近代看護の母・ナイチンゲールと神道~整えるということ~

神道文化や思想からはるかに遠く離れたところで生きた、近代看護の母フローレンス・ナイチンゲールは、「善良な自分でいるために必要なのは、最善を尽くして自分を善良にしてくれる環境を整えること。」といいます。

私たちがたとえどんな環境にあっても善良でいられると考えるのは、
「下水溝の上に住んでいても健康でいられる」と考えるようなものだと言っています。これを知り、私はナイチンゲールの思想と神道思想と深い関わりがあるのだとの思いを強くしました。

身体に悪い気候の場所へ行かなければならなくなった人は、少しでも身体に良い環境を整えるよう考え、手を尽くすはず。同じように、人間には善良ではいられなくなる環境や事象があり、しかも簡単にはそれを改善することができないという場合もあります。

そんなとき必要なのは、与えらえた場で最善を尽くして、自分を善良にしてくれる環境に改善して整えることなのです。

ナイチンゲールのこの考え方は、神道思想そのものでもあります。時代や宗教、もちろん人種や文化も越えて、自分の体や住む場所や仕事の場、自分の言動や人とのつながりといった環境を”整える”ことで、私たちの生活は整い、体調が整い、心も整っていくのです。

環境を”整える”ことは、場を清めることです。掃除は、最も環境を整えて自身の運を開きます。神道は、「祓いに始まり祓いに終わる」といわれるほど清潔を第一に全ての物事を進めていくのです。

古代日本人は、日常生活で清潔と不潔をきちんと分けて行動をしていました。医療の世界も清潔と不潔を厳格にして日々の医療が行われています。コロナウイルスを通して私たちの生活においても普段意識していなかった手洗いやうがいの徹底により、清潔と不潔について意識せざるを得ない状況になりました。”整える”ことが心身の健康には大切なのです。

目に見える世界の清潔だけでなく、目に見えない霊的存在や邪気(妬み・誹り・嫉み)を浄めることがお祓いであり、古代日本人は、物質と霊のふたつの清潔を心掛けていたのです。家の掃除や「断捨離」をしたうえで、神社に参拝して霊的クリーニングをして清潔な魂にして自身を”整え”ましょう。


いいなと思ったら応援しよう!

命の語り部 鈴木哲司
よろしければサポートをお願いいたします。いただきましたサポートは、赤ちゃんの命を守る活動。鎮守の杜の維持や植樹。日本の伝統文化を守るために使わせていただきます!