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淡雪



湖面に映した姿に
似た
なにかが浮上するとき、こぼれて
消え落ちるものの中に
忘れたくないものが
あった、
追えるところまで
追って
空白を
連れて来た君と、
この世では
成り立たないと信じられていた
眠る元素が
震えてほころんだ、幼い頃に
なにも知らずに笑いかけた何人もの人たち、
うれしかったと思う、冬の空で
虚空から
目覚めて
 
また
眠るまで
 
大きく
息を吸い込んで黙り込む
 
君の不在が
見えているように
舞っていた雪の
香り、
音が、
ここにも戻って来る、首を傾けて見ている、
はじまるのはいつも、見送ったはずの
空から






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