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旅に出たら地図を読むのと同じ、よね?〜『10分で名著』〜【11月読書本チャレンジ16】

今日のこの本は「名著読まなきゃ熱」で買ったのにそれを積読していた、という本です。『10分で名著』、いかにも名著が読みやすくなりそうなタイトルです。

『10分で名著』

さて、「名著=古典」は精読すべし、とは昨日取り上げた加藤周一『読書術』にも書いてあったことです。しかもそんな古典を読むのはある意味機が熟してから、つまり他の現代作品をあれこれ読んでから、自分で「読むべし」と思ったときに読めばよい、というような話でした。

でもそんな古典は往々にして難解なもの。

なぜ「名著」や「古典」は難解とされるのか。それは頭の良さの問題ではなく、前提知識の問題である。

はじめに

「よかった! 読めないのは私のせいじゃないんだ!」とホッとしますね。前提知識のない本を読むのは地図なしで外国の街を歩くようなもの。当たりをつけることができるなら、地図があるなら見ればいい。「手ぶらで歩くのはあまりに効率が悪い」と本書にはあります。ついつい、「せっかく古典を読むのだから解説書なんて読まずに原文を読まないと」などつい気負ってしまって結局読めないのなら、最初から解説書片手に本編に取り組んだっていいですよね?

本書で紹介されているのは、著者の思うところの難解で通読が難しそうなもの、だそうです。当然のように入っている『源氏物語』そしてプルーストの『失われた時を求めて』、社会科学ではルソーの『社会契約論』、マルクス『資本論』などそうそうたるラインナップです。そんな名著を対談形式で専門家に話を聞いているのが本書となります。

私が気になったのは、『古事記』と『風と共に去りぬ』でした。

『古事記』は社会の教科書には日本書紀とともに「記紀」として並んでいるのに実際は江戸時代に本居宣長が解説書を書くまで、そんなに巷間に流布した書ではなかった。それってなんで? どうして古事記は軽視されてたの? という本の背景も含めて対談が進みます。『古事記』って自分もちゃんと読んだことはないはずだけど、さまざまな創作作品のモチーフに使われていることも多く、知識が極めて断片的になっています。多読した現代文学から古典へ回帰する……加藤周一『読書術』のセオリー通りでいいじゃないですか。

『風と共に去りぬ』は映画は何度か観たけど、小説はまったく読んでいません。それこそ『100分de名著』で観て映画と本にかなりニュアンスの差があることは知っていましたが、翻訳者の解説によると英語自体の文体も「きわめて高度な技法と語法を使って書かれている」のだそうです。う〜ん、原書でトライするのもこれはありなのかもしれないけど、ハードルを上げるより素直に日本語訳を読んだ方がいいのかなぁ。迷うところです。

読んでみたいけど「ウッ!」と来る難敵には、解説書から。いい戦略といえるかもしれません。

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