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本の紹介

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#映画

濱口竜介著『他なる映画と 2』

この"note"やSNS、ブログなどネットメディアが発達したおかげで、我々一般の映画好きが感想や…

アンマchan
5か月前
9

2023年GW 酒。読書。観劇。それだけ

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやり…

アンマchan
1年前
7

取り壊される校舎が卒業していく彼女たちによって再生していく逆説~朝井リョウ著『少…

高校の卒業式というのはとても特別だ、と朝井リョウ著『少女は卒業しない』(集英社文庫、2015…

アンマchan
2年前
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「命をいただく」~映画『ある精肉店のはなし』~

映画『ある精肉店のはなし』(綾瀬あや監督、2013年。以下、本作)の冒頭、普通の住宅街の道を大…

アンマchan
3年前
2

「エンパシー」で観る、今、絶対観るべき映画~映画『マイスモールランド』~

映画『マイスモールランド』(川和田恵真監督、2022年。以下、本作)の2022年5月18日18時40分上…

アンマchan
2年前
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2020年代の若者のストレス?~稲田豊史著『映画を早送りで観る人たち』~

2020年代に入って「ファスト映画」「倍速視聴」といった言葉を聞くようになり、今や説明が不要…

アンマchan
2年前
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関西弁「即興小話」的物語~東直子著『キオスクのキリオ』~

歌人・作家の東直子氏の短歌に着想を得た映画『春原さんのうた』(杉田協士監督、2022年)のパンフレットに、東氏と杉田監督の対談が掲載されていた。 その中で、杉田監督が東氏の小説『キオスクのキリオ』(ちくま文庫、2017年。以下、本書)について、『即興小説なんですよね』と言及しているのを読んで、私は自室の本棚からいそいそと本書を取り出し、パラパラと捲ってみた。 大阪のどこかの駅のホームにあるキオスクで働く、独身のおっちゃん(と自身で言っている)キリオが、生来の人の好さゆえ、ち

思い出が"宿る"写真~映画『おもいで写真』

21世紀に入る前後から、カメラ付き携帯電話やスマートフォンの普及で写真を撮るのが日常的な行…

アンマchan
3年前
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映画『いとみち』

ま、真逆だ…… 「服のサイズは5号、泣き虫」ではなく、「服のサイズはLL、泣けない」と全くの…

アンマchan
3年前
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「映画配給」という仕事

映画の冒頭、本編が始まる前に、配給会社のロゴ映像が流れる(「前づけ」と言うそうだ)。 たと…

アンマchan
3年前
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「日本酒女子」の本で日本酒を知る

Suits-woman.jp 2021年4月20日配信「日本酒好きが選んだ、最も好きな日本酒ランキング」という…

アンマchan
3年前
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映画『ブックセラーズ』と古書にまつわる本

私が新宿の「シネマカリテ」で観た映画『街の上で』(今泉力哉監督、2021年)にて、主人公・青が…

アンマchan
3年前
2

カレーライスをイチから作る

死語になった言葉に「かまとと」というものがある。 goo辞書によると「知っているくせに知らな…

アンマchan
3年前

映画『トキワ荘の青春』

2021年2月、『トキワ荘の青春 デジタルリマスター版』(以下、映画と記す)が公開された。 オリジナル版の公開は1996年、監督は市川準。 「トキワ荘」は有名だから、今更説明の必要もなく、世間一般的には「漫画家という大きな夢を持った若者が、日々切磋琢磨しながら腕を磨いていったアパート」という、ポジティブなイメージで語られるだろう。 そのポジティブさの一因は、実際に大きな夢を実現し、生涯「人気漫画家」でいられた(或いは、いられるであろう)漫画家たちの、「あの頃があったから今が