないようだ。そりゃそうだろう。 #犬界主

ルーサーが見たところ、正直言って、ピュアたまは「誇大妄想にとりつかれて 普通の人生に意義を見出してないだけ」の、解像度の低いやつだ。それは本当にそうで、ピュアたまは普通の平凡な人生について、「うん つまらないからね」と言い放つ。コイツ。 #犬界主

ルーサーは正直に言う。「いやもう壮大な目的とかいらんから 好きな女の子とチュッチュして 子供やら孫ちゃんができて 美味いもん食うてお酒呑んで歌って踊れば それ以上何もいらんよ」これはまあ、ふつうはそうだよ。俺だってこれらがあったら本当に嬉しいと思うさ。 #犬界主

で、「アンタそういうの興味ないやろ?」「動物と一緒だからね」そう言うと思ったよピュアたま。「ちゃうちゃう違うって! それはなぁ『すっぱい葡萄』や 手の届かない幸せを羨んで つまらんつまらんわめいてスネとるだけや」 #犬界主

あー、ロマンティックラブイデオロギー…維持機能の内面化としては正しいが、万人がそれを持てる訳じゃないし、ないから可哀想、というのも、かなりどうかと思うのだ。少なくとも仕事の都合で処女守ることをやっているリースには、実はかなりデリカシーのない話してませんかね… #犬界主

しかし、なんかピュアたまは嬉しそうだ。いつも自分が使うイソップ寓話を、相手に返されたのが、ちょっと小気味良かったのかもしれない。とはいえ、ピュアたまは『すっぱい葡萄』より適切なたとえを始める。オリジナルの話だ。 #犬界主

花火を見ている、子供の凡蔵稀男。隣にクリム、というかロリム幼女形態がいる。『人でなしの夢』の記憶であろうか。「ひとりの幼子がオモチャを贈られ 喜びに包まれた それは本物の幸せだった」おそらく、過去にもこのような幸せな出来事が、あったりしたのであろうか。 #犬界主

子供の凡蔵稀男は、その後、何らかの理由で、死に、墓を建てられ、養父母は蒸発した。大人の凡蔵稀男が、公園墓地の自分の墓を見ている。どういうことだ? 死んだ上で、今こうして生きているのか? なぜ? イエスキリストかゾンビめいて復活したのか? #犬界主

「同じオモチャが 大人に成った幼子に贈られた しかしそれは粗末なガラクタにしか見えず 何の喜びもなかった」ある種のオトナになってしまった稀男にとっては、いとおしさだの、ロマンティックラブイデオロギーだの、普通の人生だの、粗末なガラクタにしか見えない、と言わんばかりだ。 #犬界主

ルーサーには分からない。「子供の「幸せコスパ」は最高ってことやね ほんで? だからなによ」こういう翻訳しかできていない。ピュアたまはさらに、その葡萄は美味しそうだが、美味しいかどうかすら保証されていないのであり、美味しいと断言するのもおかしな話だ、と言い放つ。 #犬界主

当然、ルーサーは普通の幸せが美味しいと思っているのであって、すっぱいなどとは欠片も思っていない。ルーサーに対して、この手の説得、通じる訳がない。が…リースの様子がおかしい。どうした? ともあれ、どうもピュアたま的には、ルーサーは「乗り換え」ることができなかったらしい。 #犬界主

ピュアたまは稀男に語り掛ける。リース、震える。リースの様子がおかしいのは稀男絡みらしいが…「真実は「答え」じゃない 真理や原理を求め言葉で得たとしても それは単なる「理」だ 真実とは真の現実 「実」だよ」あくまで、正しさの集積の真実は、主流として「実現されてこそ」だ! #犬界主

「自分を投じて実践することだ 理解はしても信じてなければ 真実にはならない 恐れる事は無い ピュアと共に信じてごらん」三時代前の大哲学者、サルトルの実存主義における、「自分が世界に向かって、他人事でないように参加していきましょう」思想、『参加』(アンガージュマン)! #犬界主

稀男は…ピュアたまの元に歩み寄る。あっ…様子がおかしいのは、リースではなく、稀男!? ピュアたまの説法、稀男にはちゃんと効いているのか!? だからリースはこれを察して震えたのか!? このままでは、稀男、ピュアたまについてしまう。骸者殲滅部隊を置いて。ええー…!? #犬界主

