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浅瀬



暗闇の方へ右の爪先を残して今
ふり向いたところ
 
肺の中で
冷たく生きる、マーメイドの
跳ねる足音、青い光に染まる、影が
張り詰めたベースの
弦を
はじくように無音のままで汗に流れて、なぜ
逃げているところだと
思い込んでいたのか、震える
肌に降る火の粉の
分身、
その息で
泡のように舞い上げて
走る
 
目覚めたら
あの
岸辺でひっくり返ったボートの腹で休もうか
 
ここまでは
来なかった
人を
思い出している、
めくれた毛布を直す途中で手は
 
人間でも
なんでもなくなったきみに重なる






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