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頂いたクレーム公開します

タイトル通りのお話ですが、誤解なきよう。

すべて私が謝りましたよ、という話です。
はい、ごめんなさい。

飲食店歴10年弱の体感値ですが、95%はこっちが悪いです。
そして、「クレーム」と言われるまで育つ前に、
前兆や要望があります。
それをキャッチできずに、放置するからクレームまで発展するんですね。

今回は、ちょっと種類の異なる、実際に体験した3つのクレームをご紹介します。(ご紹介、、、)
何かのお役に立てましたら、当時の私も浮かばれます。

ごもっとも!!先に○○しろ!

これは、おそらく店長として初めてクレームメールを頂いた案件。

当時、会社側には"お客様相談室"的なものはなく、お客様が連絡したい、となったら、お店に直接か、手紙・はがき、もしくは本社宛にメールをする。くらいの選択肢でした。

本社宛メールは、特別クレーム用として設置されていたわけではありませんでしたが、ほぼクレームメールでした。(たまに激褒めメールもあったけど)

そして、クレームのメールが来る、ということは、店舗では抑えられなかった、ということ。そして、本部のけっこうエライ人がメールを見る、ということなのです。

ですので、店長たちはメールされるのを恐れていました。もちろん、恐れからクレーム対応に熱心になる、ということはないのですが、
クレームメールについては、「あいつ、クレームを店舗までで抑えられなかったんだぜ」という空気が会社にあったのは確かです。

ーーー
ディナータイムでした。
閉店間際の、20時か21時くらいだったと記憶しています。

1名様がご来店されました。
ピークも過ぎていたので、お広い席に、と思いお座敷の掘りごたつ式、
4名掛けテーブル席にご案内。
(そのお店は、入り口で靴を脱いで上がってもらうスタイルでした)

お冷を持っていく前に、ちょっと時間がたってしまったので、
あ~1名様だしもう注文も決まってるかもな、、、とちょっと焦りつつお冷とおしぼりを持っていきます。

その方は座ったまま、こちらをじっと見て一言おっしゃいました。
「足が、汚れたんだけど」

ん?
一瞬では事態を飲み込めませんでした。

どうやら、テーブルの下に、前のお客様が落とした食べカスがあったようで、それを踏んでしまったようなのです。

「申し訳ございません!!」

基本的に、お客様が帰った後、テーブルをキレイにして、テーブルの下まで確認する。というのがマニュアルでした。
完全に店側の落ち度です。(私の落ち度です)

何枚かのダスターを手に、お客様のところまで戻って、あろうことか私は何故か、そのテーブル下の床の食べカスをキレイにしようと、ふきふきしました。

なぜ、これがいけない行為か分かりますか?

(シンキングタイム)
・・・・・・

テーブル下から顔を上げた私に、とても静かなトーンでお客様はおっしゃいました。

「足の裏、気持ち悪いんだけど」

はい!そうです!
第一に行うべきは、お客様の足を拭く用にダスターを渡す!!
これが正解ですよ!

きっと、あきれ返っていらっしゃったのでしょう。
怒るでもなく、あの静かなトーン、、、忘れません。

はっ!!!
と思ったときには、もうあとの祭り、です。

もちろん、注文などなしに、そのままお客様はお帰りになりました。

そして、翌日の朝、SV(上司)からクレームメールが入っていることを知らされました。

いやぁ、いま考えても当たり前だよね。
いくらペーペーの店長とはいえ、、、。
「まずは、お客様を気遣う」
有事の対応の基本を学んだのでありました。

ガラス片混入?!真の"徹底的"をやってみた

いつの頃か忘れましたが、これはけっこうこじれたので記憶にある件。

一言で言うと、「お客様が食べたハンバーグにガラス片が混入していた」
です。

文字面だけみると、かなりの一大事ですが、そもそも
ガラス片が混入するような事態はなかったのです。

もし、ガラス片が混入するとしたら、考えられること↓

  1. 席の近く、もしくは、料理の近くで何かが割れた。

  2. 機械や設備のひび割れで、混入した。

  3. もともとガラス片が入ったハンバーグだった。

1のような事態は、当日お店では起こっていませんでした。
考えられるのは2か3。
ただ、ガラスを使うような設備はほとんどなく、台下冷蔵庫のみ。

中身が見えるようになっている

しかし、さすがに破片が出るくらいガラス戸が割れていたら目視で分かるし、そんな形跡はなし。また、この台下冷蔵庫が設置されている場所は、
料理の導線上にはないため、ここから混入も考えにくい。

残るは3のみ。

お店のハンバーグは、冷凍品で工場製品でした。可能性があるとすれば工場で混入だが、、、。どうやって調べればよいのだ??

お客様には、丁寧に1,2,3の可能性がありますが、1,2の可能性は
ほとんどなく3だとしても調べようがないです、ということを説明。
何より、混入物の見た目がガラスっぽく見えなかったのです。

お客様が咀嚼している際に、ガリっという感覚があって、吐き出したもの。
欠片はかなり小さいものの、確かに硬い。でも白い。

ガリっとしてしまったことは謝罪しましたが、正体は分からずじまい。
ただ、全く引かないお客様。この欠片がガラスかどうか調べて報告してくれ。という要望までいただきました。

おー、、、マジですか。そんなご要望初体験。

会社に問い合わせたら、調べてくれる機関があるというので本部に欠片を
郵送、会社経由で機関に送付。後日結果が送られてきました。

動物の骨である。という検査結果でした。

牛と豚の合いびきハンバーグで、おそらく豚の骨だろうということでした。

その結果をお客様に送付。
その後はなにもなく、一件落着。

それ以降、検査機関にお世話になる事案には出会いませんでしたが、
異物混入があったら、混入したブツをしばらく保管するようになりました。

こんなこともあるんだね。。。

本部から指令!お客様のもとへ!