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胎界主初見実況、『胎界主ピュア』ピュア説法続編、中断。ある意味で分かりやすく説明してあることは、まあ分かるんですよ。哲学の先行研究があるから、それに則って、近似的に読み解ける。ギリシャ哲学、カント、ヘーゲル、ハイデガー、サルトル、構造主義。 #犬界主

だけどさあ、漫画として読んでたら哲学書を言葉で区切りやすく分節して投げつけられてもさあ、聴く気のある人や問題を抱えている人ならいいけど、そうじゃなかったら「何の何の何!?」としかならねーよ。ふつうはそんな話、興味ねーじゃん。ビビるわ。 #犬界主

ピュアたまの世界観、「意味と価値が一致した、力にして法則、<本物>」→「法則的秩序」→「実例としての正しい諸現象」→「それを言葉によって区切ったものとしての「正しさ」」→「その集積としての「真実」」→「それを人が正しく再現する<主流>」ということのようだ。 #犬界主

どうもここには「<原典>→たましい→自由意志→選択」の話はないというか、選択のサブシステムとして考えられたものとして聞こえる。選択はおっかないことだ。だが、<主流>において行われる選択は、おっかなさを、悔いのなさで超えられるものだ。 #犬界主

それはいつか得られるかもしれない、今は存在しない、成果の答え合わせという話ではない。つまり、意味のある成功だけをもたらす安全牌の話をしているのではない。胎界主のモノ創りが毎回成功したとしても、残ったのは山のようなガラクタでしかないことは、山のようにある。 #犬界主

そうではなく、実践のプロセスそのものに、ちゃんと価値があることが大事だというのだ。意味があるなら意味のあるものが創れるだろうが、実現すべき価値が備わってなければ、それらは将来的にはガラクタになる。価値もあることをして創ればいい。 #犬界主

意味も価値も備わった創造をさらに一般化すると、意味も価値も備わった実践を、創造であるか否かにかかわらず、やっていくべきだ。それは、意味はあるが価値はあまりないこと、たとえば生命至上主義者めいて生きることや、ただのモノ創りより、価値がある、より素晴らしいことだろう。 #犬界主

だいたいこの辺がピュアたまの問題意識に聞こえる。そういう枠内でなら、やや分かる。ただ、「じゃあその揺ぎ無い意味や素晴らしい価値を具体的に示せ」となるんだよな。何が揺ぎ無く、何が素晴らしいのか、狭い個人的な感じ方じゃなくて、リストで寄越せ、と言いたくなる。 #犬界主

凡夫の俺としては、理屈は分かるし、評価もするが、やはり証拠がないと、「正しいが力を持たない空理空論だし、そこから生じてくるのは実際にはコイツの言う<傍流>ばかりではないのか。俺はそれに巻き込まれる、参加していく気になれないんだよな」としか言えないぞ。 #犬界主

つくづくピュアたま、世界に興味があり、その意味では目利きはだいぶあるが、人にビタイチ興味ねーんだな。それで他人に世界の真理だの、主流だの、説いて伝えられる訳ねーだろ。誰もお前を理解も信頼もしてやれねーよ。 #犬界主

世界にも人間にも絶望していない? このまま理解も信頼もされないまま悲願を果たしたら、そしてその上でなお理解と信頼もされないままだったら、ふつういずれそうなるぞ。そうなって果たしてコイツ、暴走しないのか? 本当に? そこの疑いがどうしても晴れない。 #犬界主

骸者殲滅部隊たちは敵のカルト教祖めいたこんな話にはついていけない。少なくとも、この手の話をカルト教祖が言って、納得して信じたら、それは内容の如何に関わらず、端的にカルトの布教が成ってしまった、カルト教団が強大化した、という帰結しかもたらさない。 #犬界主

だが…稀男はついていけちゃう。そしておそらくルーサーたちの提示したキャリアパスより、ピュアたまのカルト話の方が、たましいに響くものがあるのだ。おい…次回、若干の幕間、ハッグパートを挟み、後半に入ります。乞うご期待。それでは、ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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胎界主初見実況、『胎界主ピュア』、ピュア説法続編、幕間、ハッグパート、開始。さて、横にはデカトンがいる。デカトンとしてはハッグが全部神獣石をガメてピュアたまに独自交渉を始めたら困る。今までの犠牲は何だったんだ、ということでもある。見張るのは当然であろう。 #犬界主

