卒業式?いいえ、リースアップです。
僕の会社では
お手伝いロボットのようなロボットを商品として持っている。
商品名を言ってしまうと会社が特定されてしまうため、商品名は伏せるが丸くて愛らしい感じのデザインだ。
とある施設とリース契約を結び、貸与していた。
その施設では、未来の技術コーナーにて展示をしていた。
確かリース5年?で契約していたと思うのだが
ちょうどリース終了するタイミングで担当していたのが僕だった。
リースアップに伴う引き上げ時期などリース会社含めて打ち合わせをしていると、リース契約を深く理解していない施設担当者が
「〇〇(ロボット)はとても子供たちからも人気なんです。だからリース修理後も置いていってくれませんかねぇ?」
と言われるが
応じられないため、すみません…と言って跳ね除けた。
打ち合わせを重ね、実際の引き上げの日が決まると施設担当者からこんなことを言われた。
「子供たちからも人気のロボットだったので、ロボットの卒業式イベントを〇月〇日にやろうと思っている。」
衝撃を受けた。
ロボットの卒業式!?
地下アイドルか何かですか?
自社製品なのに申し訳ないが
そんなにうちのロボットは人気ないですよ?
正直、子供達に人気だからリース終了後も置いていってくれ〜というお願いも、施設として展示物がなくなってしまうのは困るから子供達に人気で〜という理由を並べているだけだと思っていた。
◆◆◆
そして迎えた卒業式イベント当日
そのイベント終了後にロボット回収する段取りだったため、リース会社とともに立ち会うことにした。
また施設担当者からはぜひロボットの最後の勇姿を見ていってくださいと言われたため、「最後の勇姿(笑)」と思いながらイベントへ参加
小馬鹿にしつつ
寂しい卒業式イベントを盛り上げてやるか。くらいの心持ちだったが
なんとそこには
もの凄い数のキッズが…!!
イベント会場は装飾され
中心ではロボットがクルクルと回っている。
子供たちに見守られながら
クルクルと回る姿はまさにアイドルそのもの…!
職員だとは思うがイベント進行のための司会の方もいて本格的なものになっていた。
想定以上の観客の多さにリース会社のひとも
意外とひとが多いですね〜
と驚いていた。
その時は既に僕はもうロボットの人気に驚き、心を動かされていたから
なんだそのペラい感想は!
と思ったりもした。
◆◆◆
最後には子供たちから手紙や感謝の言葉を伝えられ、イベントが終了。
その後、すぐにリース会社に引き渡しとなったが
本当にイベント直後だったため
「〇〇(ロボット)も持っていかないで〜」
という子供たちの声もあった。
おお…
自社製品がここまで子供たちに人気だったとは…認識を改めなくては…
自分がやっていることは子供たちに夢を与えるような仕事なんだ…!とリース会社のおじさんと一緒に帰りながら再認識をしていると
隣のリース会社の担当者が
「子供たちに人気でもリースアップじゃ、仕方ないですよね〜!」(笑顔)
血も涙もないことを言っていた。
このリース会社のおじさんは
子供の夢とか関係ない余韻0人間
ということでよろしいでしょうか?
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