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オンラインが、私の通訳に役立った?!【前編】
通訳者も注目を浴びる職業
「通訳者」と聞いて思い浮かぶのは、どんな職業でしょうか。話者の斜め後方に浅く腰掛け、日本語を外国語に、外国語を日本語にひそひそと訳している、「黒子」でしょうか。確かに黒子として舞台を支える役割もありますが、スポットライトが当たることもありますし、大舞台で活躍できる職業でもあります。
黒子という表現は「部外者であることを感じさせないくらいその場に溶け込み、違和感のない自然な通訳を心がけよ」という、通訳者自身に対する戒めでもあると思うのですが、実際のところ通訳者も社会の重要な一員であり、自らが属するその社会に対し一層の貢献を期待されているといっても過言ではありません。
実はホットな通訳業界?
コロナ禍以前は、クライアントのところへ出向いていって通訳サービスを提供するオンサイト型が主流でしたが、新規入国者数の制限で、その機会は減りました。とはいえ、日本が完全に国を閉ざしているわけではありません。
国際的な往来が物理的に制限されている分、オンラインによる海外とのコミュニケーションはますます重要になっています。
それに伴い、日本から海外への情報発信を支える通訳者の役割が、改めて注目されるようになりました。激変する日本と世界をつなぐという大きな舞台において、通訳者に求められることも刻々と変化する中で、私にも一人の通訳者としての新たな気づきがありました。
通訳もやっぱりオンライン
オンサイト型の通訳では、話者もサービス提供先も対面で、同じ場所にいます。同時通訳はブースの中に通訳者が入ってしまうので、物理的に対面するわけではありませんが、少なくとも会議が行われている同じ空間にはいるわけですし、逐次通訳であれば、クライアントの横に座りますので文字通り対面です。
通訳現場(「現場」といっても工事や建設をしているわけではなく、通訳者が通訳サービスを提供する場を「現場」と呼んでいます)でクライアントや参加者とその場を作り上げていく高揚感、達成感がこの仕事のやりがいだったといっても過言ではないくらいでした。
しかしそれがコロナ禍で一気にオンラインに移行したのです。
【中編】につづく
執筆者:川井 円(かわい まどか)
インターグループの専属通訳者として、スポーツ関連の通訳から政府間会合まで、幅広い分野の通訳現場で活躍。
意外にも、学生時代に好きだった教科は英語ではなく国語。今は英語力だけでなく、持ち前の国語力で質の高い通訳に定評がある。趣味は読書と国内旅行。