クラファンで魚の缶詰を支援したらなんかすごいのが来た。
魚が苦手だ。
のっけから事態が悪化した。
まさか2行でnoteを終わるわけにいかないので諸々の言い訳をさせていただく。
料理はするんだ。するんだが、どうしても魚の調理は苦手だった。そもそも接触する機会が少ない。
生物の宿命とはいえ、骨、血、あのにおいがね。どうにもこうにも相容れない。しかしこれは魚が悪いのではない。自分が悪い。ごめんね魚さん。
そんな自分が愛してやまないのが、缶詰だ。
あれはいい。何もしなくていい。缶を開けさえすればよい。一部のかなり特殊なものを除けば、好ましくないニオイもしない。缶を開けたらほぼ間違いなくおいしいにおいがする。さらに、面倒な骨の問題も最初から解消している。
いいことしかない。
さて、出会いは突然だった。
気になるクラファンがあるじゃないの
とあるフォロワー(ひじょうしょくん/はじめての非常食)のこのツイートがはじまりとなる。
近年高まりつつある防災への意識を更に高めるべくとか言えば格好がつくのだが「ああ、なるほど。缶詰食べたいな。」程度の感覚で支援を決意する。
そういうのでいいと思うんですよ。クラファンだってちょっと興味を持ったら安易に支援してみたらいいと思う。なかなか無関係な会社の事業に参画することってないから。
”お土産で交わす新しい備蓄食品「みやげ備食」で、防災備蓄を広めたい!”
※もう支援は終了しています。そりゃそうだ。現在はECで買えるから安心してください。のちほど紹介します。
届いたので先ずは見てみようじゃないの
ご対面
クラファンの経過を見ていたので知っていたのに、実物に会った気持ちはむしろ特注の靴でも届いたかのような感動に近い。じつはこれが人生初の食べ物クラファン支援。じつにうれしい。
配色はポップであるのに対し、黒い実直な文字が対照的だ。『カワイイ』に寄り過ぎないよう工夫した結果だろう。さりげなく箱のデザインも缶に合わせている。
個人的にサバカレーの配色が一番好き。
そもそもみやげ備食およびGift&Stockのコンセプトは『お部屋のディスプレイ・贈答品になりうる非常食』という一風変わったものだ。防災備蓄のストックなど見えないところに通常は置きがちであるが、それを表に引っ張ってきたわけだ。
というわけで、さっそく
食ってみようじゃないの
ロケーション
単にうちで開けても、映えない・つまらない・もったいない。そこで、今日は天気がいいから缶詰とスプーンを持って外へ出かけた。
もしこの缶詰たちが口をきけるとしたら、戸惑いの声が上がったんじゃなかろうか。太平洋の三陸から、はるばる反対側の日本海に来たのだから。
おまけにちょっと波が高い気がする。正直怖い。
波打ち際から距離を取って実食兼撮影をすることに。安全第一。
開封
外は快晴。部屋から持ち出したミニテーブルに置いただけで画になった。これがこの缶詰の実力だ。自分の中の非常食という概念が覆っていく。
なるほど、言うなればこれは非常食というより非日常食とも言えるんじゃないか。
さて、ときどき飛んでくるカラスが気がかりだが、「イナダのトマトリゾット」を開けてみよう。
いい色だな。赤い食べ物は良い気持ちになる。
中身は蓋までみっちりと詰まっている。美味そうだ。
味とか
リゾットだからもちろん米が多いのだが、混ぜると底のほうにイナダの身がコロコロと入っている。しっかり食感が感じられる、ほどよい大きさだ。
トマトの酸味がして、塩味は控えめ、ほのかに苦味があるのは魚由来なのかハーブ由来なのか。ハヤシっぽいコクがあるなあと思ったのは、たぶん味噌の風味なんじゃないかな。本格的な味。立派な外食である。うまい。
米の粒が立っているのはこれが玄米だからである。缶詰はたしか製造過程で100℃以上に加熱するから、白米はおかゆのようになってしまうんじゃないかな。(誤りあり、下記引用に公式からの説明を載せます。正しいことを知って欲しいからね。岩缶公式さんありがとうございます。)
玄米にすることで、やや芯を残して炊くアルデンテ・リゾットの食感になっているのではないか。
今回は常温のまま頂いたが、これはぜひ温かい状態でも食べたい。
なお、他2種類の缶詰については追々趣向を変えてレビューしていきたい。
これを非常食というにはあまりに贅沢だ。
しかしおうちの片隅で出番を待っていて、居るんだか居ないんだかわからなくなるより『何事もなくよかったね』という『ご褒美』としてのローリングストック。といったような新しい備蓄の形をそこに見たように思う。
しまった。なんだか真面目にまとめてしまった。
【おまけ】イナダのトマトリゾットにオススメのサイドメニュー
イカ天。瀬戸内れもん味
軽い食感がリゾットとナイスコンビ。これも見た目がいいので一緒に備蓄してみてはどうか。なんかもう備蓄というより家呑みって感じだが。
ウィルキンソンタンサン レモン
最初から狙ってたのではというほどリゾットに合っていた運命的タンサン。直感でこれを選んだ自分ナイス過ぎる。食べていたことがなかったことになりそうなほど全てをさっぱりさせる炭酸の刺激。
酒ほしーってときの救世主でもある。疑似酒。誰も傷つけない。そう、自分自身も。そういう存在になりたい。
これも水っちゃ水なので、備蓄してみてはどうか。酒も割れる。酒で疑似酒を割る。ほら、新たな地平が見えてきた。
ごちそうさまでした!