マガジンのカバー画像

かわいい父と激しい母と私の介護日記

35
ウチの父はとてもかわいいです。その父が突然介護4になりました。これは介護に翻弄される、強い母と私の日常の記録です。
運営しているクリエイター

2023年4月の記事一覧

かわいい父と激しい母と私の介護日記(29)

かわいい父と激しい母と私の介護日記(29)

寝たきりの父に出来ること

父の状態は安定している。バルーンはついているし、体のむくみもある。多少のせん妄はあるけど、介護スタッフの方や往診医のおかげで、落ち着いて暮している。

こうなると、父は毎日退屈そうだ。もともと趣味が、仕事と畑を作ること。どちらも寝たきりでは難しい。
何かベッドでも出来る事はないかと探す。友だちがデイサービスで働いているので、計算ドリルや点つなぎ、クロスワードなどのプリン

もっとみる

かわいい父と激しい母と私の介護日記(28)

施設という選択

「お父さん、このままでいいのかな?」
母が言った。
「施設とかに入った方がいいのかも。」
あぁとうとう来たか、この話。
母はやっぱり父の介護が負担なんだ。

私は父がかわいいので、自宅介護したいのだ。と、言っても正社員の私はほとんど仕事で、母に任せきりだ。でも、父を施設に入れたくない、施設で働いていた私なりの思いがある。

でも、母の施設に入れる理由は、意外なものだった。
このま

もっとみる
かわいい父と激しい母と私の介護日記(27)

かわいい父と激しい母と私の介護日記(27)

母の転倒でわかったこと

日曜日のある日。自分の用事をすませて昼過ぎに、父の様子を見に行く。
すると母が、「今日午前中に、畑で転んじゃって、右手を打ったみたい。」
と腕をさすっている。
「えっ!大丈夫?痛いの?」と私。
「痛いけど、腕も指も動くから骨は大丈夫だし、そのうち治るよ。」と母。

本当かな?なんだか怪しい。
母はとても我慢強い。弱音を吐くのが大嫌いなのだ。
「病院行かなくて大丈夫?」

もっとみる
かわいい父と激しい母と私の介護日記(26)

かわいい父と激しい母と私の介護日記(26)

再びせん妄へ

しばらく落ち着いていた様子の父だか、再びせん妄が現れた。

近所に、自分の経営するお店を建設中という妄想と、外を歩いたという妄想。
母は、なんとか現実に戻そうと父の妄想を詰める。

「お店どこ?そんな土地あるの?」母。
「近所の人に借りたの。」と父。
「へぇ〜なんて名前の人?」母。
「忘れちゃった。」困る父。
「土地借りてる人の名前もわからないなんて、おかしいでしょっ!」母キレる。

もっとみる