【詩】どうかはやく
初めはそんなつもりじゃなかった
気まぐれな君はすぐにどこかに行ってしまうと。
そんな風にしか考えてなかった
それが今は懐いた仔猫のように
膝の上で休んでいることが多くなった
驚いたのは
それをひどく心地よく感じている僕がいること。
これからまだ少し続くであろう人生を
独りで生きようと決めていたのに
あんまり君が僕に不釣り合いな日常をくれるから
あんまり君が当たり前のようにそこにいてくれるから
「もう充分だ」
そう自分に言い聞かせては
今日も君の訪れを窓辺で待つ
大丈夫
君に何か迷うことがあった時
僕がそっと背中を押してあげる
大丈夫
もう僕は君のおかげで立てるようになった
どうかはやく君が飛び立って
僕から逃げてくれますように
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