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七星



血のように
指先までのぼる
幸せを
小さな翅に伝えて放す
 
右だと思えば、地で、天で、
回り続ける炎から飛び立つ赤い翅音だけが夜も
見失わない
空のリング
 
一点で
重なって広がる星々の呼吸
 
自分には
見えない背中を
後部座席から見つめてる、鏡の奥で息をする
視線の角度で昇ってゆく
 
チョコレートのマーブル模様が
舌の先で冷たい
夏のような幻が まだ生きている、
君の言うようには動いていなかった世界で、
これから
ひとつでも知らないことに
出会えますように、同じ根から
伸びるイバラを撫でている
指先






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