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自動化やってますか?身近でできる自動化について【後編】


前回のおさらい

前回は自動化って何ぞやというお話と、簡単な具体例をご紹介しました。
今回は、もう少し踏み込んで、自動化の具体的な仕組みをどうやって作るかの実例をご紹介します。

まずは前回の続きとして、Web会議ブースのために流しているホワイトノイズを自動的にオン・オフする仕組みの中身について触れていきます。

サウンドマスキング自動化のしくみ

幸い弊社には検証用のiPhoneが複数台ありましたので、これを使ってiOSで標準搭載されている「ショートカット」というアプリと、「バックグラウンドサウンド」という機能を使うことにしました。

まずはショートカットアプリですが、これはiOS内のあらゆる機能をアクションとして、位置情報・時間・ウィジェットの手動起動などをトリガーとして実行できるワークフローを提供する標準アプリです。

標準ながらも使っている方は意外と少ないアプリなので、この機会にお試しください。

ショートカットとは、iPhoneやiPadの複数の機能や操作を自動化してくれる機能のことです。特定の条件や操作をあらかじめショートカットに指定することで、ワンタップやSiriへの指示で素早く実行できます。

楽天モバイル『iPhoneのショートカットとは?作り方やおすすめレシピを紹介』

具体的な仕組みをお見せしますと、こういう中身になっています。

バックグラウンドサウンドは、コントロールセンターの設定で有効にしておけば、こういった耳のアイコンが表示されていますから、ここを操作するとで使えます。

これで下準備は万端です。iPhoneとスピーカーをBluetoothでペアリングしておき、どちらも常に充電しておくだけで毎朝8時に動作します。
反対に、平日19時ごろにはスピーカーの音量を最小にするようなワークフローを設定することで、目的は達成されたわけです。

一方で課題もまだあり、この仕組みはBluetoothに頼っている部分があるので、まれにペアリングが切断されてしまったり、休憩スペースの電子レンジの電波と干渉してしまったりします。いっそのこと有線接続に変えてしまおうかと思案中・・・。

ショートカットで他にもできること

私は以前、帰宅前に家族に帰宅時間を告げる半自動化のツールを組んでいました。仕組みは以下のようなものです。

  1.  「退勤」と書いてあるウィジェットをタッチすると、乗換案内アプリを立ち上がり、どの電車に乗ればよいかが表示される

  2.  それとは別に、マップアプリで職場最寄り駅から自宅住所まで交通機関でどれぐらい時間がかかるのかを取得

  3.  10分程度バッファを追加

  4.  上記の情報をテキストに起こしてコピー

  5.  コピーした内容を家族のLINEに送信

これは実際に効果を発揮しました。家族からの「帰る前にコレ買ってきて!」というような連絡を、自宅の前で見てしまって呆然とすることを何度も回避で来ていたと思います。

家庭でできそうな自動化例

夏は冷房、冬は暖房に頼るしか生存の道はないのが人間ですが、帰宅してからスイッチを入れても快適になるまで時間がかかるのをなんとかしたいですよね。

▼参考

IoT家電(スマート家電)や専用のツールをを用意する必要がありますが、こういったものを使えば、スマホの位置情報が自宅に近づいたことをトリガーとし、対応する家電を起動できます。
帰宅したときに感じるコンクリートより冷たいカーペットと、外より蒸し熱い部屋に絶望しなくて済むわけです。

また、Switchbotなどの専用ガジェットを使えば、非IoTなものを物理的にIoT化してしまう、ということができます。照明のスイッチに専用の機械を取り付けて、リモートコントロールなどの操作を可能にできるものです。
あるいは、「朝になったら自動的にカーテンが開く(カーテンレールに取り付けた機械がカーテンを開ける)」のような仕組みであったり、部屋の湿度が一定ラインを下回ったら自動的に加湿器を起動する、というのも有名ですね。

ここまででいくつか具体例を挙げてみましたので、身の周りの環境で自動化できそうなものが見えてきたのではないでしょうか?
最後に、こういった試みのメリットとデメリットに触れたいと思います。

メリット

  • 作業にかかる時間を低下させられる(人間が楽できる)

  • 作業の実行が確実に行われる(作業のことを忘れても平気)

これが一番大きな利点ですね。手を動かさなくても期待した結果がもたらされ、楽できるというのは大きな恩恵なのですが、「アレやらなきゃいけないな・・・」すら意識しなくてよいというのは、精神的なリソースが浮きます。

  • 作業の内容の確実性が上がる(毎回同じ作業を間違えずに行ってくれる)

これも重要な利点だと思います。自動化するほど手間がかかっていなくても、正確性が求められるシチュエーションで効果を発揮します。
つらつら書きましたが、先ほど述べたような自宅の部屋の環境を一定に保つ仕組みを頼るのはかなりお勧めです。お子さんやペットがいらしゃる家庭なら尚のこと。

デメリット

  • 使うツールアップデートに注意が必要

滅多に起きないことですが、今時の自動化というのはデジタルに頼りがちですから、日々新しくなっていく宿命にあります。
気に入っていたサービスが終了してしまったり、アップデートで仕様が変わったので仕組みを変えなきゃいけなくなる、ということが無くはないです。

  • 準備やメンテナンスに時間をかける必要がある

自動化した仕組みに作業を任せ、期待する結果を確実に得るためには、やはり入念な下準備が必要です。これは避けられません。
ですが、これはこれでやってみると面白いので・・・。(後述)

終わりに

デメリットを最後に書きましたが、トライアンドエラーを経て自分が望んだ仕組みが動くところを見るのは楽しいものでして、個人的には、こういうものはピタゴラスイッチみたいな仕組みを組み立てる楽しさに近い気がします。

この記事を読んで、もっと高度な仕組みを使っているよ、という方も大勢おられるでしょうし、この記事を参考に自分の身の回りを便利にしてみようかな、と思われた方がいらっしゃればうれしいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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