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〈INTERNATIONALお茶の間ヴューイング〉マニュ・モーガン(Manu Maugain)インタヴュー【2020.2 144】

■この記事は…
2020年2月20日発刊のintoxicate 144〈お茶の間ヴューイング〉に掲載された、アコーディオニスト、マニュ・モーガンのインタビューです。


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intoxicate 144


マニュ・モーガンa


パリ発、シャンソンとフレンチポップの名曲をロマンチックなアコーディオンの調べで

interview&text:大野修平

 明るく、楽しいサウンドで元気をくれるアコーディオニスト、マニュ・モーガンの最新作は、パリのスタジオ440で録音された。「この数字はピアノのピッチから来ているんじゃないの」とインタヴューでマニュ問いかけてみたら、「そうだよ」と気さくに答えてくれた。そういえば、このアルバムには作曲・アレンジもこなすピアニストのヴァンサン・プレジオーゾが加わった。軽すぎることもなく、重厚すぎもしないピアノの音色が心地よい。


 他にもローラン・ドゥラヴォーのベース、パスカル・バジルのドラムス、ジョヴァンニ・アンゴッタのギターがアルバム全体をスウィングさせながら支えている。そして時にリリカルに、または雄弁に語りかけてくるエステラ・コリューダ = ウドのヴァイオリンが楽曲に優雅さを添える。心がうきうきするアレンジを担当したのは、アコーディオニストでもあるエリック・ブーヴェルだ。《アニー・ゼット》ではこの曲の原作者フランソワ・パリジと一緒に演奏している。


 このアルバムにはシャンソンやフレンチ・ポップスの名曲が多く収められている。氷上をスケートで滑り出すようにアダモの《サン・トワ・マミー》から始まる。フレエルの《青色のジャヴァ》。セルジュ・ゲンズブールの《ラ・ジャヴァネーズ》。リュシエンヌ・ボワイエがフランス初のディスク大賞を獲得した《聞かせてよ愛の言葉を》。シャルル・トレネが作詞・作曲して歌い、英語歌詞もつけられた《残されし恋には》。エディット・ピアフのレパートリーからは《バラ色の人生》《愛の讃歌》2 曲が選ばれた。2018 年の来日公演を終えて帰国後まもなく他界したシャルル・アズナヴールの代表曲《ラ・ボエーム》も感慨深い響きがある。


 マニュ自身が作曲した《ラブ・ドリーム・イン・パリ》を口ずさみながらパリを歩くのもいいかもしれない。彼が歌詞を書き、エリック・ブーヴェルと曲をつけた《恋するパリで会いましょう》は唯一のヴォーカル・ナンバー。エリックの妻、サンドラがパリの陽気な下町のおかみさんといった風情で歌う。


 アコーディオンを歌わせることを心得ているマニュ・モーガン。同時に楽器でリスナーの心を歌わせることにも長けている。彼は言った。「僕はアコーディオンを抱え、心臓の上に当てて弾きます。だから僕の音楽にはハートやフィーリングがこもるんですよ」。


 昨年の10 月25日、めぐろパーシモン小ホールで開催されたマニュのコンサートに集まった観客は、それを身をもって感じたに違いない。


マニュ・モーガンj

『フレンチ・カフェ・ミュージック~恋するパリで会いましょう~』
マニュ・モーガン(acc)
[RESPECT RECORD RES-320]


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