それはそれとして、デカトン、己のハンマーをコツバーンに授け、ハッグに論功行賞を始める。「なぁハッグよ お前にもその働きに免じて特赦と褒美を授ける キナモムム全土をくれてやる」 #犬界主

骸者殲滅部隊の件で茶々を入れはしたが、それでも長年働いてきたし、こうして最後の大仕事もしているハッグ相手に、デカトンなりの大盤振る舞いだ。 #犬界主

「骸者の成るのがイヤなら そこでハオウと共に生身で暮らすが良い」ハオウ君もハッグのババアも、骸者とせず、生かして、余生を、悠々自適隠居生活を過ごさせてやるつもりだ。骸者の感覚からすれば、大層な譲歩、懐柔と言える。が… #犬界主

ハッグは笑いながら言う。「そんなことよりデュラハン様だけで大丈夫でしょうかね?」黙る一同。確かに様子はおかしいのだ。「デカトン様も付いてあげればいかがです?」デカトンは気づく。こいつ。「エエイッ! まだ出し抜こうなどと企んでおるのか?」ホンマ小賢しいなこの妖魔。 #犬界主

しかし、ハッグは言う。「誘惑あるよぉ 司神を降ろした者が「生成世界の主」になれるんだ 四大神獣の存在だって超えられるんだよ そこのスペクターがワイトを飛び越え レイスどもをアゴで使える「主」になれるんだから」 #犬界主

いきり立つコツバーンに、ハッグは畳みかける。「てなことをファントム軍なら考えてるってんだよ!」そうなんだよな。ドロクロドが描いていた絵が、正にこれだったんだから。「そんな奴らに囲まれて降臨儀式をするなんて! ここで降ろせばいいでしょう アタシら主要メンバーだけで……」 #犬界主

要は、ハッグは、司神降臨の際にファントム軍殺技軍団残党は絶対に邪魔になるから、デュラハンを呼んでこの場に戻らせて、殺技軍団残党が放置されてオロオロしているうちに、ここで自分たちだけで司神降臨させよう、という絵を示している訳だ。 #犬界主

デカトンはこれに乗る。そしてコツバーンに命令。自分たちレイス系骸者が奉じる死の司神の主神、オシリス=ハデス。その降臨のために、死の司神の陪神の陪神、ウプアウト=ヒュプノスの神獣石を使うのだった。 #犬界主

これなら一個で、死の司神の陪神、ネフテュス=ヘカテも、死の司神の主神、オシリス=ハデスも降臨させられるかもしれない。労力が一個減るな。死の司神の陪神の陪神、ウプアウト=ヒュプノスは、タロットカード『月』と、「ある」ヘブライ文字に対応している。それが神獣石に刻んであるはずだ。 #犬界主

扉が通じたら、殺技軍団残党は放置、根城から主要メンバーだけ回収(ガルゥや、うるさいのでシバいたコメカミをも回収。身内にお優しい)、ここに戻る。その間この場を任せる。コツバーンとデュラハン側近スペクター参謀本部残党、快諾! ハッグのババアはほくそ笑む。何を考えている…? #犬界主

胎界主初見実況、『胎界主ピュア』、幕間、ハッグパート、終了。ピュア説法続編、後半に入ります。よろしく。ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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胎界主初見実況、『胎界主ピュア』、ピュア説法続編、後半に入ります。さあ、稀男、ピュアたまについていかんとする。骸者殲滅部隊を置いて。これは…マズイ! #犬界主

ルーサーは混乱している。自分たちより、こんないい娘であるリースより、ピュアたまなのか!? 「ウチラのことはちっとも信じへんくせに なんでこんなぽっと出の中ボスにココロ奪われとるんよ?」まあ、そう思うだろう。でもね、 #犬界主

ピュアたま、クソデカため息をついて、ぬけぬけと言い放つ。「ピュアと稀男くんはね 君たちを信じられないと言ってるんじゃない 君らが望む未来 創りだす世界に なんの価値も意味もないと言ってるんだよ」コイツ… #犬界主

だが、稀男は実際、ロマンティックラブイデオロギーや仲間&地元最高的思想に対して、「自分の生きていける存在承認」という肯定的な受け取り方と、「今まで関係なかったし、だから俺のもんじゃない」という受け入れがたさで、二律背反的な感情がずーっとあるはずなのだ。 #犬界主