これは、私が本部にいた時の話。

その当時、お客様相談電話が設置されました。
本部の代表である電話番号が公開されており、そこに色んな業態のクレーム電話がかかってきていたそうです。
量はそれほどでもないものの、お店の具体的なクレームを言われても、電話を取る方は、事務のパートさん。店舗で働いたこともない方も多く、
また、各業態一括で受け取るので、メニューのことや○○店がすごくひどくて、、、なんて言われても、どの業態のどのお店??
となってしまい、ちゃんと対応できないし、お客様にも電話受けるパートさんにもよろしくない!

ということで、各業態に「なにかあったらここに電話してね!」という電話番号が発行され、その電話が私の机に置かれることになりました。

勘弁しろ。

私が担当だったのが約5ヵ月程度で3回くらいしか、かかってこなかったので、頻度は少なかったですが、緊張感がハンパない。

ぎゃー!コールしてるぅ!!と思って恐る恐る取った1件です。

「いま、○○店のお店の前にいるんですけど、、、」

そう始まった電話。

話を聞くと、いままさにお会計を済ましてお店から出たところだという
お客様。話を聞くと、店員の対応に納得がいかず、もやもやがつのって
お電話されたとのこと。

お客様は、お食事中、サラダのドレッシングを交換か、なしにして欲しい
(詳しくは忘れちゃった)的な、ちょっとしたご要望を店員にしたそうです。
その際に、店員に言われた言葉「できません」。

お客様は、え?と思ったが、それがお店のルールなら仕方ない、と思い、
そのまま料理が運ばれてきます。
そこでも、注文したものと違ったのか、何かがなかったのか(詳しくは忘れちゃった)、不手際があったそうな。
その時の店員の対応も、特に謝るでもなく一言あるでもなかったそうです。
「同じ男の人でした」

お客様はちょっと納得がいかなかったそうで、「店長を呼んで欲しい」と
伝えたそう。その時点では別段、怒ろうとかではなく、その男の店員さんの対応はお店で決まっているのか、それともその人の対応なのか知りたかったそう。その人の対応であれば、ちゃんと教えてあげたほうがいいですよ、と店長に伝えたかったらしい。

口調はかなり落ち着いていて、大人の喋り方。ただし、怒りはふつふつと湧いてきている様子。店長を呼んで欲しい、と言った後も店長は来てくれなかったそう。そしてその男の店員さんは、お客様が帰ろうと、レジに近づくと別の人にレジを任せて、帰り際の一言もなにもなかった。

それで、お金を払ってお店から出て、もやもやが収まらず、
ネット検索してこの電話番号に電話をかけた。
「あの店員さんとは話したくないんです」

うぉ~~い!!不信感MAXやんけ~!!

色んな所で、挽回のシーンあったぞー!最後の砦のお会計なんて、
自ら外しとるやんけ!逃げたな、、、、。

店長N!

そうなんです。そのお客様から不信感をいだいた男の店員さんの特徴を
伺うに、その○○店の店長N以外に考えられませんでした。

私のイライラがふつふつと沸いてきます。

「お客様のおっしゃる通りです」
クレーム対応ワードをさく裂させ、お客様を落ち着かせます。

というか、サラダのドレッシングくらい変えてやれよ。
オーダー間違えたんなら、第一声謝れや。そして店長呼ばれてんなら出ていけや。この場合、「お会計は受け取れません」の対応やろがい!!

クレーム対応ワードどころではなく、心の底から「お客様のおっしゃる通りです」と思っていましたよ。

そんな説明を、1つ1つ行い、その男性店員の対応はお店で決まっているものではないし、お客様のご要望はお応えできるものですよ。
「お客様のおっしゃる通り」なんですよ~!という旨を熱く伝えました。

お客様も、少しはもやもやが晴れたようで「さすが本部の方ですね!」
というお言葉を頂戴。無事クロージングです。

ただ、その時私のイライラはクロージングどころか爆発寸前でした。

お客様の電話を置いた後、即座に○○店に電話を入れます。

「もしもし、本部の私ですが、N店長いる?」
「お疲れ様です、Nです」

おいN、走れ

私の記憶の限りでは、まったく盛ってないです。ほんとパワハラ訴えられたら負けるかも、くらいの口調でN店長に伝えました。
いま、私があなたの対応により発生したクレームを対処しましたよ、ということと、お客様はまだ近くにいるので、走って追いかけて謝罪してこい。
ということを。

電話口でちょっとグダグダ言っていましたが、私の勢いに負けて、N店長は本当にお客様の元まで走って謝罪してきました。
そしてお店まで戻ってきてもらい、お会計を全額返金いたしました。

私が許せなかったのは、「店長として呼ばれたのに逃げた」からです。

おそらくお客様は、「対応悪い男性店員」=「店長」という認識がなかったので、N店長は呼ばれたとき出ていけなかったのでしょう。
そのお客様とやり取りをしているから、何か言われるとは分かっていて、
それをスルーした。
それが一番私の怒りスイッチを押しました。
(偉くなったもんだな、、、)

その後、そのほかにも色々あり、N店長は店長降格。
私が店長を務めるお店に、2番手として入ってきて、私から毎日ボロカスに言われる日々が始まるのでした。。。


以上!
誠実に謝るのが1番だよね!

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