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香炉



指紋も
残らない速度で
鍵盤を叩くように立ち去った
世界をサラウンドの
残像でなつかしむ、いつまでも合わない
瞳の奥に
街の光、自然に
こぼれた笑顔を止めたときに
選び取っていた、
つくられた
未来へ誘う、調整という
言葉の中に輝く瞳が
映り込んでいる窓、人が持ち出してきた
理由が
白く眩しい鍵盤に
落ちて、扉を開ければ掻き消された音楽は
店内の
綺麗なBGMだった
 
香りの行く先へ沈もうとする
百合の花弁が
空洞へ傾いて弾いた
音の方を
振り向いている、黙って
前を見ているときに






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