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紅炎



信じる心に
振り下ろされている
見えない手をつかむ
 
知らされないことが
あふれて、
知らされずに
断ち切られた あした。
つくられた本当を引き受けて、散らばった
人間が
スローモーションで落ちてゆく
真ん中で
黒い眼の沈黙を見ている、裁かれることなく
生きて、
行き場のない
あしたが、いつまでも
あしたのままで浮かんでいる、焼けた
道路の陽炎が ちらちら
眩しい この時代からも跳ね上がる
 
日々を
越えて行く
真っ赤に擦れた唇の稜線で
頬を押し上げて固めた
私を
覆せないかと
想っていた、太陽の波間で
 
冷静に
選んだように見せて、楽に
なりたかったのか、放した手、残像、
さびしくても、さびしくても
さびしくても
知っている、怖いものと 一緒に消えるように
去っても、きみにだけ
届くように書いた言葉が いくつもあった人生
 
吹き飛ばしてくれ






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