【ゲーム感想】「本当の出口がないのなら、先に進むことに何の意味があるの?」ーうつ病の部屋
はじめに
こんばんは。
かぐやです。
今回は『うつ病の部屋』というゲームの感想を書きます。
このゲームは以前、途中までやっていました。
しかし、タイトルの通り「うつ病」の話が絡み、心が重くなる場面もあるため、手を付けづらかったのです。
先日 プレイし終えたので、それを踏まえて、
このゲームがどんなゲームなのか?
プレイしてなにを感じたのか?
を書いていきます。
どんなゲーム?
『うつ病の部屋』(Room of Depression)は、2023年5月4日、Steamでリリースされたアドベンチャーゲーム。
日本語対応もしています。
さらに 2024年1月18日の大型アップデートにより、日本語版ボイスも追加されました。
また、Nintendo Switch版もリリースされています。
場面ごとにパズルなどを解きながら、うつ病に苦しむ主人公の生活を体験する というのが大まかな流れです。
プレイしてみて
※以下、『うつ病の部屋』のネタバレを含みます。
私はうつ病を経験していません。
友達や家族がそうだったわけでもありません。
それを踏まえた上でこの感想を見ていただけると幸いです。
このゲームは 20章で成り立っていて、2時間ほどでプレイ可能。
エンディング分岐はありません。
繰り返しプレイするよりも、はじめの1回に重きがおかれています。
各章では、パズルなどを解いて話を進めていきます。
とはいっても、マウスでできる簡単なものがほとんど。
しかし、時間がかかります。
例えば、仕事のシーン。
しかし 進めていくと、主人公の心のモヤモヤが画面上に。
青いボードがクリックできなくなってしまいます。
そして最後には、モヤモヤが募ってしまい
「なんでできないんだろう……」
という主人公のセリフで幕を閉じます。
このように、「簡単なこと」でもさまざまな壁がある。
思うようにすすめることはできません。
また、各章の最後はトンネルの中を歩きます。
Wキーを押すと「ゆっくりと」先に進むことができます。
ところどころに貼ってある紙をクリックすると……
「うつ病」に苦しむ 主人公の症状、心情が読み上げられます。
この繰り返しです。
ゲームを通して、切羽詰まった主人公の「こころのなか」を見ることになります。
シンプルなゲームなのに、思うように進められない。
ゆっくりと進むことしかできない。
くすみがかっている世界。
柔らかくて、でも どこか切ない音楽。
苦しそうなボイス。
「もどかしさ」がとても良く表現されているなと感じました。
特に前半は、プレイヤーに「共感」を突き付けてきます。
これがつらかった理由です。
なぜなら、この共感には「現実性」がともなうからです。
私は 今作のようなゲームを いくつかやってきました。
それをnoteで投稿しています。
その作品の主人公たちも、症状は違えど「こころの病」を抱えている。
それによって創られた世界を 私たちは見ることになります。
もちろんそれらにも、「共感」できるところはあります。
しかし、「現実」と「虚構」が分かれているものがほとんどでした。
私は「こころの病」の当事者ではありません。
画面を通した、ただの傍観者です。
だから「虚構」を見て セリフや心情に共感できたとしても、世界観そのものを消化しきれません。
今作は、ほぼ全てが「現実」の出来事です。
会社に行って、仕事をする一日。
映画を見たり、料理をする休日。
いつものこと、当たり前のこと。
その中に、苦しみが伴う。
それを突き付けられる。
「本当に うつ病 って身近なものなんだ」
そう再認識しました。
ちょっとした気分の落ち込みや 環境でも きっかけとなり、簡単に患ってしまう。
自分も、周りの人も。それは同じなんだなと。
進めていくにつれて、主人公に転機がおとずれます。
それにより、主人公の「こころ」はよくなっていきます。
あくまで「よくなる」だけで「治る」わけではありません。
ただ、「よくなる」ためには、自分の意志が必要だと改めて実感しました。
うつ病に限らず、「今の自分を変えたい、変えなきゃ。」と思うことはたくさんあります。
そのために、「行動」と「意識」をしなければならない。
小さなことでも、しなきゃなにも始まらないんだな。
それを再認識しました。
他人の力を借りることももちろん大事なこと。
でも、最後に自分をどうするかは 自分しか決められない。
傍観者として、「わかる」ことはできないかもしれない。
でも「うけいれる」ことは私にもできると思います。
うつ病を「うけいれる」ための作品として、今作はとてもいいゲームだと感じました。
余談ですが、話の中に「新約聖書」が出てきます。
進める上でいくつか抜粋しますが、作品中では用いない部分までしっかり日本語訳がありました。
(新約聖書を読んだことはないので、すべて載っているかまではわかりません。)
たとえ 話の一部であっても 細かく作り込まれている。
加えて、ナレーションには 制作陣の熱のあるメッセージが何度も登場します。
ゲームを通して「うつ病」を一人でも多くの人に知ってほしい
という 制作陣の本気 が感じられる作品でした。
これは実際にプレイして、自分の目で確かめて欲しいです。
まとめ
今回 私が『うつ病の部屋』をプレイして感じたことは、
ゲームとしては要素も少ないですし、「是非やってみてね!」と軽い気持ちでおすすめできるゲームではありません。
ただ、
うつ病を知ってもらう、受け入れる社会づくりのための「参考書」
としてはとてもいいゲームだと感じました。
おわりに
『うつ病の部屋』は、Steamでは700円と少し高めの値段になっています。
⇧
※6/4まで30%Offで買うことができます。
しかし、以前紹介した
『Milk outside a bag of milk outside a bag of milk』、『上に天井がある。』とそれぞれバンドル(セット商品)となっています。
⇩感想記事はこちら
バンドルで購入すると、10~30%安く買うことができます。
2作品とも興味深い作品なので、おすすめです。
最後まで記事を読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
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