稀男には自分と、自分の中の嫌な敵対的な側面の顔と、他人と敵しかいない。仲間意識は希薄だし、パートナーシップも、最近はともかく、基本的には希薄だ。信頼関係に乏しい。 #犬界主

しかしピュアたまは胎界主でありながら「誰かに自分を理解して欲しい」「理解出来た、理解してくれた人は、かけがえのない存在である」というところがあるようだ。(そもそも、胎界主が他者を必要としない、という発想自体、井戸ーズの狭い理解に過ぎないのだけど) #犬界主

ピュアたまは、稀男に、「自分を理解できるやつかもしれない」「理解出来た、理解してくれた人は、かけがえのない存在である」という期待をかけているようなのだ。そして、稀男は実際それに共鳴している気配がある。これは…本当に稀男、ピュアたまにココロ奪われとるんでは? #犬界主

アスちんはその辺の機微が全く理解できない。そんな馬鹿な、と笑っている。ピュアたまはさらにぬけぬけと言う。「別れるのがいやなら 君たちも稀男君の後を付いてくればいいじゃないか そこのドウェルグ人は論外として 君たちは「合格」だ ピュアの世界に入っていいよ」 #犬界主

骸者殲滅部隊は、どう見てもピュアたまの言ってることが分かっていない。が、実際に価値のあることをしており、価値を毀損するような真似もしていない。だから合格。ハンバーグ先生は「価値」というより、ある意味で「意味」と区別できない、金銭的価値にしか興味がないからダメ…ってコト? #犬界主

「まがい物世界を疑いもしない 動物の様な人間に囲まれて生きてきた」直球の侮辱! リース、凹む。そう思われてたのか? それでも自分は稀男を仲間だと思っていたが、稀男にとっては違うのか!? #犬界主

「そういう人間の苦しみは 君達胎界ブツには分からないだろう」合格だろうが、胎界物扱いには何ら変わりがない! 厳しいな。在れば善いというものではないのはそうだが、善くないから侮辱するの、「別に死んでもイイ奴ら」扱いじゃないですか。 #犬界主

とはいえ、レックスやデカトンの圧迫面接に比べたら、ピュアたまとのレスポンチバトル、まるで優しい。北風と太陽ですね(図らずも)(ピュアたまとのレスポンチバトルは冬の太陽の光と同じである。それは照らしはするけど決して暖めはしない) #犬界主

アスちんはバカなので、ルーサーと違い、稀男がピュアたまに引き寄せられていることを、どうしても理解できない。むしろ、自分は稀男とやや長い付き合いであり、その関係が崩れることはないと思っている。 #犬界主

ルーサーは自分より稀男との付き合いが長いはずなのに、そこを信じられない。自分は信じられる。自分と稀男の関係の方が、ルーサーと稀男の関係より深い。自分の方がより正しく読めている。そう誤解しているようだ。ドヤ顔で。アスちん、こいつ…ルーサー、呆れる。 #犬界主

勘違い優越感テンションのまま、アスちん、ピュアたまに反撃を開始する。こういうときは、動けるバカな子供は、非常に偉い。悩んで動けないカシコな大人たちよりも、はるかに。さて、次元の指輪の通信障害、結界を張ってるのはピュアたまだろう。(大正解) #犬界主

ピュアたまとしても、ソロモンヘイム行きの動機は、先ほどなくなった。「使命を果たしたハオウに答えなくてはならない」そう、ピュアたまは、レイミア様の「遮る力」のテンションから、戦勝を悟ったのだ。おくびにも出していないが、本来の作戦が成功していたことを知っていたのだ。 #犬界主

アスちんは畳みかける。「私の方からもお断りです お前のような者を アスタロト陛下に会わせるわけにはいきません!」ピュアたまは不思議に思う。「信頼もしていない魔王への義理立てにピュアに挑むと? そうじゃないだろう」いや、アスタロトは、アスちんに相当優しかったんだよ… #犬界主

「お前はココまで来るのに費やした努力を 惜しがっているだけだ」要は、これは価値ではなく意味に囚われているだけではないのか、と言っているのだ。ふつうはそういう理解でいいだろうが、アスちんにとってはそうではない。 #犬界主

「不幸や苦しみにそれらしい意味をねつ造しても 「傍流」で重ねた労苦では「本物」になれない」アスちんはここで、「本物じゃないならいらない」と物憂げにつぶやくアスタロトのことを思い出す。アスタロトとピュアたま。もし彼らが会話したら、吉と出るか凶と出るか。微妙なところだ。 #犬界主

