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林檎



一瞬で
切り替えられる軌道が
無数に見えている高い空から
届く言葉に身構えている、眠りに
落ちもせず、目覚めもせずに、
夢からも、うつつからも、
遠ざかって行くまで、
枕に
耳をしずめて
 
私が信じたひとかけらを信じて
ほしいと思っていた過去が、瑞々しい
言葉と
いっしょに喉の奥へ
落ちて行く約束でもしていたみたい
 
不意に
優しさと名づけられた私をそれでも
連れて生きている、もうひとりの
私に言わせてあげたいことが
まだたくさん あるから






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