2022年7月25日付のFNNプライムオンラインで「愛子さま 飼育の蚕公開 皇居内で養蚕作業参加」というニュースが配信された。
それで思い出したのが、柳瀬博一著『国道16号線 「日本」を創った道』(新潮社、2020年。以下引用は、全て本書から)という本である
上記ニュース記事によると、愛子さまは今年(2022年)、初めて養蚕の作業に加わったのだそう。
ここで唐突に映画『モスラ』(1961年公開)の話である。
何でも、「小石丸」というモスラの繭とそっくりな蚕の品種があって、皇居内でお世話しているのは、その「小石丸」なのだそうだ。
何でも、良質だった「小石丸」は日本古来ずっと育てられてきたが、その繭は小ぶりで、他の交雑種と比べて繭ひとつあたりの生糸の生産量が半分以下しかなく、急速にシェアを落としたのだそうだ。
実際、『宮中養蚕でも小石丸の飼育をやめようという動きがあった』(P188)そうだ。
しかし……
ところで、何故宮中養蚕の話が「国道16号線」というタイトルの本に出て来るのか?
この本の紹介文によると、国道16号線は『旧石器時代から人が住み、武士集団が駆け、頼朝と家康を呼び寄せた。近代に入ると絹と軍艦で経済を支え、ユーミンはじめ新しい歌がここから生まれた――(略)該当エリアには1000万人が住み、全国一混雑する道でもある』らしい。
国道16号線が走る東京都八王子市出身のユーミンこと松任谷由実氏の実家が「荒井呉服店」というのが示唆的であるが、八王子は『蚕の餌となる桑の名を冠して「桑都」と呼ばれるほど養蚕業が盛んだった』ことに加え、『日本各地から集まった生糸を集積して横浜港に送る中継地点となった』(いずれもP168)場所である。
さて、現在の美智子皇太后のご決断によって守られた「小石丸」はその後……
そしていずれは、愛子さまに引き継がれるのだろう。
ところで、FNNプライムオンラインの同日別記事に愛子さまが飼育された繭の写真(宮内庁提供)が載っているのだが、私の目には「ひょうたん型」ではなく「楕円形」に見える……
私は今まで、何を書いてきたのだろうと思ってしまいそうになるが、まぁいいや。