アスちんにとっては、ピュアたまよりアスタロト陛下との関係の方が深い。そして、アスタロト陛下だって、本物を求める、だいぶ異様な魔王である。ピュアたまはアスタロト陛下のことを知らないんじゃないのか。何も知らないのに、何を偉そうに。そのくらい思っていそうだ。 #犬界主

「ましてや「復讐」なんてまがい物の物語に 命をかける価値など無い そう学んだのではなかったのかな?」自分の中でくすぶったりしぼんだりしている復讐の念について、外野のピュアたまが、他人の中の価値観を嘲るように問う。これはいけませんよ。上から目線に過ぎる。 #犬界主

「私もルーサーのように答えられません ですがそれは心ある人間ならば口にすべき問いではないからです」立派。稀男なら「そんなのはアンタへの侮辱にしかならないだろ」とでも言うところだろう。 #犬界主

「よくできました その通り 言葉では分けられない問いには答えられない」と抜かすピュアたま。アスちんが忠誠や労苦や復讐に意味があり価値があると信じるなら(ピュアたまはそうは思わないけど)、説明抜きで正しい、としか言えまい。で、その姿勢自体は合ってるよ。と言わんばかりだ。 #犬界主

「そういう意味ではないのですが ピュア様には解らないのでしたね」自分の世界観から出ず、その他を傍流として軽視し、主流以外への解像度が低いから、アスちんの今までの経緯や心境の変化についても、ピュアたまは見ていない。そういうところだぞ。それで当事者が納得する訳がない。 #犬界主

「稀男はお前など信じていないと断言できますっ!」アスちん、訣別の宣戦布告。「そうですねリースっ!」「……稀男さんを信じます…」リースはもう少し分かっている。辛そう。「ルーサーっ!」「ノーコメンテイター」ルーサーにも分かっている。辛いね。「ハンバーグっ!」寝てる… #犬界主

ピュアたまは哄笑する。「なにがおかしいのですか?」アスちんが咎める。「誰も彼もが「信じる」「信じる」と軽々しく口にすると思ってね」嘲笑。煽る力全開。あと、ハオウ君や死の神獣たちに失礼! ホンマこいつそういうところやぞ。 #犬界主

「会話はこれでお終いだ 覚悟はいいかな 司神降臨を賭けた 最終決戦を始めるよ」骸者殲滅部隊、構える。臨戦態勢! ピュアたまも構える。そして、次の動きで…レイミア様から借りパクしていた「遮る力」を、アクセス制限を解除する! 中扉、現る! 開錠! 殺技軍団! #犬界主

…最終決戦って、骸者殲滅部隊vs.ピュアたまでなく、vs.骸者残党の三つ巴、乱戦なのかよ!? マジかよピュアたま!!?? こんなとてつもないヒキで、胎界主初見実況、『胎界主ピュア』、ピュア説法続編(?)、終わります。次回、骸者殲滅部隊vs.骸者残党編! #犬界主

ピュアたまの話は示唆に富むし、おそらくできるだけ自分の見たものの芯を取り出して、マジで説いて伝えようとしたのだと感じる。が、敵相手にやるには、どうしてもかったるい説法でもあった。それに、誠意を尽くしたとは言えるが、敬意の欠片もない。まあ、通じないよ。 #犬界主

「真正の意味と素晴らしい価値を兼ね備える、イデアめいた<本物>がある。そこから具体化された様々な正しさと、その集積であるでかい真実がある。そこから意味と価値を再生産できる主流がある。これに沿えば、自由意志の選択は、悔いのないものになる」ピュアたまはそう説く。 #犬界主

おそらくそれそのものはもっともであろう。ピュアたま(と尾籠憲一先生)、西洋哲学のある種の流れを、ちゃんと踏まえているように見える。よくここまで要約しきったな。だが、ピュアたまは傍流についての解像度は低く、ナメてもいる。傍流の人々に主流を説く気なら、そりゃキレられるよ。 #犬界主

さて、言葉はここまでだ。後は実際に生き残って証明して見せろ。耐久テスト! もちろんピュアたまもだぞ。吐いた唾吞まんとけよ。覚悟はできているんだろう。そして、骸者殲滅部隊にとっては、これが真の、骸者殲滅戦だ! 待て次回! ご清聴ありがとうございました。 #犬界主

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