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零月



引き受ける
素振りも見せずに
煙を見送る
 
指の
少し先で
ピントのずれた灯火が、脱ぎ捨てたフォルムは
崩れて、瞳は無の音階を駆け上がる
 
着地する
灰の
消し忘れたクレーターに流れ込む不在を
駆け下りて
 
遠くまで耐えた
足元で
開く庭の暗がりに、
慣れてきた目が見つける、秘めた背中へ
送る風
 
白い大地から引き上げた
黄金のくちばしで
空へ逃がした灰が舞う、雨にさえ
撃ち抜かれて
傷めた
翅へ向かう灰たちの滑空、人だったものも
そうではなかったものたちも
君のように降る
冬を
畳んだ翅で受け止めた、背中に、抱きしめれば
崩れるほどの希望






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