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夕霧



無音の
一拍目から
滑りだした、核心を
台詞で伝えようとする映画に
うつむいて、ボトルの底を回している、無数の
気泡がコルクを押し上げるまでの時間、
だれの
頭の中にも流れていない星のように
過去を
見つめる未来の瞳が
今の私に触れている、この世界に
素直に傷ついたページの灰を、私も心に
撒いている
 
見えない花の匂いを追って
森に、消えた
人影、
あのとき
入れ替わるように、この街に
何を追ってきたのか、そのことを忘れて
開く
花たちの季節が来るよ






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